幼い頃から抱いてきたコンプレックスを乗り越え、「ありのままの自分」を受け入れた女性に注目が集まっている。身長153cm体重60kg、体脂肪率37%を公表する25歳独身OLのあやのさん(@moriko0120)だ。昔から体型管理が苦手で、思春期には体型に起因するいじめを経験。長くスリムな女性に憧れたが、今春、ダイエットを辞める決断をした。多様性の時代において今なお残る「スリム志向」と決別した女性の生き方、幸福論とは。
■我慢と過食を繰り返し、ダイエットを続ける日々 痩せても「幸せじゃなかった」と語る理由
――今年4月に投稿されたリール「ダイエット辞めた25歳独身OL」に326万再生の反響がありました。改めて、この投稿を行った理由を教えてください。
「物心ついた時から食べることが大好きで、ずっと肥満体型でした。成長するにつれて自分の体型が気になりだし、周りからも心無い言葉をかけられたことから、自分が大嫌いでした。我慢しては過食、過食しては我慢、その繰り返しで心が疲弊しきっていたんですが、人のために痩せても幸せじゃないこと、私は今の体型でいる時の方が幸せなんだということに気づいてしまったんです」
――きっかけについてうかがえますか。
「当時付き合っていた人から“痩せて欲しい”と言われ、無理なダイエットを続けていたんですが、彼の浮気が発覚しまして…。しかも、スレンダーな浮気相手に『彼女は太っている』と愚痴をこぼしていたらしく(笑)。とてもとてもショックで食事を摂れなくなり、当時は5キロくらい一気に体重が落ちたかと思います。目標としていた体重になれたのに、やつれて全く幸せじゃありませんでした」
――痩せても幸せにはなれなかった。
「はい。それまでは、痩せたらキレイになって幸せになれると信じていたんですけど、そうじゃなかったんです。とにかく心身ともに限界で、同棲していた家を出て実家に帰りました。その日、母がご飯を作ってくれて。優しい味のする大好きなうどんでした。小麦粉を1ヵ月ほど食べてなかった私は、一口食べたとたんボロボロに泣いてしまい『ご飯が美味しいって、こんなに幸せなことなんだ』と気付いたんです。それからすぐに体重が戻り、笑顔も増えました」
■自分と向き合って分かった、痩せたい理由 スリム志向が根強い社会に思うこと
――苦しんでスレンダー体型を手に入れるよりも、ご飯が美味しいと感じられる毎日を生きる。そんな選択を宣言した投稿には「素晴らしい考え」「どんな体型であれ自分が幸せと思えたら勝ち」など多くの共感コメントが集まりました。
「今回この動画を通して、極端な食事制限を自分に科す女の子たちに『食べてもいいんだ』と伝えられたようで、『救われた』といったコメントをたくさんいただきました。世間の基準が厳しすぎて、健康体なのに無理なダイエットに取り組み、苦しんでいる女の子ってたくさんいます。実際、私もそうでした。いつの間にか、食べることに罪悪感を抱くようになった…そんな人たちには、少しでいいので気持ちにゆとりを持って欲しいと思っています」
――長く抱えてきた体型へのコンプレックスと決別し、ダイエットを辞める決断することは簡単なことではなかったかと思います。
「『なんで私はそんなに痩せたいんだろう』と、ダイエットに失敗し続け、自己嫌悪を繰り返す自分と向き合ってみたんです。その時、痩せたいのは自分を好きになりたかったからだと気づきました。私は痩せることで自分に価値を見出したかったんだと思います。それに気づいてから、オシャレをしてタイトな服で外に出てみたら、細くてキレイという美の形とは違うけれど、健康的で着飾った自分を『いいじゃん!』って思うことができました。美味しいご飯を食べて、好きな服を着て外へ出ただけ。全然痩せたりしてないのに、私すごく幸せだなって思うことができたんです」
――その他にもダイエットを辞めてから変化したことはありますか。
「ミニスカートや腕が出る服を、自信をもって着られるようになりましたね。自分は素敵だと思うことで笑顔が増え、そんな私を心から好きになってくれる恋人もできました」
