2017-12-07
第14回 音楽ファン2万人が選ぶ
“好きなアーティストランキング”2017
back number、星野源、AAA、乃木坂46が若者支持を得て躍進
「才能」「楽曲の良さ」について多くのコメントが集まった宇多田ヒカル。“音楽”の素晴らしさを再認識させてくれた
従来の総合20位から総合50位に拡大して発表された今年の「好きなアーティストランキング」。総合首位を獲得したMr.Children以外にも、上位には音楽シーンを代表するビッグアーティストが名を連ねた。まずは昨年5位→2位に上昇した宇多田ヒカル。昨年9月に8年半ぶりのアルバム『Fantome』をリリースした宇多田は、本人が出演するサントリー天然水のCMソング「大空で抱きしめて」、コンテンポラリーダンスを取り入れたMVが話題を集めた「Forevermore」などの新曲を発表。12月8日リリースの「あなた」は堺雅人&高畑充希W主演による映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』の主題歌になっている。「独特の歌詞&メロディー、切なくも温かくも聴こえる歌声が好き」(東京/20代女性)など、その音楽性の高さを改めて証明した。
“周年アーティスト”がランキングの上位に入ったのも今年の特徴だ。結成30周年を迎えたスピッツは、7月に全シングルを網羅した3枚組ベスト『CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-』発売し、7月から10月にかけてアニバーサリーツアーを開催。色あせない楽曲の魅力に触れる機会が増え、昨年10位→8位に上昇した。7位のゆずは20周年。ベストアルバム『ゆずイロハ』がヒット、4大ドームツアーを行うなど、安定した人気ぶりを見せつけた。“周年”のタイミングを生かしたベスト盤のリリース、大型の全国ツアーなどでアーティストの魅力を“再発信”する流れは、今後も続きそうだ。
2004年結成、2011年にメジャーデビューした3ピースバンドback number。初の総合TOP10入りとなった
今年初めてTOP10に入ったのは、back numberと星野源。昨年12月に発売された初のベストアルバム『アンコール』が55万枚セールスを記録(オリコン調べ11/27付)したback number(16位→6位)は「切ない恋愛ソングが胸にしみる!」(神奈川/20代女性)など、質の高いラブソングによって若年層を中心に支持を獲得。ストーリー仕立てのMVが次々と1000万再生を超える一方、ライブではロックバンドとしての力強さを発揮している。
著書『いのちの車窓から』が年間本ランキングにランクイン、タレント本では首位に輝いた星野源
昨年のヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)主題歌「恋」の“恋ダンス”ブーム以降、さらなるブレイクを果たした星野源は昨年38位→9位に躍進。今年放送のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の主題歌「Family Song」が「恋」のセールスを超えるほか、自身初のオリコン週間シングルランキング1位(8/28付)を獲得するなど昨年以上の活躍ぶりを見せた。また、初の地上波冠番組『おげんさんといっしょ』(NHK総合)、エッセイ本『いのちの車窓から』、ラジオ『星野源のオールナイトニッポン』のレギュラー出演、ドラマ『コウノドリ』(TBS系)の第2シーズンへ出演するなど多方面で才能を発揮。「音楽性に溢れているし歌詞も素敵、人柄も最高。マルチな才能の持ち主」(大阪/10代男性)「次は何をしてくれるのだろうとワクワクさせてくれるエンタテイナー」(福岡/30代女性)というコメントからもわかるように、今もっとも期待値の高いアーティストと言っていいだろう。
シングル「インフルエンサー」「逃げ水」が2作連続でミリオンを突破した乃木坂46
2017年、メンバー6人での再スタートを切ったAAA。ファッションと融合したアーティスト活動が若者人気を集めた
そのほか、メンバーのソロ活動も目立った乃木坂46が昨年36位→19位と上昇。2ndソロ写真集『パスポート』(講談社)が年間写真集ランキング1位に輝く大ヒットを記録した白石麻衣、映画『あさひなぐ』主演の西野七瀬など多方面で乃木坂メンバーの活躍を目にした。
欅坂46も昨年圏外→28位と大きく順位を上げている。初のドームツアーを成功させたAAAは昨年30位→17位に。メンバー個々の才能を生かした活動により、グループ全体の知名度が上がったようだ。
初の総合TOP10入り! back numberから喜びの声が到着!
清水依与吏(Vo&G)
「総合ランキングでTOP10内、10代のランキングで1位、これは大変なことだと思います。アンケートの結果では、歌詞を褒めてくれている方々と、トークが楽しいと言ってくださっている方々もいて。
このバンドで、自分たちが「いい!」と思える音楽をやらせてもらっている中で、ランキング上位をいただけるのは本当にありがたいことです。でも、特に若い世代から支持を得ているということは、やはり少し責任を感じる部分もあります。自分たちもそうですけど、若い頃に聴いてきたメロディや歌詞ってすごく大事で、一生大切にしたいものだったりする。僕らがMr.Childrenさん、スピッツさん、サザンオールスターズさんを聴いてきたのと同じような感覚で聴いてくれている人もいるだろうし、少なくともその人たちの人生に関わることになる。皆さんがいい人生を送るため、僕らの音楽が少しでもお手伝いできればと、あらためて思います」
小島和也(B)
「こんなにわかりやすい形で選んでいただくことはなかなかないので、すごく嬉しいです。もっとちゃんとしなきゃとも思いますし、よりいいものを届けなければ、と感じます。トークも評価していただいているということで、もっとツッコミを磨いたほうがいいのかな、とか…(笑)。これからもいい音楽を届けられるよう、さらに頑張ります」
栗原寿(Dr)
「選んでいただけたことに驚きました。30代の僕らがやっている音楽が、特に10代や20代の若い人たちに共感してもらえることも面白いですし、音楽の力はすごいなと思います。僕らが一番大事にしていることは、まず自分たちがいいと思えるかどうかなんです。自分たちの感覚を曲にして、それを評価していただいている思うと、少しだけ自信になりました」
調査方法:OMR[オリコン・モニターリサーチ]会員のアンケートを元に独自集計したもの。
調査時期:H29年8月31日〜9月21日