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THE KEBABS、「別にやらなくてもよかった」ツアーの初日で見せた“バンドの本領”
4人組ロックバンド・THE KEBABSが26日、大阪・千日前ユニバースでのワンマンライブで全国ツアー『THE KEBABS 暮暮』を締めくくった。本記事では、新曲も含めた全24曲をパフォーマンスした東京・神田明神ホール（19日開催）の模様をレポートする。
昨年末に開催された全国ツアー『THE KEBABS 必死』の最終公演で、「来年また遊ぼう」とファンに告げた彼ら。その言葉通り、今年は3月に新作『幸せにしてくれいーぴー』をリリースし、7月には全国ツアー『THE KEBABS 熱熱』を開催。コロナ禍に伴う制限が徐々に緩和されていく中、さまざまなライブイベントにも出演し、この日、2023年を締めくくるツアーをスタートさせた。
この日の会場は、大己貴命（オオナムチノミコト）、少彦名命（スクナヒコノミコト）、平将門命（タイラノマサカドノミコト）を御祭神とする神田明神の敷地内。そんな由緒正しい地でのライブだからか、佐々木亮介（Vo＆Gt）はいつもの革ジャンや柄シャツではなく、黒のセットアップ姿で登場した。
さぞお行儀の良いライブが展開されるのだろうと思いきや、“いかしたやつら”を自称する4人は予想のはるか斜め上を行く。田淵智也（Ba）と鈴木浩之（Dr）が親子役で動物園へといざない、新井弘毅（Gt）はギターで猿や象の鳴き声を鳴らすという、この曲以外に使い道が見つからなさそうな妙技も繰り出した。
新曲「どうぶつがいっぱい」で開幕し、「ジャキジャキハート」までの10曲を一気に駆け抜けた。その間、ポップにハネる「かわかわ」や、疾走感あふれる「メリー・ジェーン知らない」など、楽曲の振り幅でも魅了する。
さらに、随一のファンクナンバー「ジャンケンはグー」では、新井のスウィープピッキングによる技巧派ソロなどがエンディングに加わり、プログレッシブな香りを漂わせる「ホラー映画を観よう」では、4人が即興的に音を重ねていくなど、この日はアレンジの多彩さも普段以上に目立ったライブとなった。
機材面は、佐々木のGretsch製6120 SHP Brian Setzer Signature Hot Rod、新井のFender製Wayne Kramer Stratocaster、田淵のFender製Road Worn 50's Precision Bass、鈴木のdw製Collector's Maple（BD22"×18"、TT12"×9"、FT16"×14"）＋Ludwig製スネア・LB416（14"×5"）＆Paiste製シンバル（ハイハット14"、クラッシュ18"、ライド22"、クラッシュ18"、チャイナ18”）という不動の布陣。
2018年の結成から5年が経ち、サウンドの軸が固まりつつあることも感じさせながら、中盤のMCでは「リリースもないのによく来たね（笑）」と佐々木。この呼びかけには、それぞれ活動拠点が異なる4人ゆえに、結成当初から“神出鬼没”だった同バンドらしさも改めてにじませ、続けて「別にやらなくていいツアー。でも、やんなきゃいけないことだけやってたらロックはいらない」と、バンドの本質を突く言葉をつぶやいた。
一方で、東京公演がすぐにソールドアウトしたことに、田淵が「俺らも人気が出たのか？」と喜びながら、「でも、スタッフから『宣伝もしてないのに売れるわけないだろ』って言われた。そりゃそうだ」と豪快に笑い、佐々木も「（前ツアーから）どうぶつだけでここまで来たから」と、気張らないMCを展開して楽しませた。
「要するに暇だった」とオチをつけ、「THE KEBABSは暇だった」から後半戦へ。昨年末に初披露された「パリはもえているか」や、2021年の連続リリース企画『月刊 THE KEBABS』で制作された「ベガスでカジノ」、前ツアー時のグッズをモチーフとして生まれた「あつあつ肉まんパーティ」、新井の体調不良を契機に作られた「ともだちのうた」、昨年8月の24時間配信番組『THE KEBABSの日』内で誕生した「THE KEBABSを抱きしめて」などをパフォーマンス。
“暇だったら集まってライブハウスで音を鳴らすバンド”だからこそ、さまざまなテーマやモチーフで楽曲が作られてきたが、5年という歳月はそこに自然とストーリーを付加していく…。やや感傷じみた気分に浸っていると、「猿でもできる」の導入で新井が再び猿の鳴き声をギターで鳴らす瞬間に遭遇し、冒頭4段落目で記したことを撤回させられる羽目に。
