昨年デビュー40周年を迎えたバンド・杉山清貴&オメガトライブが、3月9日から“ファイナル”と銘打った全国ツアー『杉山清貴&オメガトライブ〜FIRST FINALE TOUR 2024〜“LIVE EMOTION”』をスタートさせる。それに先立って28日、杉山清貴(Vo)が報道陣の取材に応じ、オメガトライブとしてのエピソードから昨今のシティポップブームの再燃への思い、そして本ツアーへの意気込みまで語り尽くした。 杉山清貴&オメガトライブは、プロデューサーの藤田浩一氏、作曲家の林哲司氏、和泉常寛氏、アレンジャーの新川博氏らが顔をそろえる音楽プロジェクトとして、1983年4月21日にシングル「SUMMER SUSPICION」でデビュー。「ガラスのPALM TREE」「ふたりの夏物語」といったヒット曲を世に放ちながらも、1985年12月、デビューからわずか2年半にして解散した。 杉山はそんな1980年代を「青春真っ盛り。とにかく楽しかった」とし、「今も楽しいは続いている。楽しいことしかやらないので」と笑う。そういった考え方は子どもの頃から変わらないそうで、「小学校の2、3年ぐらいから『サラリーマンにはならない』と言って、漫画家になりたかったんです。それで道具も全部そろえて漫画を描いていたんだけど、そこでたまたまビートルズに出会っちゃって、ギターを持ったらもう…そのまま現在に至る」と半生を振り返った。 杉山清貴&オメガトライブでは、林氏の楽曲を「演じていた」という。「いろいろなところで話していますけど、自分たちで作った曲ではないから、売れなかったらどうしようという責任感はある一方で、曲自体に対する責任感はなかったんですよね」と回顧。「ただ、林さんの曲の譜面を覚えながら、『このコード進行だとこういう雰囲気になるのか』と勉強していました。学びの時期でしたね。それがソロになって形になっていった」と、1986年以降のソロ活動に生かされたと明かす。 同バンドは、日本において「シティポップ」という音楽ジャンルが確立する過程を支えつつ、“学び”の時期を経て40周年を迎えた。昨今では国内外でシティポップブームが再燃しているが、杉山は「オリジナルがあるものを独自のものに変えていくという手法は、まさに日本人の得意分野だと思うんです。そしてこのメロディーは、日本人にしか書けないもの。世界感は洋楽なのに、日本特有の歌謡曲らしさが入ってくるところが新しいと捉えられているんだと思う」と分析する。 そして、往年のシティポップにさまざまなエッセンスを加える新ジャンル「ネオシティポップ」について「すばらしいことだと思う」と絶賛。「まさしく、オリジナルから独自の新しいものを生み出していく手法ですよね。やっぱり新しいものを作ろうという姿勢がないと。懐古主義では、音楽なんてやっていても面白くないですからね。今あるシステムや環境の中でさらにいいものを作っていくのは、やっぱり大事なことだと思いますよ。あの時代に生きた人たちだから作れたものがあって、今の時代に生きる人たちは今の時代に生きる人たちの感性でそれを解釈して作ればいい」と持論を伝えた。

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  • ネオシティポップに賛辞を送った杉山清貴 (C)ORICON NewS inc.
  • 『杉山清貴&オメガトライブ〜FIRST FINALE TOUR 2024〜“LIVE EMOTION”』ツアー前合同取材に出席した杉山清貴(C)ORICON NewS inc.
  • 『杉山清貴&オメガトライブ〜FIRST FINALE TOUR 2024〜“LIVE EMOTION”』ツアー前合同取材に出席した杉山清貴 (C)ORICON NewS inc.
  • 『杉山清貴&オメガトライブ〜FIRST FINALE TOUR 2024〜“LIVE EMOTION”』ツアー前合同取材に出席した杉山清貴 (C)ORICON NewS inc.
  • 『杉山清貴&オメガトライブ〜FIRST FINALE TOUR 2024〜“LIVE EMOTION”』ツアー前合同取材に出席した杉山清貴 (C)ORICON NewS inc.

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