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がん患者の食事に管理栄養士がアドバイス「信頼できる科学的な根拠があるかどうか確認を」

 先ごろ、がん経験者に寄り添う保険を展開する「MICIN(マイシン)少額短期保険」と保険薬局「薬樹」の共催による『がんになってからの食生活』セミナーが開催され、管理栄養士の藤村詩織さんが、がんの治療中や術後における食生活のアドバイスを行った。

がん患者・経験者の食生活についてアドバイスする管理栄養士の藤村詩織さん。

がん患者・経験者の食生活についてアドバイスする管理栄養士の藤村詩織さん。

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「がん患者はコレを食べてはいけないとか、いろいろな情報が溢れていますが、まずは信頼できる科学的な根拠があるかどうか確認してください」

 がん経験者に向けた食生活セミナーで、まずは上記の注意喚起を行った藤村さん。がん治療中や術後において、体力維持のためにも食事は重要な意味を持つが、その食材選びや食べ方については、情報の信頼性が大切と説く。

 藤村さんが信頼を寄せているのは、国立がん研究センターが運営する『がん情報サービス』やがん研究振興財団、NPO法人キャンサーネットジャパンのサイト等だ。セミナー参加者にも、食情報の信頼性について「気になるときは確認してほしい」と呼びかけた。

 続いて、「がんの治療中であってもバランスの良い食事を心がけることが大切」とし、治療中の症状に合った食事の工夫を紹介した。

「食欲がないときは食事の回数を増やして少しずつ食べる、栄養価の高い食品を選ぶ、といった工夫をしましょう。抗がん剤の影響などで吐き気のあるときは、口当たりが良く食べやすいものを、匂いが気になる場合は料理を冷ましてみるのも効果的です。特に食べられないときは、脱水予防のためにスープやスポーツ飲料等で水分補給も忘れずにしてください」

 がん治療中は『味覚の変化』や『口内炎』に悩む人も少なくない。

「味覚の変化によって味を薄く感じるときは、塩や砂糖を足すのではなく、だしの旨味を使ったり、柑橘類やカレーなどの香辛料のきいた料理にするなど工夫をしてみてください。口内炎が痛いときは、冷たい料理や薄味の料理がおすすめです」

<症状別の食べやすい食品例>
1) 食欲がないとき:卵焼き、冷奴、さっぱりした麺類、酸味のあるもの、果物、プリン等。
2) 吐き気があるとき:ゼリー、プリン、アイス等。お茶、スポーツ飲料で水分補給も忘れずに。
3) 味覚が変化したとき:カレー、酢の物、果物、ごま和え等で、味わいにアクセントをつける。
4) 口内炎の痛みがあるとき:冷製スープ、野菜煮、雑炊、グラタン、卵豆腐、プリン等。

「がん経験者の食生活のポイントは、”質と量“です。食事の質を保つには、主食、主菜、副菜を揃え、必要な栄養素をバランスよくとることです。食事の量は厚生労働省が示す日本人の食事摂取基準の1日に必要なエネルギー量を確保できているか、また、体格に見合う適正な体重かをチェックするといいでしょう。その指標となるのが、体重と身長から計算するBMI(※1)の数値で、18.5から25を目安に適正な体重の維持を目指すことが大切です」

 会場では、食事面での栄養バランスのチェックのほか、体重の増減から体力づくりやBMIの計測方法、食品選びの栄養成分表示のチェックに関してまで、参加者からの質問にも答えつつヘルシーな食生活のポイントをわかりやすく説いた。

※1…BMI(Body Mass Index):体格指数=(体重:kg)÷(身長(m)の2乗)
適正範囲の目安:18.5〜25

藤村詩織さん:管理栄養士(薬樹株式会社)、保険調剤薬局「薬樹」の健康ナビゲーターとして、薬局窓口で患者たちの一人ひとりに向きあい、ヘルシーな食生活の相談やアドバイスをして健全な体力づくりのサポートを実践している。

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