そして、「バイバイ！」という言葉とともに「ロバート・デ・ニーロ」が鳴らされた。コロナ禍を経て多くのバンドが声出しを解禁する中、名俳優の名前をシンガロングさせることで大きな感動を作り出せるのは、このバンドくらいのものだ。…と、再びしみじみしていた矢先、「あ、あっちに象がいるよ！」とライブ冒頭の寸劇がカムバック。再度「どうぶつがいっぱい」を届け、本編を締めくくった。
アンコールを求める手拍子に応え、4人は再びステージに登場。
佐々木は「本当に大事なメッセージは聴こえてくる、どれだけ周りがうるさくてもね。今日ここにいる人たちも、俺たちのメッセージをキャッチして来てくれたんでしょ。『どうぶつがいっぱい』っていうメッセージを（笑）」と笑いながら、「最高の耳をお持ちですね」とロックンロールナンバー「Cocktail Party Anthem」でアンコールをスタートさせた。
バンドは最後まで攻勢を一切崩さずに、「すごいやばい」「ガソリン」で畳みかけ、ラストには曲名通りに自身らの“テーマソング”となった最初期の楽曲「THE KEBABSのテーマ」を叩きつけた。
■THE KEBABS『暮暮』神田明神ホール公演セットリスト
01. どうぶつがいっぱい
02. 夢がいっぱい
03. かわかわ
04. メリージェーン知らない
05. ゴールデンキウイ
06. ジャンケンはグー
07. ホラー映画を観よう
08. THE KEBABSは忙しい
09. オーロラソース
10. ジャキジャキハート
11. THE KEBABSは暇だった
12. パリはもえているか
13. ベガスでカジノ
14. てんとう虫の夏
15. あつあつ肉まんパーティ
16. ともだちのうた
17. THE KEBABSを抱きしめて
18. 台風ブンブン
19. 猿でもできる
20. ロバート・デ・ニーロ
21. どうぶつがいっぱい
En1. Cocktail Party Anthem
En2. すごいやばい
En3. ガソリン
En4. THE KEBABSのテーマ
■ライブ情報
2024年3月11日（月） 神奈川・F.A.D YOKOHAMA
『THE SUN ALSO RISES vol.247』（出演：THE KEBABS、SCOOBIE DO）
昨年末に開催された全国ツアー『THE KEBABS 必死』の最終公演で、「来年また遊ぼう」とファンに告げた彼ら。その言葉通り、今年は3月に新作『幸せにしてくれいーぴー』をリリースし、7月には全国ツアー『THE KEBABS 熱熱』を開催。コロナ禍に伴う制限が徐々に緩和されていく中、さまざまなライブイベントにも出演し、この日、2023年を締めくくるツアーをスタートさせた。
この日の会場は、大己貴命（オオナムチノミコト）、少彦名命（スクナヒコノミコト）、平将門命（タイラノマサカドノミコト）を御祭神とする神田明神の敷地内。そんな由緒正しい地でのライブだからか、佐々木亮介（Vo＆Gt）はいつもの革ジャンや柄シャツではなく、黒のセットアップ姿で登場した。
さぞお行儀の良いライブが展開されるのだろうと思いきや、“いかしたやつら”を自称する4人は予想のはるか斜め上を行く。田淵智也（Ba）と鈴木浩之（Dr）が親子役で動物園へといざない、新井弘毅（Gt）はギターで猿や象の鳴き声を鳴らすという、この曲以外に使い道が見つからなさそうな妙技も繰り出した。
新曲「どうぶつがいっぱい」で開幕し、「ジャキジャキハート」までの10曲を一気に駆け抜けた。その間、ポップにハネる「かわかわ」や、疾走感あふれる「メリー・ジェーン知らない」など、楽曲の振り幅でも魅了する。
さらに、随一のファンクナンバー「ジャンケンはグー」では、新井のスウィープピッキングによる技巧派ソロなどがエンディングに加わり、プログレッシブな香りを漂わせる「ホラー映画を観よう」では、4人が即興的に音を重ねていくなど、この日はアレンジの多彩さも普段以上に目立ったライブとなった。
機材面は、佐々木のGretsch製6120 SHP Brian Setzer Signature Hot Rod、新井のFender製Wayne Kramer Stratocaster、田淵のFender製Road Worn 50's Precision Bass、鈴木のdw製Collector's Maple（BD22"×18"、TT12"×9"、FT16"×14"）＋Ludwig製スネア・LB416（14"×5"）＆Paiste製シンバル（ハイハット14"、クラッシュ18"、ライド22"、クラッシュ18"、チャイナ18”）という不動の布陣。
