破天荒ヒーロー、デッドプールとウルヴァリンの活躍を描く、マーベル・スタジオ劇場公開最新作『デッドプール&ウルヴァリン』が本日(24日)より世界最速公開。アベンジャーズへの加入も噂されるデッドプールとウルヴァリン、 “R指定ヒーロー”たちを演じた日本版声優、加瀬康之&山路和弘が、ネタバレなしで縦横無尽に語り合った。
――韓国で行われた記者会見で、デッドプール役のライアン・レイノルズさんが、「デッドプールとウルヴァリンなのか、自分とヒュー・ジャックマンなのか、わからなくなるような掛け合いが見られる」とアピールされていたんですが…。
【山路】ライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンの関係性がにじみ出てる感じはあったね。
【加瀬】芝居をしつつも、相手がヒューだとつい…みたいな感じなのかな。デッドプールはほとんどマスクをかぶっているからライアンの表情はわからないですけど、楽しそうでした(笑)。デッドプールが何か言おうとするとウルヴァリンが「うるせぇ!」、それでも言い続けようとして「いい加減、黙れ」、でも黙っていられなくて最終的にグサッ。やられたらやり返して…。毎回それです(笑)。
【山路】2人とも死なないから、いつまでもやってるんだよね。カメラを動かして強制的に2人をフレームアウトさせるしかない、みたいなね(笑)。口喧嘩したり、殺し合ったりしてるんだけれども、じゃれ合っているように見える時がある。
■ライアン・レイノルズ&ヒュー・ジャックマンとの出会い
――加瀬さんは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)でデッドプールの吹替を担当して以降、大半の作品でライアン・レイノルズの声を担当するようになりましたが、加瀬さんにとってライアン・レイノルズ/デッドプールとの出会いは?
【加瀬】『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』では、ミュータントで編成された特殊部隊のメンバーの中にウェイド・ウィルソン/デッドプールがいて、ライアン・レイノルズさんが演じていたんだけど、メインはローガン/ウルヴァリンと、兄のビクター・クリード/セイバートゥースの物語だったので、デッドプールは“おしゃべりな傭兵”というニックネームだったけど、せりふはそんなに多くなかったんですね。
それから7年経って、デッドプールの単独主演映画『デッドプール』(16年)の吹替版をつくる際、『X-MEN ZERO』でウェイドを演じていたから、という理由でオファーしていただいたみたいなんですよ。運が良かった、というのが正直な思いです。
――2003年公開の『X-MEN2』からウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の吹替は山路さんが担当されていますね。
【山路】初めてヒュー・ジャックマンの吹替をやったのは『ソードフィッシュ』(2001年)という犯罪映画でした。オーストラリアにこんなに顔立ちのスッとした2枚目の役者がいたんだ…と思っていたら、「X-MEN」シリーズでウルヴァリン役に抜てきされてすごいな、と思いましたね。それからずっとマーベルのキャラクターを演じている。その中で、ウルヴァリンも成長していくけど、ヒュー・ジャックマン自身が俳優としてものすごく成長を遂げていて、(吹替を)やるたびに教わることがたくさんある、そんな俳優ですね。
――印象に残っている“教わった”エピソードは?
【山路】『LOGAN/ローガン』(17年)の時にヒュー・ジャックマンがSNSでアフレコ風景の動画を公開したことがあって、アフレコブースの中で腕を振り回したりして、ウルヴァリンになりきって、「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」と叫んだりしていて。その動画を見て、これくらい本気で役になりきらないといけないのか、と教えられたというか、襟を正してアフレコに臨まなきゃいけないな、と思ったんですよね。
しかも、アフレコが終わった後、カメラに向かってちょっと照れくさそうな笑顔で「やぁ」って。反則級の笑顔を見せられたらたまらないですよ(笑)。本当にいい奴なんだろうなって、思いましたね。
■「デッドプール」シリーズはどうなる!?
――前作『デッドプール2』(18年)の翌年、ディズニーが21世紀フォックスを買収して、ディズニー傘下で「デッドプール」シリーズがどうなるのか、心配でしたか?
