2007年、『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)でデビューし、2022年に出演したドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)で強烈なキャラを演じてブレイク、同年に放送された『復讐の未亡人』(テレビ東京)で連続ドラマ初主演を果たした松本若菜。今年は『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)『わたしの宝物』(フジテレビ系)と2クール連続で地上波ドラマの主演を務め、今月公開の映画『はたらく細胞』では原作でも人気の高いキャラクター・マクロファージを演じている。15年ぶりの共演となる佐藤健とのエピソード、多忙を極める日々の中で感じた環境の変化などを聞いた。
■優しくて強いマクロファージ、こだわりの役作り
――常に優しい笑顔を絶やさない幼い赤血球たちの育成係として、また細菌などの異物を捕らえて殺す役割も持つマクロファージ。発表された時にSNSでも話題となりましたが、どのように役作りをして挑みましたか。
松本若菜:アニメ版でマクロファージの声を担当された井上喜久子さんの話し方を研究して挑みました。それと、マクロファージの特徴とも言える手の動かし方です。顔まわりに手を持ってくる仕草をよくするので、多少オーバーかもしれないと思っても、武内(英樹)監督から指摘されるまではやろう!という気持ちで思いっきりやりました。
――ビジュアル面でこだわった部分はありますか?
松本若菜:すごくグラマラスなので、パットを何枚も重ねて入れました(笑)。つけまつげもギャルメイク用のものを3枚以上つけて、バッサバサに。それでもたれ目に見えるように、メイクさんがすごく研究してくださって。衣装さんやヘアメイクさんが細部にまでこだわってくださったので本当にありがたかったです。
――大ナタを振りかざして戦うアクションシーンにも挑戦されていましたが、撮影はいかがでしたか?
松本若菜:武内監督の『かっこいいマクロファージにしたい』という言葉を受けて、アクション部の方がいろいろ提案してくださったんです。衣装を使った見せ方にもこだわってくれたんですが、ふわっとした衣装を着ていたので、足さばきがすごく難しかったのを覚えています。すごくかっこいいシーンになっていますし、真剣に闘うマクロファージは実写ならではだと思うので、ぜひチェックしていただきたいです。
――永野芽郁さんとともに本作の主演を務めた佐藤健さんとは2007年に放送された『仮面ライダー電王』で共演されていましたね。今回は残念ながら共演シーンはありませんでしたが、現場で佐藤さんと会う機会はあったのでしょうか?
松本若菜:メイク部屋でお会いしました。ちょうど健くんが白塗りの真っ最中だったので『おはよう』と挨拶を交わす程度で、あまり会話はできなかったです。ただ、共通の友人を含めてプライベートで何回か会っていたので、そんなに久しぶりという感じではなかったんです。
――プライベートで会った時はどんな会話をされたのでしょうか?
松本若菜:『最近どう?』みたいなお互いの近況報告から始まって、普通の雑談です(笑)。撮影所でバッタリ遭遇した時は『忙しいでしょう?体に気をつけてね』なんて労ってくれたり。『電王』でも姉弟だったように、ずっと弟を見守るような姉心で健くんの活躍を見てきたのですが、今回ポスターに名前が並んでいるのを見てすごく感慨深かったです。
■“自分からの評価”もモチベーションになる
――本作を観て「自分の体内で細胞たちが健康と命を守るためにこんなにも働いてくれているのか!」と驚きました。本作を通して発見できたことや気付いたことはありますか。
松本若菜:阿部サダヲさん演じる茂が暴飲暴食をすると、茂の体内にいる細胞が酷い目に遭って、細胞たちのいる環境もボロボロになるシーンがありますが、あれを見て“気をつけなくちゃ”と思いました(笑)。飲食物がダイレクトに自分の体に多大な影響を与えるということがわかって、改めて体に取り入れるものを見直すようになりましたね。
――体のために食べているものはありますか?
松本若菜:最近は甘酒を飲んでいます。4〜5か月ほど前に、知人から『甘酒がいいよ』と教えてもらって、毎日欠かさず飲み続けています。
――どんなことも“続ける”ことは難しかったりしますが、15年以上のキャリアの中で“続けるのが難しい”と感じたことはありましたか?
松本若菜:逃げ出したくなったことや、辞めたいと思ったことは正直あります。でも、そう思うたびに“ご縁あっていただいた役を『松本若菜に演じてもらってよかった』と思ってもらいたい”と気持ちを持ち直して、辞めずに続けることができました。もちろん、途中で逃げていたとしてもそれは決して間違いではありませんが、今があるのは辞めなかったからなんだと最近よく思います。
――モチベーションになっているのは、どんなことでしょうか?
