駅階段のフチに“黄色いライン”を取り付ける職人動画に1000万回再生を超える反響があり、「もはや芸術」「こんな手作業だったとは!」「お仕事、ありがとうございます」など、称賛コメントが相次いでいる。投稿したのは、滑り止め専門メーカーに勤務する1児のパパ、涌田さん(@stepsolution_wakuta)。“黄色いライン”の正体と、滑り止め専門メーカーの業務、課題について話を聞いた。
■「“滑り止め”はニッチな商売」認知拡大のために日々の業務を投稿
――今年4月に投稿された動画『段差識別防滑(ぼうかつ)施工/グリハードプロ』が驚異の1000万回再生超えの大反響です。
「本当に驚きました。“滑り止め”という業種は建築許可の種別にも該当しないニッチな商売となるので、少しでも認知を広げようとInstagramの投稿を始め、いつも通りの投稿だったのですが…毎朝溜まる通知の数に驚きました」
――投稿には、“黄色いライン”を取り付ける職人技を称賛するコメントのほか、「もうマスタードの塗り方w!」「気持ちよすぎて何回も見てしまう!」「テープじゃないんだ!」と驚きの声もあがっていました。そもそも“段差識別防滑施工”“グリハードプロ”とはどのようなものなのでしょうか。
「まず“段差識別”とは、踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものを指します。さらに、防滑機能を有する材料にすれば、より安心安全な階段の移動が可能となります。これらを“段差識別防滑施工”と呼びます」
――歩行者の安全のために必要な施行なんですね。
「もちろん、滑り止めテープを貼るだけでも同施工となりますが、弊社の場合、段差識別用に開発した“グリハードプロ”という耐久性がずば抜けて高い樹脂を有しておりますので、そちらをメイン商材にしています。“グリハードプロ”は、公共施設や駅舎、商業施設など、1日数万人を超える歩行数がある施設でも10年以上耐久させる事が可能です」
――すごい耐久性です! この商材による段差識別防滑施工を行う際、難しいのはどのようなことでしょうか。
「大きく分けて2つでしょうか。1つ目は下地を見極めて適切に下処理を行い、樹脂を密着させる必要があります。2つ目は施設営業時間外の工事がほとんどですので、硬化させて歩行されるまでの時間との勝負となります」
■「転倒事故は交通事故の約3倍、増加を止めて事故防止に貢献したい」
――公共施設では深夜、商業施設は休業日など、多くの人が休んでいる時間に手作業で行うんですね。大変な業務です。その他、御社の業務内容について教えていただけますか。
「弊社『ステップソリューション』は、床の滑り止め専門メーカーとして商品開発から商品加工、施工現場まで一貫して請け負っている企業です」
――まさに“滑り止め”のプロですね!
「業務は『転倒事故を防止する』に特化した企業となります。お客様ご自身で使用できる商材の開発、建材メーカー様の商品に滑り止めを加工する加工業、滑る床や見にくい段差を改善する現場施工業大きく分けて3つに分類されますが、主な目的は転倒事故を防止する事となります。転倒事故には転落事故(段差の踏み外し)も含まれています。今回取材頂きました“段差識別防滑施工”は転落事故の防止につながります」
――ニッチな業界とのことですが、やりがいについて聞かせください。
「エンドユーザー様との距離が近い現場では、滑る床が改善されると皆さんありがとうとおっしゃってくれます。感謝されるとやはり嬉しいですよね。また小さい息子がいるせいか、幼稚園や保育園の現場注文は非常に嬉しいです。走り回る子ども達や妊婦のお母さま方も通われる施設になりますので、より安全性を高めてあげる必要があると思っていますので」
――業界の課題についてはいかがでしょうか。
「転倒事故はよく交通事故と比較されます。昔は交通事故数が圧倒的に多かったのですが、2009年頃より立場が逆転して、今では交通事故の約3倍程度の転倒事故が発生している状況です。交通事故では車の進化や路面状況の改善などで大幅に事故数を減らす事に成功していますが、転倒事故数は増える一方です。この増加を止めて減少させる事が課題です」
――交通事故の約3倍も…驚きです。
「先ほど、Instagramを始めたのは“滑り止め業界”を認知してもらう機会を作りたかった、と話しましたが、それと同時に、“転倒事故のリスク”にも意識を向けてもらいたいという願いもあります。滑り止めという仕事をする中で転倒事故に見舞われ悲惨な体験をされた声を多く耳にします。危険な階段や滑る床が放置された建物がたくさんありますので、少しでもそういった施設を改善できたら良いなと思いながら日々投稿しております」
――今後の夢、目標についてお聞かせください。
「転倒事故の減少が目標ですが、弊社の影響力ではまだまだ足りないと感じています。そこで他企業様とのタイアップや行政からのバックアップをお受け出来るよう、活動に注力していく所存です。夢については家族や従業員が幸せに暮らせる企業にする事です。今後も全力で仕事に取り組みたいと思います」