【加瀬】きっとなんかいろいろ打破してやるんだろうな、と思ってましたし、今作の個人的な感想としては、20世紀フォックス映画時代にけじめをつける感じで描かれていて、すごいな、と思いました。ありがとう、20世紀フォックス映画みたいな(笑)。
――MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に組み込まれてから初の作品にもなるわけなんですが…。
【加瀬】MCUではあるけど、一緒くたにしなくていいと思うんですよね。「デッドプール」は独自の路線で行くと思いますし、行ってほしいな。それに、アベンジャーズ入りは無理だと思うんですよ…。
――やっぱり、“混ぜたら危険”ですかね。
【山路】「デッドプール」シリーズはこれからも続くとして、ウルヴァリンはどうなるんだろう。ウルヴァリンが出ない時は、レッドスカル(※)で呼んでほしいな(笑)。
※レッドスカルは、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(11年)ではヒューゴ・ウィーヴィングが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)ではロス・マーカンドが演じたが、日本版はすべて山路が担当。
【加瀬】ウルヴァリンはヒーローとしてアベンジャーズに入れると思うんですよ。でも、デッドプールは無理だと思うんです。
【山路】デッドプールなしでアベンジャーズと絡むことを、ウルヴァリンは嫌がるんじゃない?
【加瀬】僕の想像ですよ。こうなると面白いだろうな、と思うのは、アベンジャーズ映画にウルヴァリンが出て、デッドプールは出ない。その後、デッドプールの映画にもウルヴァリンは出ない。デッドプールの映画で、「ウルヴァリンがいないけど、どうしたの?」と聞かれたデッドプールが「なんか最近アベンチャーズの方で忙しいらしいよ」と返すみたいな展開を期待しちゃうな。
――自分で勝手に深読みして想像するのも面白いですよね。最後に、映画館で見て損はない、と言えるおすすめポイントを教えてください。
【加瀬】日本版ならではの、デッドプールとウルヴァリンの掛け合いを劇場で堪能していただきたいです。日本版ならでは、というところを強調して言いたいです。
【山路】字幕では追いつかないかもね。ずっと2人でガチャガチャ言い合っているから。字幕版もいいけど、日本版の方が見やすいのは間違いないと思います。
【加瀬】サラッとメタでオタなことを言っているので、「あれ?今、なんて言った?」「なんか言ってなかった?」みたいなところは、もう1回観に行って確かめてもらいたいです。
【山路】ずっと「X-MEN」シリーズを見てきた人たちは必見って感じ。過激で笑えるアクション・エンターテイメントなんだけど、重いところはちゃんと重い。
【加瀬】いいシーン多かったですよ、ウルヴァリンは。
【山路】がっつり心をつかまれると思います。とんでもない映画なので、楽しみにしていてください。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
――韓国で行われた記者会見で、デッドプール役のライアン・レイノルズさんが、「デッドプールとウルヴァリンなのか、自分とヒュー・ジャックマンなのか、わからなくなるような掛け合いが見られる」とアピールされていたんですが…。
【山路】ライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンの関係性がにじみ出てる感じはあったね。
【加瀬】芝居をしつつも、相手がヒューだとつい…みたいな感じなのかな。デッドプールはほとんどマスクをかぶっているからライアンの表情はわからないですけど、楽しそうでした(笑)。デッドプールが何か言おうとするとウルヴァリンが「うるせぇ!」、それでも言い続けようとして「いい加減、黙れ」、でも黙っていられなくて最終的にグサッ。やられたらやり返して…。毎回それです(笑)。
【山路】2人とも死なないから、いつまでもやってるんだよね。カメラを動かして強制的に2人をフレームアウトさせるしかない、みたいなね(笑)。口喧嘩したり、殺し合ったりしてるんだけれども、じゃれ合っているように見える時がある。
■ライアン・レイノルズ&ヒュー・ジャックマンとの出会い
――加瀬さんは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)でデッドプールの吹替を担当して以降、大半の作品でライアン・レイノルズの声を担当するようになりましたが、加瀬さんにとってライアン・レイノルズ/デッドプールとの出会いは?