松本若菜:視聴者のみなさんやスタッフさんからの評価はもちろんですが、自分の評価も大事にしています。“この役をやってよかったな”“この役で新たな一面を出せたな”“自分にもこんなお芝居ができるんだ”と自分で思えた時もモチベーションになります。共演者や監督、スタッフさんに引き出してもらったこともたくさんありますし、15年以上このお仕事を続けてきたからこそできたお芝居もあると思うので、なるべく自信を保つようにしています。
■途切れないオファーの中で送る、濃密な日々
――反応をSNSでチェックすることもありますか?
松本若菜:SNSで送っていただいたメッセージは必ず目を通すようにしています。たまに傷つくような厳しい意見を見てしまうこともありますが(笑)、ファンの方々からの感想は純粋にうれしいので全部読ませていただいています。
――『やんごとなき一族』でのお芝居で大きな注目を集め、今年は『西園寺さんは家事をしない』『わたしの宝物』と2クール連続で主演を務めていらっしゃいます。ご自身の活躍を客観的にご覧になってみていかがですか。
松本若菜:日々信じられない思いです。現場に行くたびに「自分はこの作品に携わっているんだ」「この作品の主演なんだ」とびっくりするというか。前クールの作品を思い出して「(撮影は)3〜4年前だっけ?」と感じてしまうぐらい、この1年はすごく濃密でした。
――生活や環境が変わって驚いたことはありますか?
松本若菜:街で声を掛けられるようになりました。ただ、まだ慣れなくて「私のこと…知ってくださっているんですか…?」とちょっと信じられない気持ちになります(笑)。声をかけていただくのはすごくうれしいです。
――急に親戚が増えたりしませんでしたか?
松本若菜:(笑)!大丈夫です(笑)。
――今年も残りわずかですが、来年プライベートでやってみたいことがあれば教えていただけますか。
松本若菜:今年の春に、両親と姉2人で温泉に行ったのですが、すごく楽しかったので来年もみんなでどこかへ出かけたいです。
――行ってみたい場所はありますか?
松本若菜:両親が私以上に出不精で、今年の春に行ったのも家から車で15分ぐらいのところにある温泉だったんです。だから次は車で1時間ぐらいの場所にある温泉に行きたいです。そしてゆくゆくはもっと遠くに(笑)。
――来年は松本さんにとってどんな年になりそうですか?
松本若菜:ありがたいことに、来年もまた新しい役を演じさせていただく予定なので、新鮮な松本若菜をお見せできるのではないかなと。ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。
文/奥村百恵
撮影/山崎美津留
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■優しくて強いマクロファージ、こだわりの役作り
――常に優しい笑顔を絶やさない幼い赤血球たちの育成係として、また細菌などの異物を捕らえて殺す役割も持つマクロファージ。発表された時にSNSでも話題となりましたが、どのように役作りをして挑みましたか。
松本若菜:アニメ版でマクロファージの声を担当された井上喜久子さんの話し方を研究して挑みました。それと、マクロファージの特徴とも言える手の動かし方です。顔まわりに手を持ってくる仕草をよくするので、多少オーバーかもしれないと思っても、武内(英樹)監督から指摘されるまではやろう!という気持ちで思いっきりやりました。
――ビジュアル面でこだわった部分はありますか?
松本若菜:すごくグラマラスなので、パットを何枚も重ねて入れました(笑)。つけまつげもギャルメイク用のものを3枚以上つけて、バッサバサに。それでもたれ目に見えるように、メイクさんがすごく研究してくださって。衣装さんやヘアメイクさんが細部にまでこだわってくださったので本当にありがたかったです。
――大ナタを振りかざして戦うアクションシーンにも挑戦されていましたが、撮影はいかがでしたか?
松本若菜:武内監督の『かっこいいマクロファージにしたい』という言葉を受けて、アクション部の方がいろいろ提案してくださったんです。衣装を使った見せ方にもこだわってくれたんですが、ふわっとした衣装を着ていたので、足さばきがすごく難しかったのを覚えています。すごくかっこいいシーンになっていますし、真剣に闘うマクロファージは実写ならではだと思うので、ぜひチェックしていただきたいです。
――永野芽郁さんとともに本作の主演を務めた佐藤健さんとは2007年に放送された『仮面ライダー電王』で共演されていましたね。今回は残念ながら共演シーンはありませんでしたが、現場で佐藤さんと会う機会はあったのでしょうか?
