2023年3月28日に亡くなった音楽家・坂本龍一さんの一周忌にあわせ、長編コンサート映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』(4月26日より109シネマズプレミアム新宿で先行公開、5月10日より全国公開)の収録場所で撮影された坂本さんのコメント映像、および監督の空音央、撮影のビル・キルスタイン、編集の川上拓也、録音・整音のZAKのコメントが公開された。
闘病生活を続けていた坂本さんが最後の力を振り絞り演奏したソロ・コンサート。2022年9月、東京のNHK 509スタジオで行われた撮影に、坂本さんのためにカスタムメイドされ、長年コンサートで愛用したヤマハのグランドピアノだけで臨んだ。「Merry Christmas Mr. Lawrence」、2023年に発表された最後のアルバム「12」からの曲、初めてピアノ・ソロで演奏された「Tong Poo」まで、自身が選曲した20曲から構成されている。
映画はベネチア国際映画祭でのワールドプレミア上映以降、ニューヨーク、山形、東京を始めとする世界中の映画祭で絶賛され、すでに28ヶ国の国と地域での公開が決定している(3月25日時点)。
映像では、坂本さん自ら「2020年の6月にがんであることがわかり、表立った活動はしておらず、現在も治療を続けています」と状況を告白。そして「かなり体力も落ちてしまって、通常のコンサートは難しいんですよね。今回は1曲ずつここで撮影して編集し、一つのコンサートとして発表することにしました」と本作を撮影するに至った経緯を話す。
続いて本作の収録場所となったNHKの509スタジオについて「40年前かな、NHK‐FMの番組を担当していた時に毎週のように来ており、このような大きなスタジオは特別な時にしか使えませんでしたが、(509スタジオは)とっても音が良いんですね、何度も録音したことがありますが、ここを今回特別にお借りすることができました」と1980年代にDJを務めていたNHK-FM『サウンドストリート』当時の話を引き合いに出しつつ、坂本が「日本でいちばん音のいいスタジオ」と評する場所での撮影が実現したことを語った。最後は、作品を鑑賞する人々に向けて「通常のコンサートのように楽しんでいただけたら。それでは、Enjoy!」という呼びかけで締めくくられている。
本作の制作には、坂本さんが全面的に信頼を寄せていた約30人のスタッフが集い、8日間に渡り撮影が行われた。
監督を務めた空は「坂本龍一が意図したコンサートをできるかぎり忠実に映画化するため、本人含めスタッフ一同、全身全霊でOpusを作り上げました」と語り、「ウトウトしたら音楽に揺さぶられながら寝ちゃうのも一興。本物のコンサートのつもりで音に身を預け、体験していただければ、(坂本龍一)本人もうれしかったんじゃないかと思います」とコンサート映画である本作ならではの楽しみ方について言及。
撮影を務めたビルは「撮影が始まると、坂本さんの演奏、美しいレコーディング・ホール、入念なサウンド・レコーディングが相まって、まるで大聖堂で撮影しているかのような、あるいは森の中でじっと座っているかのような、独特の雰囲気が生まれました」と撮影中の神秘的な空間に魅了されたとコメントしている。
編集を務めた川上は「監督や現場スタッフの皆さんが、それぞれの役割を全うされて、丁寧に捉えた美しい撮影素材をお預かりし、その素材の素晴らしさに常に新鮮な刺激を受けながら、坂本さんが音のひとつひとつと語り合うドキュメンタリー映画と捉え、編集しました」とスタッフ、そして世界的音楽家である坂本へのリスペクトを語っている。
長らく坂本龍一とタッグを組み本作で整音を務めたZAKは「この音を通して、その創造力、ピアノと一体化した身体、それが空間と調和する美しい生命を見てほしい」と坂本さんが全身で奏でた“音”の素晴らしさについてコメントした。
撮影には、モノクロの4Kフォーマットカメラ3台を使用。坂本が絶賛するスタジオで撮影された本作は、通常のコンサートでは見ることのできなかった坂本さんの表情、ペダルを踏みこむ音、坂本さんの身体表現とともに、奏でられる鍵盤の音や光の揺らめきが詳細に捉えられている。
■監督:空音央のコメント全文
坂本龍一が意図したコンサートをできるかぎり忠実に映画化するため、本人含めスタッフ一同、全身全霊でOpusを作り上げました。出来上がった映画には物語やせりふはありません。ピアノと身体、音楽と表情だけのコンサート映画です。ウトウトしたら音楽に揺さぶられながら寝ちゃうのも一興。本物のコンサートのつもりで音に身を預け、体験していただければ、本人もうれしかったんじゃないかと思います。Enjoy the concert!
