第一印象を決定する「見た目」。中でも「髪は顔の額縁」と言われるほど重要なパーツ。モッサリした髪型ではいくら顔立ちが美しくても野暮ったい印象を与えてしまうように、その人の魅力を上げるも下げるも、髪型次第といえるのだ。動画編集系専門学校に通うダイチさんもそれを体現したひとり。非モテ系オタク風な風貌から、爽やかな塩顔のイケメンへ。「これはすごい変身」「全然違う」「髪型は重要」と感嘆のコメントが寄せられた美容師のスゴ技とは？

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■オタク＝外見に無頓着？「もし彼女を作るとしても理想が高すぎて…」

　男性たちを劇的に変貌させるのは、3000人の顧客を抱えるフリーランスの人気美容師・カンタさん（@ka.n_wl）。道行く人に声をかけてカッコよくイメチェンさせる「渋谷でイメチェンさせる人」として、YouTubeやTikTokなどで動画を配信している。

　今回、紹介するのは、秋葉原で出会った動画編集系の専門学校に通うダイチさん。普段は床屋でカットしているという髪型は、ストレートヘアの七三分け。清潔感はあるものの、失礼ながら、非モテ系のオタクな雰囲気を醸し出していた。

　カンタさんに声をかけられ、イメチェンをOKしたのは、「楽しそうだなと思ったから」。聞けば、「動画配信などを通して、自分も人を楽しませるようなことがしたいと思っていた」という。

　そんな快活な内面とは裏腹に、実は「彼女いない歴＝年齢」なのだとか。髪をカットされながら、「出会いを求めるタイプじゃないし、もし彼女を作るとしても理想が高すぎて…」と本音を吐露するダイチさん。メンズ特化美容師のカンタさんは、同じような人たちと多数接してきた経験から、後日、“オタク＝外見に無頓着”説について、その印象をこう語ってくれた。

　「ダイチさんもアニメ好きということでしたが、この企画のために街で外見に無頓着そうな、髪の伸びた人に声をかけると、2次元の世界が好きな方が多くいます。そういった方々は女性に対して理想が高く、3次元の女性に興味がないことが多い印象です。女性を意識するような場に出かけることがなく、日常でも女性の目を気にしないから、外見に対する意識が疎くなっているのかなと感じています」（カンタさん／以下同）

　そんなダイチさんを「“モテる髪型”を意識して、今っぽく変身させたい」とカンタさん。

　「塩顔の人はマッシュ系が似合います。今、流行のアップバンクもできないことはないですが、ダイチさんの場合は髪質が軟毛で、おでこも広めだったので、ボリュームが出にくい。アップバンクは自分でのセットも難しいので、ダイチさんに合うよう、マッシュ系をアレンジしたスタイルを作りました」

　美容師のテクニックにより、施術後、スタイリッシュになったことは言うまでもないが、驚いたのは、丸かった顔がまるでダイエットしたかのようにフェイスラインがスッキリ、小顔になったことだ。

　「施術前は全体的にボリュームがなく、髪の毛の分も顔が大きく見えてしまっていました。サイドのボリュームを出すことによって、小顔に見えるようにしました」

　さらにダイチさんは、カンタさんの手により眉カットとワックスによるセットも人生初体験。カンタさんによると、近年は、ピーリングなど肌のケアにお金をかける男性が増えている一方で、ダイチさんのように眉カットはもちろん、ワックスの使用も初めてという男性もまだまだ多いという。男性の美容にも、意識の“格差”が生まれてしまっているようだ。

　イメチェン後の自分を見て、「今までの自分とは別人のように変わったのですごく良かった」と顔をほころばせるダイチさん。施術中、恋愛談議に花を咲かせていたときに、「待つタイプ」と言うダイチさんに、「男の人で待っていて恋愛が成功するのって、イケメンか世間的な認知やステータスのある人しか無理だと思うから、もう行くしかない！」とアドバイスを送ったというカンタさん。モテ系の外見にイメチェンした自分を見て、「積極的に動いてみようかな」と前向きな笑顔を見せて去って行ったダイチさんを、カンタさんはうれしい気持ちで見送ったという。

（文：河上いつ子）

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