松本若菜:メイク部屋でお会いしました。ちょうど健くんが白塗りの真っ最中だったので『おはよう』と挨拶を交わす程度で、あまり会話はできなかったです。ただ、共通の友人を含めてプライベートで何回か会っていたので、そんなに久しぶりという感じではなかったんです。
――プライベートで会った時はどんな会話をされたのでしょうか?
松本若菜:『最近どう?』みたいなお互いの近況報告から始まって、普通の雑談です(笑)。撮影所でバッタリ遭遇した時は『忙しいでしょう?体に気をつけてね』なんて労ってくれたり。『電王』でも姉弟だったように、ずっと弟を見守るような姉心で健くんの活躍を見てきたのですが、今回ポスターに名前が並んでいるのを見てすごく感慨深かったです。
■“自分からの評価”もモチベーションになる
――本作を観て「自分の体内で細胞たちが健康と命を守るためにこんなにも働いてくれているのか!」と驚きました。本作を通して発見できたことや気付いたことはありますか。
松本若菜:阿部サダヲさん演じる茂が暴飲暴食をすると、茂の体内にいる細胞が酷い目に遭って、細胞たちのいる環境もボロボロになるシーンがありますが、あれを見て“気をつけなくちゃ”と思いました(笑)。飲食物がダイレクトに自分の体に多大な影響を与えるということがわかって、改めて体に取り入れるものを見直すようになりましたね。
――体のために食べているものはありますか?
松本若菜:最近は甘酒を飲んでいます。4〜5か月ほど前に、知人から『甘酒がいいよ』と教えてもらって、毎日欠かさず飲み続けています。
――どんなことも“続ける”ことは難しかったりしますが、15年以上のキャリアの中で“続けるのが難しい”と感じたことはありましたか?
松本若菜:逃げ出したくなったことや、辞めたいと思ったことは正直あります。でも、そう思うたびに“ご縁あっていただいた役を『松本若菜に演じてもらってよかった』と思ってもらいたい”と気持ちを持ち直して、辞めずに続けることができました。もちろん、途中で逃げていたとしてもそれは決して間違いではありませんが、今があるのは辞めなかったからなんだと最近よく思います。
――モチベーションになっているのは、どんなことでしょうか?
松本若菜:視聴者のみなさんやスタッフさんからの評価はもちろんですが、自分の評価も大事にしています。“この役をやってよかったな”“この役で新たな一面を出せたな”“自分にもこんなお芝居ができるんだ”と自分で思えた時もモチベーションになります。共演者や監督、スタッフさんに引き出してもらったこともたくさんありますし、15年以上このお仕事を続けてきたからこそできたお芝居もあると思うので、なるべく自信を保つようにしています。
■途切れないオファーの中で送る、濃密な日々
――反応をSNSでチェックすることもありますか?
松本若菜:SNSで送っていただいたメッセージは必ず目を通すようにしています。たまに傷つくような厳しい意見を見てしまうこともありますが(笑)、ファンの方々からの感想は純粋にうれしいので全部読ませていただいています。
――『やんごとなき一族』でのお芝居で大きな注目を集め、今年は『西園寺さんは家事をしない』『わたしの宝物』と2クール連続で主演を務めていらっしゃいます。ご自身の活躍を客観的にご覧になってみていかがですか。
松本若菜:日々信じられない思いです。現場に行くたびに「自分はこの作品に携わっているんだ」「この作品の主演なんだ」とびっくりするというか。前クールの作品を思い出して「(撮影は)3〜4年前だっけ?」と感じてしまうぐらい、この1年はすごく濃密でした。
――生活や環境が変わって驚いたことはありますか?
松本若菜:街で声を掛けられるようになりました。ただ、まだ慣れなくて「私のこと…知ってくださっているんですか…?」とちょっと信じられない気持ちになります(笑)。声をかけていただくのはすごくうれしいです。
――急に親戚が増えたりしませんでしたか?
松本若菜:(笑)!大丈夫です(笑)。
――今年も残りわずかですが、来年プライベートでやってみたいことがあれば教えていただけますか。
松本若菜:今年の春に、両親と姉2人で温泉に行ったのですが、すごく楽しかったので来年もみんなでどこかへ出かけたいです。
――行ってみたい場所はありますか?
松本若菜:両親が私以上に出不精で、今年の春に行ったのも家から車で15分ぐらいのところにある温泉だったんです。だから次は車で1時間ぐらいの場所にある温泉に行きたいです。そしてゆくゆくはもっと遠くに(笑)。
――来年は松本さんにとってどんな年になりそうですか?
松本若菜:ありがたいことに、来年もまた新しい役を演じさせていただく予定なので、新鮮な松本若菜をお見せできるのではないかなと。ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。
文/奥村百恵
撮影/山崎美津留
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
2024/12/13