■「“滑り止め”はニッチな商売」認知拡大のために日々の業務を投稿
――今年4月に投稿された動画『段差識別防滑(ぼうかつ)施工/グリハードプロ』が驚異の1000万回再生超えの大反響です。
「本当に驚きました。“滑り止め”という業種は建築許可の種別にも該当しないニッチな商売となるので、少しでも認知を広げようとInstagramの投稿を始め、いつも通りの投稿だったのですが…毎朝溜まる通知の数に驚きました」
――投稿には、“黄色いライン”を取り付ける職人技を称賛するコメントのほか、「もうマスタードの塗り方w!」「気持ちよすぎて何回も見てしまう!」「テープじゃないんだ!」と驚きの声もあがっていました。そもそも“段差識別防滑施工”“グリハードプロ”とはどのようなものなのでしょうか。
「まず“段差識別”とは、踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものを指します。さらに、防滑機能を有する材料にすれば、より安心安全な階段の移動が可能となります。これらを“段差識別防滑施工”と呼びます」
――歩行者の安全のために必要な施行なんですね。
「もちろん、滑り止めテープを貼るだけでも同施工となりますが、弊社の場合、段差識別用に開発した“グリハードプロ”という耐久性がずば抜けて高い樹脂を有しておりますので、そちらをメイン商材にしています。“グリハードプロ”は、公共施設や駅舎、商業施設など、1日数万人を超える歩行数がある施設でも10年以上耐久させる事が可能です」
――すごい耐久性です! この商材による段差識別防滑施工を行う際、難しいのはどのようなことでしょうか。
「大きく分けて2つでしょうか。1つ目は下地を見極めて適切に下処理を行い、樹脂を密着させる必要があります。2つ目は施設営業時間外の工事がほとんどですので、硬化させて歩行されるまでの時間との勝負となります」
■「転倒事故は交通事故の約3倍、増加を止めて事故防止に貢献したい」
――公共施設では深夜、商業施設は休業日など、多くの人が休んでいる時間に手作業で行うんですね。大変な業務です。その他、御社の業務内容について教えていただけますか。
「弊社『ステップソリューション』は、床の滑り止め専門メーカーとして商品開発から商品加工、施工現場まで一貫して請け負っている企業です」
――まさに“滑り止め”のプロですね!
「業務は『転倒事故を防止する』に特化した企業となります。お客様ご自身で使用できる商材の開発、建材メーカー様の商品に滑り止めを加工する加工業、滑る床や見にくい段差を改善する現場施工業大きく分けて3つに分類されますが、主な目的は転倒事故を防止する事となります。転倒事故には転落事故(段差の踏み外し)も含まれています。今回取材頂きました“段差識別防滑施工”は転落事故の防止につながります」
――ニッチな業界とのことですが、やりがいについて聞かせください。
「エンドユーザー様との距離が近い現場では、滑る床が改善されると皆さんありがとうとおっしゃってくれます。感謝されるとやはり嬉しいですよね。また小さい息子がいるせいか、幼稚園や保育園の現場注文は非常に嬉しいです。走り回る子ども達や妊婦のお母さま方も通われる施設になりますので、より安全性を高めてあげる必要があると思っていますので」
――業界の課題についてはいかがでしょうか。
「転倒事故はよく交通事故と比較されます。昔は交通事故数が圧倒的に多かったのですが、2009年頃より立場が逆転して、今では交通事故の約3倍程度の転倒事故が発生している状況です。交通事故では車の進化や路面状況の改善などで大幅に事故数を減らす事に成功していますが、転倒事故数は増える一方です。この増加を止めて減少させる事が課題です」
――交通事故の約3倍も…驚きです。
「先ほど、Instagramを始めたのは“滑り止め業界”を認知してもらう機会を作りたかった、と話しましたが、それと同時に、“転倒事故のリスク”にも意識を向けてもらいたいという願いもあります。滑り止めという仕事をする中で転倒事故に見舞われ悲惨な体験をされた声を多く耳にします。危険な階段や滑る床が放置された建物がたくさんありますので、少しでもそういった施設を改善できたら良いなと思いながら日々投稿しております」
――今後の夢、目標についてお聞かせください。
「転倒事故の減少が目標ですが、弊社の影響力ではまだまだ足りないと感じています。そこで他企業様とのタイアップや行政からのバックアップをお受け出来るよう、活動に注力していく所存です。夢については家族や従業員が幸せに暮らせる企業にする事です。今後も全力で仕事に取り組みたいと思います」
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2024/06/24