銀座総合美容クリニック 正木院長先生

――AGA治療とは薄毛治療のことだと思うのですが、そもそもどういうものなのでしょうか
「AGA治療の“基本”は内服薬での治療です。男性ホルモンである“テストステロン”が頭皮付近で“5α還元酵素”と出会い“ジヒドロテストステロン”というホルモンに変わります。これは“髪にとっての悪玉男性ホルモン”と呼ばれ、通常2年〜6年かかる髪の毛の生え変わりサイクルを短縮してしまうんです。1本1本の髪の寿命を短くしてしまうという事ですね。この酵素をお薬で阻害することで悪玉男性ホルモンの産生を抑え、髪の毛の生え変わりサイクルを正常に近づけます。また、“髪を太くする、しっかりさせる”といった、髪の成長自体にアプローチする薬なども治療には使われます」

――通院される患者さんは、どのような方が多いのでしょうか
「私が外来で患者さんと接していて一番多い悩みは、今までできていた髪型ができなくなってきたというものです。ほかにも、服が似合わなくなってきた、髪のことを友人や家族から指摘されたなど、気になるポイントはさまざまです。通院される患者さんの層は20代〜40代前半ですが、外観が気になっている方もいれば、抜け毛の増加にともなう進行が不安な方、そして今は症状は無いながら将来が不安な方も。髪の悩みは、年齢を問わず本当にさまざまといえますね」

――効果が出やすいタイミングなどはあるのでしょうか？
「治療が効果的なのは薄くなりはじめの時期ですね。時間が経ちすぎると髪の毛の再生能力が弱まって反応しずらくなってきます。病気と同じで、症状が重くなってからでは治すまでの時間や労力も大きくなりますし、場合によっては治療費も掛かってきます。そういう意味でも、早めの治療がいいと思います」

――治療にかかる費用はどれくらいでしょうか
「内服薬は1カ月あたり税込み7020円〜1万8900円。ほか、毛根直下に直接お薬を導入する“ノーニードル育毛メソセラピー（税込1万9440円／1回）”という方法もあります」

――治療をやめるとまた薄毛になってしまうのでしょうか
「身体の中の悪玉男性ホルモンが完全になくなるわけではありませんので、AGA治療は“永遠に髪の毛が薄くならない身体を手に入れる治療”というものではありません。現状薄毛になっている状態に対して発毛の治療を行うことで、まず今の症状を改善します。その後については、その状態を維持するべくコントロールすることが重要で、その後再度薄毛が進行する場合には維持のための治療を行いますし、安定している場合には治療はやめることが可能です。AGA治療を行うことで長期的に髪の毛の寿命が延びることが、人生における髪に悩む期間のコントロールに繋がるといえるでしょう」

――銀座総合美容クリニックさんの目指すAGA医療は？
「治療で一番大切にしているのは、患者さんの悩みに寄り添うことですね。例えば、毛量の多い20代の方が薄毛予防の目的で来院された際、診断の結果治療の必要がない場合はその旨もちゃんとお伝えしていきます。患者さんの満足、不安の解消につながるなら、もちろん予防の治療も行います。ひとりひとりに合わせた診療を行うことを何より大事にしています」

　「銀座総合美容クリニック」の場合、カウンセリングは無料で行っている。まずは電話やインターネットで予約を取ろう。事前にシャンプーをしていく必要はないが、きちんと状態を診てもらうためにも、髪を整髪料でガチガチに固めていくことだけは避けよう。ここではどんな流れで診察が行われるのかを体験してきました。

髪のお悩みを抱える人へ、医師からのアドバイス
「AGAに関する情報が世の中にははん濫しています。『昆布を食べたら髪が生える』『薬は副作用があって危険』そういった情報を鵜呑みにしたり、疑ったり、悩んだりするよりも、実績のある医療機関の診断を受けて“正しい治療”を行いましょう」（正木院長）

　AGAの基本が分かったところで、早速、予防意識を高めるためにもセルフチェックをしてみよう。薄毛や抜け毛に悩んでいる人も、そうでない人も、まずは以下のチェックシートで自己診断。少しでもAGAへの不安が募るならば、気軽に専門医に相談を！