米現地時間7日（日本時間8日）に発表された「第81回ゴールデン・グローブ賞」で、宮崎駿監督（※崎＝たつさき）の『君たちはどう生きるか（英題：The Boy and the Heron）』がアニメーション映画賞を受賞。日本映画がゴールデン・グローブ賞のアニメーション映画賞を受賞するのは初の快挙となる。受賞を受けて、スタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーからコメントが寄せられた。

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■鈴木敏夫プロデューサーのコメント

　『君たちはどう生きるか』の受賞の知らせを聞いて、本当にうれしく思います。歴史あるゴールデン・グローブ賞で、ジブリ作品が賞をいただいたのは初めてのことなので、格別な気持ちです。

　日本では年初以来、地震や事故などの痛ましいニュースが相次ぎました。被災地では未だ救助を待っている方々が数多くいらっしゃるという報道を聞くと、やり切れない思いで一杯になります。そんな中で受賞という明るいニュースは、少しでも皆さんに笑顔を届けることができるでしょうか。

■ジブリが「ゴールデングローブ賞」を変えた!?

　スタジオジブリ作品としては、2013年公開の『風立ちぬ』が外国語映画賞にノミネートされて以来、2作目のノミネート。当時のルールでは、米国内で公開されていないアニメ作品は選考対象外となっていたため、外国語映画賞にノミネートされたのだった。その後、制作国で上映されていればアニメーション映画賞にノミネートされる権利を得ることができるよう改正されることになった。

■米国では公開前から超豪華な英語吹き替え版キャストが大きな話題に

　日本では公開されるまでボイスキャストの情報も明らかにしなかったが、米国では公開前に発表された英語吹き替え版キャストの顔ぶれが“豪華すぎる”と大きな話題となった。クリスチャン・ベール、デイブ・バウティスタ、ジェンマ・チャン、ウィレム・デフォー、カレン・フクハラ、マーク・ハミル、ロバート・パティンソン、フローレンス・ピューらを起用。

　世界各国での公開を前に海外映画祭へも続々と出品され、“邦画として初”、アニメーション作品としては“世界初“のオープニング上映作品に選出された「第48回トロント国際映画祭」をはじめ、「第71回サン・セバスティアン国際映画祭」や「第61回ニューヨーク映画祭」など、由緒ある国際映画祭でも上映された。

　11月22日からニューヨーク、 ロサンゼルスの4館で先行上映が開始され、アメリカでの宮崎駿監督作品の劇場平均興収として過去最高成績を記録。ニューヨーク・タイムズやロサンゼルス・タイムズなど、各メディアから好意的なレビューが続出し、12月1日にはニューヨーク映画批評家協会賞のBest Animated Filmを、12月10日にはロサンゼルス映画批評家協会賞のBest Animationとボストン映画批評家協会賞Best Animated Filmを受賞するなど、賞レースにおいても大きな注目を集めていた。

　昨年12月8日からアメリカ＆カナダにて2205館で公開されると、初日から3日間（12月8日〜10日）のオープニング興収（先行上映含む）で約1297万ドル（約18.8億円）を記録し、日本映画オリジナル作品としては初となる、北米週末興行収入ランキング第1位を獲得した（オリジナル作品以外では、1999年公開『劇場版ポケットモンスター　ミュウツーの逆襲』、2022年公開『ドラゴンボール超　スーパーヒーロー』が1位になったことがある）。

■米国以外でも旋風

　台湾では昨年10月6日より公開され、週末興行ランキング4週連続1位を獲得。10月25日に公開された韓国では、週末興行ランキング2週連続1位、公開8週目で観客動員数200万人を突破。同12月1日に公開されたフランスでも、週末の興行ランキング1位（観客動員数64万人）となり、フランスでのスタジオジブリ作品の興行として、初週末の動員数の最高記録を更新した。12月17日時点で観客動員数150万人を突破している。年末年始に公開となった、メキシコ、イギリス・アイルランド、イタリアでもスタジオジブリ作品として過去最高の興行成績となるなど、世界中で旋風を巻き起こしている。

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