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「男性ホルモンが多い人はハゲる」は本当? 世にはびこる薄毛・抜け毛の“都市伝説”、真偽を専門医が回答

 医療や科学が発達した今も、多くの男性が直面する薄毛の悩み。今は大丈夫でも、「いつかハゲてしまうのでは…」と不安を覚える男性は多い。それだけに、世間やネットなどでまことしやかにささやかれる薄毛にまつわる“都市伝説”も多種多様で、誤った認識も広がっている。「男性ホルモンが多い人はハゲる」「湯シャンがいい」など、流布される言説は本当なのか? クリニックフォア新橋院の圓山尚(えんやまたかし)先生にホントのトコロを聞いた。

薄毛や抜け毛の“都市伝説”、本当?

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■「猫っ毛はハゲる」「湯シャンがいい」「海藻類がいい」…一体どれが本当?

 昨今では、薄毛の原因である「AGA」という言葉が広まっている。AGAとは、男性型脱毛症のことで、思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛症のこと。髪の毛の成長期が短くなり、成長しきれずに毛が弱り、寿命が短くなってしまうのだ。こうした薄毛、抜け毛に悩む男性が多いだけに、「これは毛髪にいい!」「これをやったらハゲやすい!」といった都市伝説も多い。以下にいくつか挙げてみよう。

<薄毛にまつわる都市伝説>
・男性ホルモンが多い人はハゲる
・髪を染めるとハゲる
・整髪料が多すぎるとハゲる
・猫っ毛はハゲる
・ストレスでハゲる
・湯シャン(お湯のみで髪を洗うこと)がいい
・炭酸シャンプーがいい
・頭皮マッサージがいい
・海藻類は毛髪にいい
・ハゲは遺伝
…etc.

 こう見ると、相反する内容もあるようだが…。本当のところはどうなのか、圓山先生に聞いてみた。

■筋トレブームの裏で懸念も…、「男性ホルモンを増やすとハゲやすくなる」?

 まずは、「男性ホルモンが多い人はハゲる」とは本当なのか?「体毛が多い人=男性ホルモンが多いのでハゲやすい」、「筋トレで後天的に男性ホルモンを増やすとハゲやすくなる」…などと言われることもある。

 圓山先生は、「男性ホルモンが多いから、増加したからハゲるわけではありません」と断言する。

 「そもそもAGAは、男性ホルモン(テストステロン)がII型5αリダクターゼという還元酵素と結びついてDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されることから始まります。この、DHTがレセプター(受容体)にカチッとハマることでスイッチが入るため、ここが結びつかなければAGAにはならない。男性ホルモンの分泌が多いだけでは、AGAになるとは限りません。AGA処方薬はその酵素をブロックし、AGAの進行を遅らせ、改善する作用があります」

圓山 尚(えんやまたかし)先生

圓山 尚(えんやまたかし)先生

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 では、洗髪や整髪料についてはどうか。「湯シャンがいい」「髪を染めるとハゲる」などと言われているが…。

 「頭皮を清潔にしておくのは大事なことですが、それはAGAの根本的な部分にはあまり関与していません。『シャンプーのしすぎはよくない』とか『湯シャンがいい』とも言われますが、これもあまり関係ありません。また、『髪を染めるとハゲる』『整髪料が多すぎるとハゲる』なども嘘です。毛穴のつまりは取ってあげた方が望ましいのですが、ヘアスプレー等を多く使用する人のすべて薄毛になるかというと、そうではありません」

 炭酸シャンプーや頭皮マッサージなどで、頭皮を柔らかく、血行をよくすることが薄毛予防になるとも聞く。

 「頭皮マッサージ自体は血流が良くなるのでいいのですが、それがAGA予防になるという科学的文献は見たことがないです。炭酸シャンプーも同様ですね。ちなみに海藻を食べると髪の毛が生える、というのも言わずもがなの都市伝説です」

 つまり、マッサージや炭酸の効果で血行はよくなり、皮脂などの汚れが落ちて清潔になるのはいいのだが、それとAGAは無関係。たとえ頭髪や頭皮が汚れていても、即、抜け毛につながるわけではない。

■「猫っ毛の人がハゲやすい」は嘘、では遺伝は?

 また、柔らかくて細い髪、いわゆる猫っ毛の人がハゲやすいというのも嘘であり、単に毛質の問題だそうだ。もともと太い髪だった人が細くて弱々しい髪になるといった「変化」が起きて初めて、AGAが疑われる。

 その「変化」についてはストレスが起因するとも言われるが、ストレスを明確に数値化することはできないため、ストレスとの因果関係はあるかわからない。「どこを調べても『ストレスのない生活を』といった記述があります。たしかに、ストレスで血管が収縮し毛根への栄養や酸素がいかなくなる…ということはありますが、エビデンスはまだないのが現状です」

 一方、「AGAは遺伝する」というのはある程度の根拠がある。家系に薄毛の人がいる場合は、たしかに注意が必要かもしれないが、どれぐらいの割合で遺伝するかという数値は出ていないという。

 以上のように、薄毛にまつわる都市伝説は、多くが正確ではないことがわかった。だが、「いつかハゲるのでは…」という世の男性たちの不安は、解消されたわけではない。圓山先生に、AGAの始まりを示すサインとは具体的にどういうものなのかを聞いた。

 「AGAは、頭頂部と額のM字部分から始まることが多いのです。ですから、シャンプーした後にM字部分に多く地肌が見えてきたら、AGAのサインと言えます。あとは抜け毛。1日100本までは正常範囲なのですが、お風呂で20〜30本抜けるようになったら、AGAを疑い始めてもいいでしょう。特に、抜け毛が普段よりも多い日が1ヵ月続けば、早い段階で治療することがおすすめです」

 また、通常では見えない頭頂部については、「美容院で勇気を出して聞いてみてください」とのこと。ただし、AGAと栄養失調等による抜け毛、円形脱毛症は別問題であり、その判断は専門医に委ねられる。

 このようなセルフチェックで、「もしかしてAGA?」と思ったら、どうしたらよいのか。

 「AGA治療は、早めに始めることをおすすめしますね。基本的には塗り薬や飲み薬から始めて、それでダメならメソセラピーといって、注射などで直接有効成分を注入する治療を行います。それでも効果が出ない場合は、植毛を検討していく形になります。ただ植毛は、植毛した箇所以外の部分のAGAが進行した場合、植毛部だけが残って歪な形になってしまう懸念もあります」

 実際、深刻に悩み、園山先生の元を訪れる男性は多いという。

 「AGA治療には、他の人には話せない悩みを打ち明ける、カウンセリング的要素もあります。『AGAかどうかわからないけど気になる』というご相談も多いので、治療をするか悩んだらまずはお声がけください」

圓山 尚(えんやまたかし)
クリニックフォア新橋院院長。金沢医科大学医学部卒業後、日本医科大学附属病院皮膚科に入局し皮膚科・皮膚外科・レーザーを中心とした診療を行う。その後、湘南美容クリニックでの勤務を経て、2019年にクリニックフォア新橋院を開院。

関連写真

  • 薄毛や抜け毛の“都市伝説”、本当?
  • 圓山 尚(えんやまたかし)先生
  • 40代男性、AGA治療症例<治療前>(写真提供:クリニックフォア)
  • AGA治療症例<2ヵ月後>徐々に変化が…(写真提供:クリニックフォア)
  • AGA治療症例<4ヵ月後>治療前と比べてスカスカ感が緩和(写真提供:クリニックフォア)

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