■撮影:ビル・キルスタインのコメント全文
『Ryuichi Sakamoto | Opus』での私の担当は照明とカメラでした。撮影が始まると、坂本さんの演奏、美しいオーケストラ・レコーディング・ホール、入念なサウンド・レコーディングが相まって、まるで大聖堂で撮影しているかのような、あるいは森の中でじっと座っているかのような、独特の雰囲気が生まれました。私は常に観察する状態を維持するよう努めようと、坂本さんのライブ・パフォーマンスをスクリーンに収めるために、あらゆる仕草やディテールを記録できるように準備しました。
My responsibilities on Opus were light and camera. Once filming began, the combination of Mr. Sakamoto’s performance, the beautiful orchestral recording hall and the meticulous sound recording created a unique atmosphere - as if we were filming in a cathedral or sitting motionless in a forest. I tried to maintain a state of constant observation - to be ready to record every gesture and detail that could help translate the experience of Mr. Sakamoto’s live performance to the screen.
■編集:川上拓也のコメント全文
監督や現場スタッフのみなさんが、それぞれの役割を全うされて、丁寧に捉えた美しい撮影素材をお預かりし、その素材の素晴らしさに常に新鮮な刺激を受けながら、坂本さんが音のひとつひとつと語り合うドキュメンタリー映画と捉え、編集しました。大変光栄であり、純粋に楽しい作業でした。
■録音・整音:ZAKのコメント全文
この音を通して、その創造力、ピアノと一体化した身体、それが空間と調和する美しい生命を見てほしい。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
闘病生活を続けていた坂本さんが最後の力を振り絞り演奏したソロ・コンサート。2022年9月、東京のNHK 509スタジオで行われた撮影に、坂本さんのためにカスタムメイドされ、長年コンサートで愛用したヤマハのグランドピアノだけで臨んだ。「Merry Christmas Mr. Lawrence」、2023年に発表された最後のアルバム「12」からの曲、初めてピアノ・ソロで演奏された「Tong Poo」まで、自身が選曲した20曲から構成されている。
映画はベネチア国際映画祭でのワールドプレミア上映以降、ニューヨーク、山形、東京を始めとする世界中の映画祭で絶賛され、すでに28ヶ国の国と地域での公開が決定している(3月25日時点)。
映像では、坂本さん自ら「2020年の6月にがんであることがわかり、表立った活動はしておらず、現在も治療を続けています」と状況を告白。そして「かなり体力も落ちてしまって、通常のコンサートは難しいんですよね。今回は1曲ずつここで撮影して編集し、一つのコンサートとして発表することにしました」と本作を撮影するに至った経緯を話す。
続いて本作の収録場所となったNHKの509スタジオについて「40年前かな、NHK‐FMの番組を担当していた時に毎週のように来ており、このような大きなスタジオは特別な時にしか使えませんでしたが、(509スタジオは)とっても音が良いんですね、何度も録音したことがありますが、ここを今回特別にお借りすることができました」と1980年代にDJを務めていたNHK-FM『サウンドストリート』当時の話を引き合いに出しつつ、坂本が「日本でいちばん音のいいスタジオ」と評する場所での撮影が実現したことを語った。最後は、作品を鑑賞する人々に向けて「通常のコンサートのように楽しんでいただけたら。それでは、Enjoy!」という呼びかけで締めくくられている。
本作の制作には、坂本さんが全面的に信頼を寄せていた約30人のスタッフが集い、8日間に渡り撮影が行われた。
