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　所属事務所からの独立が騒動化した大衆演劇界の人気女形・早乙女太一が3月31日、東京・明治座の座長公演の公開稽古前に報道陣の取材に応じた。同座で最年少座長を務め、俳優としてさらなる飛躍が期待される“流し目王子”は、今回の問題について「感謝の気持ちを忘れないようにしていきたい」と言葉少な。前所属事務所の関係者は3月1日付で早乙女の父親が座長を務める劇団朱雀と移籍について合意したと説明しており、今回の公演までは前事務所がマネージメントするとしたが、移籍の詳細には「舞台に集中していますので…」と明言を避けた。

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　前所属事務所・斎藤エンターテインメントの社長の母で、浅草ロック座の斎藤智恵子会長が早乙女の移籍を報道各社にFAXで発表したのが3月18日。直後に斎藤会長自ら会見を開く予定だったが、心労から体調を崩して入院し会見は中止に。これまで芸能界での“育ての親”として関わってきた斎藤会長は今回の移籍を文書で強く批判しているが、前事務所関係者は斎藤会長が激昂しているのは「あくまで個人的な問題」とした。

　この日の会見は当初午後6時から設定されており、5時過ぎには報道陣が続々と集まり始めたが「立ち回りの確認」（関係者）のため、数回にわたりスタートが遅れた。結局、始まったのは1時間10分が経過した午後7時10分。報道陣の間では「（移籍問題を）突っ込まれた際の協議をしているのでは？」という憶測などが飛び交うなど、緊迫した空気に包まれた。

　当の早乙女自身は、共演者の持田真樹、知念里奈と共に剣士の衣装で出席。女優2人から演技を絶賛されると「嬉しいです」と消え入るような声で照れ笑い。演出家の岡村俊一氏は「2時間半の舞台のうち、早乙女が出演しないのは数分間」と明かし、心身ともにハードな内容で早乙女は思わず「顔が痩せたと思います」と、その激しさを説明した。

　座長としてもプレッシャーを感じている様子の早乙女は「期待に応えられるように頑張ります」とし、会場からの去り際に“育ての親”の斎藤会長と話したのか？と報道陣から聞かれると「はい」という一言のみ。そのほかの質問にも「すみません、すみません」と繰り返すのみだった。

　今回の公演は二部構成となっており、薩摩連合軍と新政府軍の死闘を描いた第一部『嗚呼、田原坂』では美貌の剣士役で“男の魅力”を披露。第二部では、女形の早乙女による『舞踊ショー』が展開されエンターテイナーとしての実力を発揮する舞台となっている。