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現代の社会問題<貧困、孤独、介護>に根ざした濃密なサスペンス、韓国映画『ビニールハウス』予告編
 「第27回釜山国際映画祭」(2022年)で3冠を獲得したキム・ソヒョン主演の韓国映画が『ビニールハウス』の邦題で3月15日より東京のシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開される。貧困、孤独、介護といった現代の社会問題を背景に、一瞬の選択が取り返しのつかない破滅を招き寄せる濃密なサスペンス。

キム・ソヒョン主演、韓国映画『ビニールハウス』3月15日公開 (C)2022 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED

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 ビニールハウスに暮らすムンジョンの夢は、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすこと。引っ越し資金を稼ぐために盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。そんなある日、風呂場で突然暴れ出したファオクが、ムンジョンとの揉み合いの最中に転倒。床に後頭部を打ちつけ、そのまま息絶えてしまう。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症の自分の母親を連れて来て、ファオクの身代わりに据える。絶望の中で咄嗟に下したこの決断は、さらなる取り返しのつかない悲劇を招き寄せるのだった――。

 日本版ポスタービジュアルには、「半地下はまだマシ」というキャッチコピーが添えられ、ムンジョンが暮らす、とある農村地帯にたたずむ黒いビニールハウスが切り取られている。『パラサイト 半地下の家族』(2019年)でも注目を浴びた韓国の住居貧困。元々は作物栽培のための農業施設であるビニールハウスもまた、不動産価格の高騰や経済の低迷により、正規の住宅を失った低所得者層、移民労働者が転がり込むなど、半地下や屋上部屋よりもさらに「最底辺」住居として社会問題となっている。ムンジョンのシリアスな表情から、彼女の過ちが招いた運命の行方に想像をかき立てられる。

映画『ビニールハウス』(3月15日公開)場面写真 (C)2022 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED

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 主人公のムンジョンに扮するキム・ソヒョンは、大ヒットドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』(2018-19年)、『Mine』(21年)などで活躍する名優。本作の出演にあたって「綱渡りのような危うい人生を生きる彼女こそ、まさに私自身ではないかと感じ、最初に台本を読んだときには涙を流しました」と語り、極限の感情表現を求められる新境地に挑戦した。

映画『ビニールハウス』(3月15日公開)場面写真 (C)2022 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED

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 盲目の老人テガン役には、『VIP−迷路の始まり−』(19年)、『私の解放日記』(22年)など、韓国ドラマを中心に活躍するベテラン俳優ヤン・ジェソン。さらに『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』(22年〜)で一躍脚光を浴び、本作『ビニールハウス』で第44回青龍映画賞新人女優賞にノミネートされた、今後の活躍が最も期待される俳優のひとり、アン・ソヨらがキャストに名を連ねる。

映画『ビニールハウス』(3月15日公開)場面写真 (C)2022 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED

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 監督・脚本・編集を手掛けるのは、ポン・ジュノ監督らを輩出した名門映画学校、韓国映画アカデミーで学んだ、29歳のイ・ソルヒ。監督自身の認知症の祖母と、祖母をケアする母親の関係性から着想を得てオリジナル脚本を執筆したというだけに、貧困や孤独、高齢者をめぐる介護や認知症といった社会問題に鋭く切り込みながら、ムンジョンの想像を絶する運命をスリリングに描き出した。新人監督としては異例の第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得し、第59回大鐘賞映画祭・第44回青龍映画賞の新人監督賞にノミネートされるなど、鮮烈な長編映画監督デビューを飾った。

映画『ビニールハウス』(3月15日公開)場面写真 (C)2022 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED

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 予告編映像は、訪問介護士として働くムンジョンの日常が、介護先の認知症の老婦人ファオクの死をきっかけに一転し、破滅へのスパイラルが加速する、緊張感高まる展開を垣間見ることができる。悲劇が絡み合う衝撃のラストに、韓国では「圧倒的な結末。キム・ソヒョンの演技が上手すぎて何度も鳥肌が立った」「こんなにすごい映画を久しぶりに観た」などと絶賛の口コミブームが巻き起こった。

YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」

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