警戒心から、眼光鋭く目を煌々と光らせ、過呼吸のような様子で「シャーシャー!」と鳴く保護猫の姿がInstagramで話題に。これは保護猫を預かるボランティアをしている“保護猫あずかり”さん(@hogoneko_osaka)が投稿した動画で、108万回再生と大きな反響を記録した。投稿者に、この猫を預かった経緯や保護活動の現実を聞いた。
■総勢6匹の病院通い、猫パンチ攻撃…保護猫をお世話する過酷さ
――当初はおびえていたもののすっかり慣れて、人間と一緒に寝るまでになった保護猫の“のらねこ母さん”ですが、どういった経緯で保護されることになったんですか?
「野良猫にご飯をあげていた高齢女性が、お腹の大きくなっている猫(のらねこ母さん)に気がついて、家に入れて産ませました。5匹の子猫が生まれましたが、世話に困ったその方が保護猫団体に保護依頼をしたんです。私は保護猫団体からの依頼で飼い主さんが見つかるまで、のらねこ母さんとその子猫たち総勢6匹をお預かりすることになりました」
――預かって1年以上経ったそうですね。動画ではのらねこ母さんが威嚇するような様子もありました。猫たちが慣れるまでに一番大変だったことはありますか?
「一番大変だったこと…野良猫は病気を持っている場合が多いんです。外からはわからなくても、お腹の中に寄生虫がいたり猫風邪をひいていたり…。そのため、お預かりしてしばらくは、下痢や嘔吐の処理や動物病院通いが大変でした。『シャー』と猫パンチで攻撃されながらお世話をするのは、こちらも必死になりました」
■子猫はすべて飼い主が決定、残るは母さんのみ…その理由は
――こちらの動画は108万再生され、大きな反響がありました。
「こんなに反響があるとは思っていませんでした。多くの方に届けばうれしいな…という気持ちでリール動画を作っていましたが、想像以上で通知が鳴り止みませんでした。こんなの初めてです(笑)。猫を飼いたいと思っている人に『保護猫という選択肢もある』と考えてもらえるきっかけになればと思います」
――印象に残ったコメントなどはありましたか?
「コメントもたくさんいただいてうれしい限りです。まだ残念ながら『のらねこ母さんを飼いたい』というメッセージは来ないのですが『緊張して警戒していた野良の子が安心している様子でホッとした』とみなさん喜んでくださってます」
――のらねこ母さんの子どもたちは、飼い主さんたちが決まったそうですね。
「子猫たち5匹すべてが昨年中に飼い主さんが決まり、残されたのは母さん1匹です。お預かりしてから1年3ヵ月になります。私は2021年からこの保護ボランティアを始めました。それぞれ数ヵ月程度で飼い主さんが見つかることが多かったので、のらねこ母さんが最長記録になります」
――引き取り先が見つからない理由はあるんですか?
「譲渡会への参加が難しいからなんです…。知らない人が大勢いる場所では緊張しすぎてしまい、リール動画でのような過呼吸状態になる恐れがあるんです。
あとで体調を崩したりと過度なストレスを与えるのは猫のためによくないという判断で、のらねこ母さんの譲渡会への参加はストップしています。なので、のらねこ母さんのかわいいところ、人懐っこいところを知ってもらうために紹介動画を作っています」
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2024/08/23