俳優の吉沢亮が21日、都内で行われた映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の公開記念舞台あいさつに登壇した。 吉沢は、耳のきこえない両親の元で育ち、“きこえる世界”と“きこえない世界”を行き来する主人公・五十嵐大を演じた。この日は、ろう者の両親、母・明子役の忍足亜希子、父・陽介役の今井彰人、明子の母・鈴木広子役の烏丸せつこ、明子の父・鈴木康雄役のでんでんも登壇した。 五十嵐ファミリーが集結し、「(撮影地の)仙台を思い出しますね」としみじみ。そして「うれしいなと思いつつ実は皆さんそれぞれとお芝居するシーンはあったんですけど、皆さんそろうシーンは意外となくて。『これが五十嵐家なのか!』という新鮮さを今すごく感じています。おもろいっすね。個性豊かで楽しい家庭だなと思います」とにっこりだった。 忍足も「(撮影以来)1年ぶりに五十嵐家が家族のようにそろい、また戻ることができて、うれしいです。映画の撮影は宮城県で昨年の8月ごりに行ったんですけど、本当に1年経ったのかが信じられない気持ちです」と時の流れに驚き。今井は「『おかえり』と『ただいま』のどちらでしょうかね?」とはにかみつつ「正直1年ぶりで戸惑いというか気恥ずかしいような気持ちです」と照れ笑いした。ファミリー勢ぞろいに呉美保監督も「面白いですね。映画の中では仙台の田舎で本当に生活感がスゴい中での表現だった。きょう、こうしてキラキラしている皆さんに会えるのがうれしいし、まぶしい。ずっと会いたかった5人の家族。やっとここまで来たなと思いました。うれしいです」と目尻を下げていた。 本作は、コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大氏による自伝的エッセイ『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬舎)が原作。脚本は、『ゴールド・ボーイ』(2024年)、『正欲』 (23年)等を手がける港岳彦氏。吉沢が、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現する。
2024/09/21
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