エンジニアであり、実業家のひろゆきこと西村博之氏の妻である西村ゆかさんの自己啓発エッセイ『転んで起きて 毒親 夫婦 お金 仕事 夢 の答え』(徳間書店)が上梓された。書籍のなかには、いわゆる“毒親”の振る舞いに対して抗いながらも、どこかつき放せないゆかさんの揺れる胸の内や、夫であるひろゆきさんに対する思いがつづられている。どんなにつらいことがあっても、人に対して諦めない思いを抱いているように感じられるゆかさんに話を聞いた。
■一般的には“毒親”と呼ばれるような両親への思い
父親のギャンブルや借金が原因で、幼少期に両親は離婚。その後、母親との2人暮らしだったが、そこでも母親が金銭トラブルを起こすなどして、お金の怖さや人を信用することができない性格になり、10年以上に渡り摂食障害を患うことにもなったゆかさん。
本書を読むと、相当ハードな青春時代を送ってきたという感想を持つ人も多いだろうが、本人は「何か起きるたびに、感じることはありましたし、その都度友人に『こんなことがあったんだよ』と話していましたが、その当時は特別すごい体験をしているなという実感はなかったんです」と語る。
この言葉通り、本書で紹介されているエピソードは主観と客観がバランスよくつづられており、悲壮感はない。ゆかさん自身も出来上がった本を読んだ時、「子どものころ、がんばっていたんだな〜と思いました」と、やや他人事のように笑う。
渦中の時にはいろいろな感情が渦巻いていたというが、一冊の本にして自身の人生を振り返ると両親に対して「ブートキャンプの鬼教官のような存在かなと思います。難しいタスクをどんどん与えてくるような(笑)」と、わかりやすい“怒り”の感情などはなく、人生の試練のように捉えているようだ。
「もちろん、子どものころはすごく大変だったし、嫌だったしつらかったと思っていましたが、そういう出来事を経験したことで、違う困難や逆境に出会った時、過去の経験が生きて、その困難をうまく乗り切れたことがあったんです。いろいろなことがあったおかげで、対応力は上がったと思うんです」。
とは言いつつも「この両親で良かったと思いますか?」という問いには「全否定したいわけではないです。でも、正直言うと、もうちょっとしっかりした親の方が良かったですよね」と笑う。
■ひろゆきくんはしっかり話ができる人
両親との生活で「物事を素直に受け止めることができず、裏側まで考えてしまう癖がついてしまった」というゆかさん。そんななか、現在実業家として活躍しているひろゆきさんと出会い、人生を共にする選択をする。
“論破王”として知られるひろゆきさんとの生活について、ゆかさんは「友だちからは、“よく一緒にいられるね”と言われる」と明かす。たしかに、自宅に突然警察がやってきたり、見ず知らずの人が訪ねて来たり…ひろゆきさんとの生活は波乱に満ちている。それでもゆかさんは「小さいころ家に借金取りが来たことが何度もあったので、その時に比べたら全然大丈夫でした」と困難を乗り切る術を学んでいたから、何とも思わなかったという。
さらに「世間的には“論破王”ですし、言い負かしてきそう…みたいに思われているかもしれないのですが、ひろゆきくんはしっかりと話ができる人なんです」と評する。「考え方が違ったとしても、説き伏せようとか考え方を変えさせようとコントロールすることは絶対しないんです。お互い違う考えのことはあるのですが、一回こちらの意見を受け入れてくれるので、すごく楽だし、違いがあっても一緒にいられるんだという風に思える。それが安心感につながるんです」。
それでも、どうしても理解できないことはある。鼻をかんだティッシュを床に置いたり、トイレを使ったあときれいにしてくれなかったり…直接不満をぶつけるも、ひろゆきさんは「善処します」と言うだけで、改善されないという。
「なんでこんな簡単なこともできないんだろう」と憤る一方で「そのイライラは私から見えている相手のできないところ。ひろゆきくんはあまり細かいことを言うタイプではないので、きっと向こうも私に対してそういうイライラはあると思うんです。そう考えるとお互いさまなのかな」と考えるとイライラは収まるという。「ただ、“諦めた”と明言して、ひろゆきくんが『やらなくていいんだ』と思っちゃうのも癪なので、言い続けますけれどね(笑)」とニヤリ。
