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地道な活動で勢い付く――“負け組”アイドルたちの逆襲
地道な活動で勢い付く――“負け組”アイドルたちの逆襲
夢の“ハロプロの聖地・中野サンプラザ”で単独コンサート
当初は持ち歌もなく、ハロプロを辞めたのにハロプロの曲を歌うしかない状況で、小さな会場でライブをしてきた。エッグで後輩だった真野恵里菜やスマイレージ、モーニング娘。に入った譜久村聖らの活躍を横目に。だが、オリジナル曲が作られ、タワーレコードのアイドル専門レーベル「T-Pallet Records」からCDを発売し、活動を続けるうちに、彼女たちのライブに注目が集まってきた。
「1本1本のライブを“戦い”だと思って、生きるか死ぬかの全力を賭けてます」(仙石)と文字にすると大げさだが、実際にステージを目にすればうなずける。激しい曲をたて続けに歌い踊り、息を切らせながらMC……という光景。メンバーはアンコールまで終わり楽屋に引き上げた瞬間、床に寝転んだり、うずくまって動けなくなっているとか。ハロプロの傘の下にいたエッグ時代と違い、1回ごとのライブで存在価値を示すしかないゆえ。だが、そんなステージは感動を呼び、人気を広げていった。そして、かつて先輩のバックで踊っていたサンプラザのステージで、自分たちのコンサートを開くに至った。
自らビラ配りも!“何が何でもやってやる!”精神で掴んだ現在
そこからポッシボーのライブが「熱い」と評判を呼び、ツイッターでも注目されるように。危機感をバネにメンバーたちで意見を出し合い、ステージでの気合いも格段に増した。客席と一体になって盛り上がり、ライブ後の握手会ではファンも声がかれてるほどに。さらに新人さながら、ももいろクローバーZなどのライブ会場にメンバー自らビラ配りに出向いたりも。そうした努力の甲斐あってライブの動員はV字回復。レコード会社を移籍して2年ぶりにCD発売も果たし、かつてのセールスを上回った。そして、初の全国ツアーの最終公演を11月16日に、念願だった中野サンプラザで行う。
SUPER☆GiRLSを擁するエイベックスのアイドル専用レーベル「iDOL Street」にも、「ストリート生」という予備軍がいる。インディーズ活動を経て、第2弾アイドルとしてデビューしたCheeky Paradeは、メンバーのほとんどが『avexアイドルオーディション2010』の落選者だ。
このオーディションでは最終選考に24人が残り、うち12人が合格してSUPER☆GiRLSのメンバーに。2分の1の確率はオーディションではかなり高いが、逆に言えば、落選した12人は夢に半分手を掛けながら、突き落とされたことになる。そのなかに、現Cheeky Paradeメンバーの関根優那と鈴木友梨耶がいた。「控え室に戻って過呼吸になるくらい泣きました」(鈴木)、「魂が抜けて放心状態でした」(関根)。
その後、3次審査の不合格組らとストリート生になり、レッスンを重ね、選抜されたメンバーでCheeky Paradeを結成。インディーズで発売したシングルは完売。ライブ動員などの課題をクリアし、SUPER☆GiRLSから2年遅れで、昨年1月9日にメジャーデビューした。シングル3枚とアルバム1枚、すべてTOP5に入りした。「私たちは一度オーディションに落ちて、希望がなくなるくらいショックでした。だからこそ強いんです。何が何でもやってやる!という根性はあります」とリーダーになった関根は言う。
“負け組”だったアイドルたちの逆襲。きらびやかなライトの裏で一度は道を閉ざされながら、決して諦めなかった少女たちの物語は胸を揺さぶる。そしてファンも、自らの励みにしながら声援を送っている。
(文:斉藤貴志)
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