監督を務めた空は「坂本龍一が意図したコンサートをできるかぎり忠実に映画化するため、本人含めスタッフ一同、全身全霊でOpusを作り上げました」と語り、「ウトウトしたら音楽に揺さぶられながら寝ちゃうのも一興。本物のコンサートのつもりで音に身を預け、体験していただければ、(坂本龍一)本人もうれしかったんじゃないかと思います」とコンサート映画である本作ならではの楽しみ方について言及。
撮影を務めたビルは「撮影が始まると、坂本さんの演奏、美しいレコーディング・ホール、入念なサウンド・レコーディングが相まって、まるで大聖堂で撮影しているかのような、あるいは森の中でじっと座っているかのような、独特の雰囲気が生まれました」と撮影中の神秘的な空間に魅了されたとコメントしている。
編集を務めた川上は「監督や現場スタッフの皆さんが、それぞれの役割を全うされて、丁寧に捉えた美しい撮影素材をお預かりし、その素材の素晴らしさに常に新鮮な刺激を受けながら、坂本さんが音のひとつひとつと語り合うドキュメンタリー映画と捉え、編集しました」とスタッフ、そして世界的音楽家である坂本へのリスペクトを語っている。
長らく坂本龍一とタッグを組み本作で整音を務めたZAKは「この音を通して、その創造力、ピアノと一体化した身体、それが空間と調和する美しい生命を見てほしい」と坂本さんが全身で奏でた“音”の素晴らしさについてコメントした。
撮影には、モノクロの4Kフォーマットカメラ3台を使用。坂本が絶賛するスタジオで撮影された本作は、通常のコンサートでは見ることのできなかった坂本さんの表情、ペダルを踏みこむ音、坂本さんの身体表現とともに、奏でられる鍵盤の音や光の揺らめきが詳細に捉えられている。
■監督:空音央のコメント全文
坂本龍一が意図したコンサートをできるかぎり忠実に映画化するため、本人含めスタッフ一同、全身全霊でOpusを作り上げました。出来上がった映画には物語やせりふはありません。ピアノと身体、音楽と表情だけのコンサート映画です。ウトウトしたら音楽に揺さぶられながら寝ちゃうのも一興。本物のコンサートのつもりで音に身を預け、体験していただければ、本人もうれしかったんじゃないかと思います。Enjoy the concert!
■撮影:ビル・キルスタインのコメント全文
『Ryuichi Sakamoto | Opus』での私の担当は照明とカメラでした。撮影が始まると、坂本さんの演奏、美しいオーケストラ・レコーディング・ホール、入念なサウンド・レコーディングが相まって、まるで大聖堂で撮影しているかのような、あるいは森の中でじっと座っているかのような、独特の雰囲気が生まれました。私は常に観察する状態を維持するよう努めようと、坂本さんのライブ・パフォーマンスをスクリーンに収めるために、あらゆる仕草やディテールを記録できるように準備しました。
My responsibilities on Opus were light and camera. Once filming began, the combination of Mr. Sakamoto’s performance, the beautiful orchestral recording hall and the meticulous sound recording created a unique atmosphere - as if we were filming in a cathedral or sitting motionless in a forest. I tried to maintain a state of constant observation - to be ready to record every gesture and detail that could help translate the experience of Mr. Sakamoto’s live performance to the screen.
■編集:川上拓也のコメント全文
監督や現場スタッフのみなさんが、それぞれの役割を全うされて、丁寧に捉えた美しい撮影素材をお預かりし、その素材の素晴らしさに常に新鮮な刺激を受けながら、坂本さんが音のひとつひとつと語り合うドキュメンタリー映画と捉え、編集しました。大変光栄であり、純粋に楽しい作業でした。
■録音・整音:ZAKのコメント全文
この音を通して、その創造力、ピアノと一体化した身体、それが空間と調和する美しい生命を見てほしい。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
2024/03/28