■自分の周りにいてくれる人は、みんな宝物
現在フランスで生活しているひろゆきさんとゆかさん。「ほかの夫婦がどんな感じかわかりませんが、一般的な2人だと思いますよ」と前置きした上で、「家庭をジャングルにたとえると、普段は別の生息地でそれぞれの仕事をして、居間がオアシスみたいな感じ。そこでコーヒーを飲みながらおしゃべりをして、一息つくとまた持ち場に戻るみたいな」と日常を説明する。
ひろゆきさんは、メディア等での活躍も多く見受けられるが、ゆかさんは「彼のやっていることって実はあまり詳しくないんです」と苦笑い。拠点がフランスであるため、日本のメディアでの活躍が自然には目に入りにくいという。「ひろゆきくんが結構な有名人になっているというのを知ったのは去年ぐらい。友だちから『テレビやネットの番組に出ているよ』と聞いても『そうなんだ〜』程度で、あまり信用していなかったんです」。
「論破王の妻」「有名人の妻」という認識は一切ない。ゆかさんにとっては、ちょっと変なところがあるが、しっかり話ができる夫だという。
「今日もインタビューのお仕事があると伝えると、『1日中話すと喉がガラガラになるので、お水をこまめに飲んだ方がいいよ』とアドバイスをくれました。『がんばってね』なんて言葉はないですが、的確なことを言ってくれるのが彼らしさ。ひろゆきくんは日本とフランスを頻繁に行き来するのですが、長期で出かける際には、いるうちに食材やミネラルウォーター、トイレットペーパーなどの日用品などもまとめて買っておいてくれるんですよ。とっつきにくいと思われるかもしれませんが、本当に一般的な、優しさを持った人です」。
幼少期のハードな人生、自身に降りかかった災難。それでも「私の周りの人にはいつも救ってもらっています」と、ひろゆきさんを含め、人との出会いには恵まれていることを強調する。「みなさんがいてくれたから、数多あった困難も乗り越えられたんだと思います。自分の周りにいてくれる人はみんな宝物です」と感謝を述べた。
取材・文/磯部正和
写真/山崎美津留
ヘアメイク/タナカミホ
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
■一般的には“毒親”と呼ばれるような両親への思い
父親のギャンブルや借金が原因で、幼少期に両親は離婚。その後、母親との2人暮らしだったが、そこでも母親が金銭トラブルを起こすなどして、お金の怖さや人を信用することができない性格になり、10年以上に渡り摂食障害を患うことにもなったゆかさん。
本書を読むと、相当ハードな青春時代を送ってきたという感想を持つ人も多いだろうが、本人は「何か起きるたびに、感じることはありましたし、その都度友人に『こんなことがあったんだよ』と話していましたが、その当時は特別すごい体験をしているなという実感はなかったんです」と語る。
この言葉通り、本書で紹介されているエピソードは主観と客観がバランスよくつづられており、悲壮感はない。ゆかさん自身も出来上がった本を読んだ時、「子どものころ、がんばっていたんだな〜と思いました」と、やや他人事のように笑う。
渦中の時にはいろいろな感情が渦巻いていたというが、一冊の本にして自身の人生を振り返ると両親に対して「ブートキャンプの鬼教官のような存在かなと思います。難しいタスクをどんどん与えてくるような(笑)」と、わかりやすい“怒り”の感情などはなく、人生の試練のように捉えているようだ。
「もちろん、子どものころはすごく大変だったし、嫌だったしつらかったと思っていましたが、そういう出来事を経験したことで、違う困難や逆境に出会った時、過去の経験が生きて、その困難をうまく乗り切れたことがあったんです。いろいろなことがあったおかげで、対応力は上がったと思うんです」。
とは言いつつも「この両親で良かったと思いますか?」という問いには「全否定したいわけではないです。でも、正直言うと、もうちょっとしっかりした親の方が良かったですよね」と笑う。
■ひろゆきくんはしっかり話ができる人
