2024-06-21

   

もう一度見たい! TBS『名作ドラマ特集』


 TBSは約2ヶ月にわたり「TVer」「TBS FREE」にて、『TBS DRAMA 夏コレ』と題し、初配信作品を含む55タイトルの名作ドラマを期間限定で無料配信する。今回は、配信されるラインナップの中から2作品を紹介する。

TBS DRAMA 夏コレ

木更津キャッツアイ

木更津キャッツアイ

元高校球児で21歳の田渕公平=通称:ぶっさん(岡田准一)は、末期ガンを患っていることが判明し、長くて半年の命と宣告されてしまう。死ぬまでの間に悔いを残さないように生きたいと考えたぶっさんは、怪盗団「木更津キャッツアイ」を結成。メンバーは高校時代のチームメイトで、今も草野球チーム「木更津キャッツアイ」に所属するバンビ(櫻井翔)、マスター(佐藤隆太)、アニ(塚本高史)、うっちー(岡田義徳)の5人だ。彼らは、草野球チームの監督・猫田(阿部サダヲ)のキャデラックを盗もうと計画するが…。宮藤官九郎脚本の青春コメディドラマ。この作品をTVerで見る

ドラマ専門家のイチオシポイント!

Point1

人気俳優たちのフレッシュな演技が観られる貴重なドラマ!

 放送されたのは22年前で、主人公のぶっさんを演じた岡田准一をはじめ、櫻井翔、佐藤隆太、塚本高史、岡田義徳の20代前半の頃のフレッシュな演技が観られるのが本ドラマの大きな見どころ。他にもブレイク前の阿部サダヲや古田新太もメインキャストとして出演しており、全員が一癖あるキャラクターを熱演している。今ではそれぞれがドラマや映画の主演を務めることも多いが、クドカン作品ならではの突き抜けた演技を楽しめる貴重なドラマと言える。



Point2

民放テレビでは放送NGのセンシティブなシーンに注目!

 アイドル全盛期の岡田准一や櫻井翔がタバコを吸うシーンが登場するが、いまのテレビドラマではありえないことで、かなり攻めた演出となっている。他にもぶっさんらキャッツアイのメンバーがストリップ劇場にいるシーンや盗みを働くシーン、下着姿の女性が映るシーンやAVのビデオテープに阿部サダヲ演じる猫田がミッションの映像を紛れ込ませる場面も!今ならコンプライアンス的に引っかかりそうな衝撃映像にぜひ注目してほしい。



ドラマ専門家・奥村’s REVIEW

 野球や死、友情といった要素に加えてDVやストーカーなど近年ようやくいろいろなドラマで描かれるようになったテーマを盛り込んだ宮藤官九郎の脚本力に驚かされる。また、本作は1話ごとに本編ストーリーを表パート、メインの話の裏で何があったかを巻き戻して説明する裏パートという、野球のゲームの表裏のような二部構成になっているのもおもしろい。女性陣もユニークで、酒井若菜演じるモー子は軽く扱われがちだが根は真面目で愛嬌があり、薬師丸ひろ子演じる美礼先生は学校に爆弾を仕掛けるヤバい一面を持ちつつも、元生徒のぶっさんのことを誰よりも気にかけている。そして森下愛子演じるローズは場を明るくする楽しいキャラクターで、とてもチャーミング。女性陣が魅力的だからこそ、おバカな男子たちがより一層輝いて見える。主人公が余命宣告をされているにもかかわらず、コメディドラマとして成立している珍しい作品だが、ベースに“死”という重いものがあるからこそ、キャッツアイのメンバーのくだらない会話に笑い、彼らの友情に胸を熱くすることができるのだ。仲間とビールを飲み、馬鹿騒ぎできることの幸せを噛み締めながら鑑賞してもらいたい。

この作品をTVerで見る

Stand UP!!

Stand UP!!

セックスに興味津々の浅井正平=通称:ショーちゃん(二宮和也)、岩崎健吾=通称:ケンケン(山下智久)、江波功司=通称:コーくん(小栗旬)、宇田川隼人=通称:ウダやん(成宮寛貴)は、女子生徒から「童貞ボーイズ」と呼ばれている。ある日、4人は幼なじみの千絵(鈴木杏)と再会し、両親が旅行に行っているという千絵は正平の家で暮らすことに。「童貞ボーイズ」の4人は童貞卒業をめざして奮闘する。東京の戸越を舞台に、男子高校生たちの恋と友情を描いた青春コメディ。この作品をTVerで見る

ドラマ専門家のイチオシポイント!

Point1

二宮和也、小栗旬らイケメン俳優たちのウブな姿に注目!