【加瀬】『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』では、ミュータントで編成された特殊部隊のメンバーの中にウェイド・ウィルソン/デッドプールがいて、ライアン・レイノルズさんが演じていたんだけど、メインはローガン/ウルヴァリンと、兄のビクター・クリード/セイバートゥースの物語だったので、デッドプールは“おしゃべりな傭兵”というニックネームだったけど、せりふはそんなに多くなかったんですね。
それから7年経って、デッドプールの単独主演映画『デッドプール』(16年)の吹替版をつくる際、『X-MEN ZERO』でウェイドを演じていたから、という理由でオファーしていただいたみたいなんですよ。運が良かった、というのが正直な思いです。
――2003年公開の『X-MEN2』からウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の吹替は山路さんが担当されていますね。
【山路】初めてヒュー・ジャックマンの吹替をやったのは『ソードフィッシュ』(2001年)という犯罪映画でした。オーストラリアにこんなに顔立ちのスッとした2枚目の役者がいたんだ…と思っていたら、「X-MEN」シリーズでウルヴァリン役に抜てきされてすごいな、と思いましたね。それからずっとマーベルのキャラクターを演じている。その中で、ウルヴァリンも成長していくけど、ヒュー・ジャックマン自身が俳優としてものすごく成長を遂げていて、(吹替を)やるたびに教わることがたくさんある、そんな俳優ですね。
――印象に残っている“教わった”エピソードは?
【山路】『LOGAN/ローガン』(17年)の時にヒュー・ジャックマンがSNSでアフレコ風景の動画を公開したことがあって、アフレコブースの中で腕を振り回したりして、ウルヴァリンになりきって、「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」と叫んだりしていて。その動画を見て、これくらい本気で役になりきらないといけないのか、と教えられたというか、襟を正してアフレコに臨まなきゃいけないな、と思ったんですよね。
しかも、アフレコが終わった後、カメラに向かってちょっと照れくさそうな笑顔で「やぁ」って。反則級の笑顔を見せられたらたまらないですよ(笑)。本当にいい奴なんだろうなって、思いましたね。
■「デッドプール」シリーズはどうなる!?
――前作『デッドプール2』(18年)の翌年、ディズニーが21世紀フォックスを買収して、ディズニー傘下で「デッドプール」シリーズがどうなるのか、心配でしたか?
【加瀬】きっとなんかいろいろ打破してやるんだろうな、と思ってましたし、今作の個人的な感想としては、20世紀フォックス映画時代にけじめをつける感じで描かれていて、すごいな、と思いました。ありがとう、20世紀フォックス映画みたいな(笑)。
――MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に組み込まれてから初の作品にもなるわけなんですが…。
【加瀬】MCUではあるけど、一緒くたにしなくていいと思うんですよね。「デッドプール」は独自の路線で行くと思いますし、行ってほしいな。それに、アベンジャーズ入りは無理だと思うんですよ…。
――やっぱり、“混ぜたら危険”ですかね。
【山路】「デッドプール」シリーズはこれからも続くとして、ウルヴァリンはどうなるんだろう。ウルヴァリンが出ない時は、レッドスカル(※)で呼んでほしいな(笑)。
※レッドスカルは、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(11年)ではヒューゴ・ウィーヴィングが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)ではロス・マーカンドが演じたが、日本版はすべて山路が担当。
【加瀬】ウルヴァリンはヒーローとしてアベンジャーズに入れると思うんですよ。でも、デッドプールは無理だと思うんです。
【山路】デッドプールなしでアベンジャーズと絡むことを、ウルヴァリンは嫌がるんじゃない?
【加瀬】僕の想像ですよ。こうなると面白いだろうな、と思うのは、アベンジャーズ映画にウルヴァリンが出て、デッドプールは出ない。その後、デッドプールの映画にもウルヴァリンは出ない。デッドプールの映画で、「ウルヴァリンがいないけど、どうしたの?」と聞かれたデッドプールが「なんか最近アベンチャーズの方で忙しいらしいよ」と返すみたいな展開を期待しちゃうな。
――自分で勝手に深読みして想像するのも面白いですよね。最後に、映画館で見て損はない、と言えるおすすめポイントを教えてください。
【加瀬】日本版ならではの、デッドプールとウルヴァリンの掛け合いを劇場で堪能していただきたいです。日本版ならでは、というところを強調して言いたいです。
【山路】字幕では追いつかないかもね。ずっと2人でガチャガチャ言い合っているから。字幕版もいいけど、日本版の方が見やすいのは間違いないと思います。
【加瀬】サラッとメタでオタなことを言っているので、「あれ?今、なんて言った?」「なんか言ってなかった?」みたいなところは、もう1回観に行って確かめてもらいたいです。
【山路】ずっと「X-MEN」シリーズを見てきた人たちは必見って感じ。過激で笑えるアクション・エンターテイメントなんだけど、重いところはちゃんと重い。
【加瀬】いいシーン多かったですよ、ウルヴァリンは。
【山路】がっつり心をつかまれると思います。とんでもない映画なので、楽しみにしていてください。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
2024/07/24