2018年の結成から5年が経ち、サウンドの軸が固まりつつあることも感じさせながら、中盤のMCでは「リリースもないのによく来たね（笑）」と佐々木。この呼びかけには、それぞれ活動拠点が異なる4人ゆえに、結成当初から“神出鬼没”だった同バンドらしさも改めてにじませ、続けて「別にやらなくていいツアー。でも、やんなきゃいけないことだけやってたらロックはいらない」と、バンドの本質を突く言葉をつぶやいた。
一方で、東京公演がすぐにソールドアウトしたことに、田淵が「俺らも人気が出たのか？」と喜びながら、「でも、スタッフから『宣伝もしてないのに売れるわけないだろ』って言われた。そりゃそうだ」と豪快に笑い、佐々木も「（前ツアーから）どうぶつだけでここまで来たから」と、気張らないMCを展開して楽しませた。
「要するに暇だった」とオチをつけ、「THE KEBABSは暇だった」から後半戦へ。昨年末に初披露された「パリはもえているか」や、2021年の連続リリース企画『月刊 THE KEBABS』で制作された「ベガスでカジノ」、前ツアー時のグッズをモチーフとして生まれた「あつあつ肉まんパーティ」、新井の体調不良を契機に作られた「ともだちのうた」、昨年8月の24時間配信番組『THE KEBABSの日』内で誕生した「THE KEBABSを抱きしめて」などをパフォーマンス。
“暇だったら集まってライブハウスで音を鳴らすバンド”だからこそ、さまざまなテーマやモチーフで楽曲が作られてきたが、5年という歳月はそこに自然とストーリーを付加していく…。やや感傷じみた気分に浸っていると、「猿でもできる」の導入で新井が再び猿の鳴き声をギターで鳴らす瞬間に遭遇し、冒頭4段落目で記したことを撤回させられる羽目に。
そして、「バイバイ！」という言葉とともに「ロバート・デ・ニーロ」が鳴らされた。コロナ禍を経て多くのバンドが声出しを解禁する中、名俳優の名前をシンガロングさせることで大きな感動を作り出せるのは、このバンドくらいのものだ。…と、再びしみじみしていた矢先、「あ、あっちに象がいるよ！」とライブ冒頭の寸劇がカムバック。再度「どうぶつがいっぱい」を届け、本編を締めくくった。
アンコールを求める手拍子に応え、4人は再びステージに登場。
佐々木は「本当に大事なメッセージは聴こえてくる、どれだけ周りがうるさくてもね。今日ここにいる人たちも、俺たちのメッセージをキャッチして来てくれたんでしょ。『どうぶつがいっぱい』っていうメッセージを（笑）」と笑いながら、「最高の耳をお持ちですね」とロックンロールナンバー「Cocktail Party Anthem」でアンコールをスタートさせた。
バンドは最後まで攻勢を一切崩さずに、「すごいやばい」「ガソリン」で畳みかけ、ラストには曲名通りに自身らの“テーマソング”となった最初期の楽曲「THE KEBABSのテーマ」を叩きつけた。
■THE KEBABS『暮暮』神田明神ホール公演セットリスト
01. どうぶつがいっぱい
02. 夢がいっぱい
03. かわかわ
04. メリージェーン知らない
05. ゴールデンキウイ
06. ジャンケンはグー
07. ホラー映画を観よう
08. THE KEBABSは忙しい
09. オーロラソース
10. ジャキジャキハート
11. THE KEBABSは暇だった
12. パリはもえているか
13. ベガスでカジノ
14. てんとう虫の夏
15. あつあつ肉まんパーティ
16. ともだちのうた
17. THE KEBABSを抱きしめて
18. 台風ブンブン
19. 猿でもできる
20. ロバート・デ・ニーロ
21. どうぶつがいっぱい
En1. Cocktail Party Anthem
En2. すごいやばい
En3. ガソリン
En4. THE KEBABSのテーマ
■ライブ情報
2024年3月11日（月） 神奈川・F.A.D YOKOHAMA
『THE SUN ALSO RISES vol.247』（出演：THE KEBABS、SCOOBIE DO）
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