 「どったの?」という口癖が可愛い真面目なショーちゃん、自分のことを「拙者」と呼ぶ電車オタクのケンケン、サッカー部のキャプテンなのになぜかモテないコーくん、コギャル軍団から蹴りを入れられてもパンチラに喜ぶウダやんというおバカな4人が、ウブでチャーミング。イケメンなのにそれぞれ違う“残念”なオーラを醸し出しているのはさすがである。芸能界を引退した成宮と、今では国内外で活躍する3人の初々しい芝居に注目してほしい。



Point2

大人と子どもの対立がキラキラした青春ストーリーを盛り上げる!

 ケンケンの母親はラブホテルを経営しており、息子が童貞を卒業するのを応援しているが、コーくんの父親は町内会の会長を、ショーちゃんの父親は副会長を務めており、子どもたちの風紀取り締まりに力を入れている。そんな親たちの目を盗んで女性と良い雰囲気になっても、なぜか居場所がバレて怒られてしまう。うまくいかないもどかしい日々が4人の欲望をさらに掻き立て、高校生らしい青春を送る彼らの物語を盛り上げていく。



ドラマ専門家・奥村’s REVIEW

 童貞という屈辱に耐えられずに「純潔保存会」を結成する4人の裏腹な行動に笑いつつも、思春期ならではの悩みに葛藤する彼らに心を揺さぶられる。ドラマ全体を通して“17歳のひと夏の恋”を描いており、英語の先生のことが好きなショーちゃん、彼女にフラれたあと千絵に恋するケンケン、他校のサッカー部のマネージャーを好きになるコーくん、DB4(童貞ボーイズ4)をイジるコギャル軍団のマキが気になるウダやんが、女子たちに振り回されるというおかしくも愛おしい姿に思わず笑みがこぼれる。個人的にグッときたのは、いざ童貞卒業のチャンスが訪れた時、彼らは「好きな人とする」「相手が嫌がったらしない」「避妊具を持っていないときは相手がいいと言ってもしない」など、ピュアであるが故に相手と自分を傷つけないよう心がけるところ。そこがこのドラマの大きな魅力で、おバカでエッチなシーンも多々あるが、最終的にはイケメンたちの善良で正しい姿に救われるのだ。なんならすべての中学校・高校の授業で、“性教育”の一環として生徒たちに視聴してほしいぐらいである。

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木更津キャッツアイ

木更津キャッツアイ

元高校球児で21歳の田渕公平=通称:ぶっさん(岡田准一)は、末期ガンを患っていることが判明し、長くて半年の命と宣告されてしまう。死ぬまでの間に悔いを残さないように生きたいと考えたぶっさんは、怪盗団「木更津キャッツアイ」を結成。メンバーは高校時代のチームメイトで、今も草野球チーム「木更津キャッツアイ」に所属するバンビ(櫻井翔)、マスター(佐藤隆太)、アニ(塚本高史)、うっちー(岡田義徳)の5人だ。彼らは、草野球チームの監督・猫田(阿部サダヲ)のキャデラックを盗もうと計画するが…。宮藤官九郎脚本の青春コメディドラマ。この作品をTVerで見る

ドラマ専門家のイチオシポイント!

Point1

人気俳優たちのフレッシュな演技が観られる貴重なドラマ!

 放送されたのは22年前で、主人公のぶっさんを演じた岡田准一をはじめ、櫻井翔、佐藤隆太、塚本高史、岡田義徳の20代前半の頃のフレッシュな演技が観られるのが本ドラマの大きな見どころ。他にもブレイク前の阿部サダヲや古田新太もメインキャストとして出演しており、全員が一癖あるキャラクターを熱演している。今ではそれぞれがドラマや映画の主演を務めることも多いが、クドカン作品ならではの突き抜けた演技を楽しめる貴重なドラマと言える。



Point2

民放テレビでは放送NGのセンシティブなシーンに注目!

 アイドル全盛期の岡田准一や櫻井翔がタバコを吸うシーンが登場するが、いまのテレビドラマではありえないことで、かなり攻めた演出となっている。他にもぶっさんらキャッツアイのメンバーがストリップ劇場にいるシーンや盗みを働くシーン、下着姿の女性が映るシーンやAVのビデオテープに阿部サダヲ演じる猫田がミッションの映像を紛れ込ませる場面も!今ならコンプライアンス的に引っかかりそうな衝撃映像にぜひ注目してほしい。