――多様性を尊重すべきとされ、ルッキズムが問題視される現代であっても、女性社会には「スリム=美」の価値観が存在し、スリム女子によるマウンティングなどもみられます。これらの「スリム志向」について、どう感じていますか。
「どんな体型であろうと、努力している女の子はみんな素敵だと思っています。シンプルな考えですが、それで良いのではないでしょうか。細い人もそうじゃない人も『自分は魅力的だ』と感じて良いはずです。ただし、それで他の人を下げるような発言や思考をすることは、誰も救われないと思います。痩せていなければならないという、若い女の子を追い込んでしまう世論にもあまり賛同できません」
■体型に悩む多くの人に伝えたいこと「自信を持って生きれば、考え方次第で必ず幸せに」
――「ありのままの自分を受け入れる」という選択でコンプレックスを乗り越えられたあやのさん。心を強く保つための秘訣について教えてください。
「好きな服を着て、好きなものを食べて、帰りに少しだけお散歩すること。それが私の自己肯定感の上げ方ですね。痩せるための切羽詰まったウォーキングじゃなく、ひらひらの服を着て、音楽を聴きながらゆったりと歩くんです。ずっと健康で、キレイでいようって前向きになれるので、ぜひ試してみて欲しいです」
――もし今、体型で悩む方がいたら、どのようなアドバイスをおくりますか。
「健康に害のない範囲であれば、痩せなければならないことなんて絶対にありません。体型なんて関係ないんです。誰に何を言われても、笑顔を絶やさないあなたはとっても可愛い。自信を持って生きてさえいれば、自分の考え方次第で必ず幸せになれますよ」
――今のあやのさんにとって「幸福」とはどのようなものでしょうか?
「ご飯が美味しいことですね。心や身体に何か不調を抱えていると、ご飯は美味しく感じないものです。何かしんどい事を乗り越えたら、大好きな食べ物をいっぱい食べる。それだけで、人は幸せになれるのではないでしょうか。私は今、体重60kgで体脂肪率は37%。20キロぐらい脂肪ですけど、幸せです(笑)。ダイエットは、他人のためじゃなく、自分が変わりたい! と思った時に自分のために努力する。今はそれでいいと思っています」
■我慢と過食を繰り返し、ダイエットを続ける日々 痩せても「幸せじゃなかった」と語る理由
――今年4月に投稿されたリール「ダイエット辞めた25歳独身OL」に326万再生の反響がありました。改めて、この投稿を行った理由を教えてください。
「物心ついた時から食べることが大好きで、ずっと肥満体型でした。成長するにつれて自分の体型が気になりだし、周りからも心無い言葉をかけられたことから、自分が大嫌いでした。我慢しては過食、過食しては我慢、その繰り返しで心が疲弊しきっていたんですが、人のために痩せても幸せじゃないこと、私は今の体型でいる時の方が幸せなんだということに気づいてしまったんです」
――きっかけについてうかがえますか。
「当時付き合っていた人から“痩せて欲しい”と言われ、無理なダイエットを続けていたんですが、彼の浮気が発覚しまして…。しかも、スレンダーな浮気相手に『彼女は太っている』と愚痴をこぼしていたらしく(笑)。とてもとてもショックで食事を摂れなくなり、当時は5キロくらい一気に体重が落ちたかと思います。目標としていた体重になれたのに、やつれて全く幸せじゃありませんでした」
――痩せても幸せにはなれなかった。
「はい。それまでは、痩せたらキレイになって幸せになれると信じていたんですけど、そうじゃなかったんです。とにかく心身ともに限界で、同棲していた家を出て実家に帰りました。その日、母がご飯を作ってくれて。優しい味のする大好きなうどんでした。小麦粉を1ヵ月ほど食べてなかった私は、一口食べたとたんボロボロに泣いてしまい『ご飯が美味しいって、こんなに幸せなことなんだ』と気付いたんです。それからすぐに体重が戻り、笑顔も増えました」
■自分と向き合って分かった、痩せたい理由 スリム志向が根強い社会に思うこと