両親との生活で「物事を素直に受け止めることができず、裏側まで考えてしまう癖がついてしまった」というゆかさん。そんななか、現在実業家として活躍しているひろゆきさんと出会い、人生を共にする選択をする。
“論破王”として知られるひろゆきさんとの生活について、ゆかさんは「友だちからは、“よく一緒にいられるね”と言われる」と明かす。たしかに、自宅に突然警察がやってきたり、見ず知らずの人が訪ねて来たり…ひろゆきさんとの生活は波乱に満ちている。それでもゆかさんは「小さいころ家に借金取りが来たことが何度もあったので、その時に比べたら全然大丈夫でした」と困難を乗り切る術を学んでいたから、何とも思わなかったという。
さらに「世間的には“論破王”ですし、言い負かしてきそう…みたいに思われているかもしれないのですが、ひろゆきくんはしっかりと話ができる人なんです」と評する。「考え方が違ったとしても、説き伏せようとか考え方を変えさせようとコントロールすることは絶対しないんです。お互い違う考えのことはあるのですが、一回こちらの意見を受け入れてくれるので、すごく楽だし、違いがあっても一緒にいられるんだという風に思える。それが安心感につながるんです」。
それでも、どうしても理解できないことはある。鼻をかんだティッシュを床に置いたり、トイレを使ったあときれいにしてくれなかったり…直接不満をぶつけるも、ひろゆきさんは「善処します」と言うだけで、改善されないという。
「なんでこんな簡単なこともできないんだろう」と憤る一方で「そのイライラは私から見えている相手のできないところ。ひろゆきくんはあまり細かいことを言うタイプではないので、きっと向こうも私に対してそういうイライラはあると思うんです。そう考えるとお互いさまなのかな」と考えるとイライラは収まるという。「ただ、“諦めた”と明言して、ひろゆきくんが『やらなくていいんだ』と思っちゃうのも癪なので、言い続けますけれどね(笑)」とニヤリ。
■自分の周りにいてくれる人は、みんな宝物
現在フランスで生活しているひろゆきさんとゆかさん。「ほかの夫婦がどんな感じかわかりませんが、一般的な2人だと思いますよ」と前置きした上で、「家庭をジャングルにたとえると、普段は別の生息地でそれぞれの仕事をして、居間がオアシスみたいな感じ。そこでコーヒーを飲みながらおしゃべりをして、一息つくとまた持ち場に戻るみたいな」と日常を説明する。
ひろゆきさんは、メディア等での活躍も多く見受けられるが、ゆかさんは「彼のやっていることって実はあまり詳しくないんです」と苦笑い。拠点がフランスであるため、日本のメディアでの活躍が自然には目に入りにくいという。「ひろゆきくんが結構な有名人になっているというのを知ったのは去年ぐらい。友だちから『テレビやネットの番組に出ているよ』と聞いても『そうなんだ〜』程度で、あまり信用していなかったんです」。
「論破王の妻」「有名人の妻」という認識は一切ない。ゆかさんにとっては、ちょっと変なところがあるが、しっかり話ができる夫だという。
「今日もインタビューのお仕事があると伝えると、『1日中話すと喉がガラガラになるので、お水をこまめに飲んだ方がいいよ』とアドバイスをくれました。『がんばってね』なんて言葉はないですが、的確なことを言ってくれるのが彼らしさ。ひろゆきくんは日本とフランスを頻繁に行き来するのですが、長期で出かける際には、いるうちに食材やミネラルウォーター、トイレットペーパーなどの日用品などもまとめて買っておいてくれるんですよ。とっつきにくいと思われるかもしれませんが、本当に一般的な、優しさを持った人です」。
幼少期のハードな人生、自身に降りかかった災難。それでも「私の周りの人にはいつも救ってもらっています」と、ひろゆきさんを含め、人との出会いには恵まれていることを強調する。「みなさんがいてくれたから、数多あった困難も乗り越えられたんだと思います。自分の周りにいてくれる人はみんな宝物です」と感謝を述べた。
取材・文/磯部正和
写真/山崎美津留
ヘアメイク/タナカミホ
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2024/03/05