ドラマ専門家・奥村’s REVIEW

 野球や死、友情といった要素に加えてDVやストーカーなど近年ようやくいろいろなドラマで描かれるようになったテーマを盛り込んだ宮藤官九郎の脚本力に驚かされる。また、本作は1話ごとに本編ストーリーを表パート、メインの話の裏で何があったかを巻き戻して説明する裏パートという、野球のゲームの表裏のような二部構成になっているのもおもしろい。女性陣もユニークで、酒井若菜演じるモー子は軽く扱われがちだが根は真面目で愛嬌があり、薬師丸ひろ子演じる美礼先生は学校に爆弾を仕掛けるヤバい一面を持ちつつも、元生徒のぶっさんのことを誰よりも気にかけている。そして森下愛子演じるローズは場を明るくする楽しいキャラクターで、とてもチャーミング。女性陣が魅力的だからこそ、おバカな男子たちがより一層輝いて見える。主人公が余命宣告をされているにもかかわらず、コメディドラマとして成立している珍しい作品だが、ベースに“死”という重いものがあるからこそ、キャッツアイのメンバーのくだらない会話に笑い、彼らの友情に胸を熱くすることができるのだ。仲間とビールを飲み、馬鹿騒ぎできることの幸せを噛み締めながら鑑賞してもらいたい。

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Stand UP!!

Stand UP!!

セックスに興味津々の浅井正平=通称:ショーちゃん(二宮和也)、岩崎健吾=通称:ケンケン(山下智久)、江波功司=通称:コーくん(小栗旬)、宇田川隼人=通称:ウダやん(成宮寛貴)は、女子生徒から「童貞ボーイズ」と呼ばれている。ある日、4人は幼なじみの千絵(鈴木杏)と再会し、両親が旅行に行っているという千絵は正平の家で暮らすことに。「童貞ボーイズ」の4人は童貞卒業をめざして奮闘する。東京の戸越を舞台に、男子高校生たちの恋と友情を描いた青春コメディ。この作品をTVerで見る

ドラマ専門家のイチオシポイント!

Point1

二宮和也、小栗旬らイケメン俳優たちのウブな姿に注目!

 「どったの?」という口癖が可愛い真面目なショーちゃん、自分のことを「拙者」と呼ぶ電車オタクのケンケン、サッカー部のキャプテンなのになぜかモテないコーくん、コギャル軍団から蹴りを入れられてもパンチラに喜ぶウダやんというおバカな4人が、ウブでチャーミング。イケメンなのにそれぞれ違う“残念”なオーラを醸し出しているのはさすがである。芸能界を引退した成宮と、今では国内外で活躍する3人の初々しい芝居に注目してほしい。



Point2

大人と子どもの対立がキラキラした青春ストーリーを盛り上げる!

 ケンケンの母親はラブホテルを経営しており、息子が童貞を卒業するのを応援しているが、コーくんの父親は町内会の会長を、ショーちゃんの父親は副会長を務めており、子どもたちの風紀取り締まりに力を入れている。そんな親たちの目を盗んで女性と良い雰囲気になっても、なぜか居場所がバレて怒られてしまう。うまくいかないもどかしい日々が4人の欲望をさらに掻き立て、高校生らしい青春を送る彼らの物語を盛り上げていく。



ドラマ専門家・奥村’s REVIEW

 童貞という屈辱に耐えられずに「純潔保存会」を結成する4人の裏腹な行動に笑いつつも、思春期ならではの悩みに葛藤する彼らに心を揺さぶられる。ドラマ全体を通して“17歳のひと夏の恋”を描いており、英語の先生のことが好きなショーちゃん、彼女にフラれたあと千絵に恋するケンケン、他校のサッカー部のマネージャーを好きになるコーくん、DB4(童貞ボーイズ4)をイジるコギャル軍団のマキが気になるウダやんが、女子たちに振り回されるというおかしくも愛おしい姿に思わず笑みがこぼれる。個人的にグッときたのは、いざ童貞卒業のチャンスが訪れた時、彼らは「好きな人とする」「相手が嫌がったらしない」「避妊具を持っていないときは相手がいいと言ってもしない」など、ピュアであるが故に相手と自分を傷つけないよう心がけるところ。そこがこのドラマの大きな魅力で、おバカでエッチなシーンも多々あるが、最終的にはイケメンたちの善良で正しい姿に救われるのだ。なんならすべての中学校・高校の授業で、“性教育”の一環として生徒たちに視聴してほしいぐらいである。

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奥村百恵(おくむら・ももえ)

奥村百恵(おくむら・ももえ)
音楽誌・映画雑誌の編集部を経て、現在はフリーのライターとして映画や国内外のドラマなどのコラムや視聴記事の執筆、海外・日本の俳優のインタビュー記事を担当。好きなジャンルはサスペンス、SF、社会派ドラマ、ラブコメ、ホラーなど。愛犬と一緒に映画やドラマを観る時間が幸せ!