――苦しんでスレンダー体型を手に入れるよりも、ご飯が美味しいと感じられる毎日を生きる。そんな選択を宣言した投稿には「素晴らしい考え」「どんな体型であれ自分が幸せと思えたら勝ち」など多くの共感コメントが集まりました。
「今回この動画を通して、極端な食事制限を自分に科す女の子たちに『食べてもいいんだ』と伝えられたようで、『救われた』といったコメントをたくさんいただきました。世間の基準が厳しすぎて、健康体なのに無理なダイエットに取り組み、苦しんでいる女の子ってたくさんいます。実際、私もそうでした。いつの間にか、食べることに罪悪感を抱くようになった…そんな人たちには、少しでいいので気持ちにゆとりを持って欲しいと思っています」
――長く抱えてきた体型へのコンプレックスと決別し、ダイエットを辞める決断することは簡単なことではなかったかと思います。
「『なんで私はそんなに痩せたいんだろう』と、ダイエットに失敗し続け、自己嫌悪を繰り返す自分と向き合ってみたんです。その時、痩せたいのは自分を好きになりたかったからだと気づきました。私は痩せることで自分に価値を見出したかったんだと思います。それに気づいてから、オシャレをしてタイトな服で外に出てみたら、細くてキレイという美の形とは違うけれど、健康的で着飾った自分を『いいじゃん!』って思うことができました。美味しいご飯を食べて、好きな服を着て外へ出ただけ。全然痩せたりしてないのに、私すごく幸せだなって思うことができたんです」
――その他にもダイエットを辞めてから変化したことはありますか。
「ミニスカートや腕が出る服を、自信をもって着られるようになりましたね。自分は素敵だと思うことで笑顔が増え、そんな私を心から好きになってくれる恋人もできました」
――多様性を尊重すべきとされ、ルッキズムが問題視される現代であっても、女性社会には「スリム=美」の価値観が存在し、スリム女子によるマウンティングなどもみられます。これらの「スリム志向」について、どう感じていますか。
「どんな体型であろうと、努力している女の子はみんな素敵だと思っています。シンプルな考えですが、それで良いのではないでしょうか。細い人もそうじゃない人も『自分は魅力的だ』と感じて良いはずです。ただし、それで他の人を下げるような発言や思考をすることは、誰も救われないと思います。痩せていなければならないという、若い女の子を追い込んでしまう世論にもあまり賛同できません」
■体型に悩む多くの人に伝えたいこと「自信を持って生きれば、考え方次第で必ず幸せに」
――「ありのままの自分を受け入れる」という選択でコンプレックスを乗り越えられたあやのさん。心を強く保つための秘訣について教えてください。
「好きな服を着て、好きなものを食べて、帰りに少しだけお散歩すること。それが私の自己肯定感の上げ方ですね。痩せるための切羽詰まったウォーキングじゃなく、ひらひらの服を着て、音楽を聴きながらゆったりと歩くんです。ずっと健康で、キレイでいようって前向きになれるので、ぜひ試してみて欲しいです」
――もし今、体型で悩む方がいたら、どのようなアドバイスをおくりますか。
「健康に害のない範囲であれば、痩せなければならないことなんて絶対にありません。体型なんて関係ないんです。誰に何を言われても、笑顔を絶やさないあなたはとっても可愛い。自信を持って生きてさえいれば、自分の考え方次第で必ず幸せになれますよ」
――今のあやのさんにとって「幸福」とはどのようなものでしょうか?
「ご飯が美味しいことですね。心や身体に何か不調を抱えていると、ご飯は美味しく感じないものです。何かしんどい事を乗り越えたら、大好きな食べ物をいっぱい食べる。それだけで、人は幸せになれるのではないでしょうか。私は今、体重60kgで体脂肪率は37%。20キロぐらい脂肪ですけど、幸せです(笑)。ダイエットは、他人のためじゃなく、自分が変わりたい! と思った時に自分のために努力する。今はそれでいいと思っています」
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2024/10/02