「毎月薬局でお支払いする時に、ぎょっとするような金額を請求されて…。この治療費がなければ、もっと別のことに使えたかな、と考えるんです」。乳がん告知から約1年、1児の母いだもさん(37歳)は、今なお続く自身の治療費について、そう想いを打ち明けた。再発予防のために現在服用している経口分子標的薬は、1錠約8000円。毎日2錠、服用している。保険適用で患者負担は3割になるが、高額には変わりない。
乳がんは思いもかけないタイミングで見つかったという。2019年から約1年、家族の仕事の都合で海外にて生活した。その間、これまで毎年受けていた乳がん検査はしなかった。帰国し、そろそろ定期健診を再開しようと思っていたころ、左胸に“しこり”を見つけた。乳がんに対する意識は高く、すぐに乳腺外科を受診したが、その後、告知を受けた。ずっと加入していた“がん保険”は、海外渡航前に解約していた。
がんになり、手術はもとより、「検査費用が非常に高く感じた」と明かすいだもさん。さらに、現在の経済的負担の一つに、経口分子標的薬による治療費がある。
「新しいタイプの治療薬です。保険適用にもなり、高額療養費制度により一定カバーはされますが、私のまわりでも経済的な理由から選ばなかったという方もいました」
近年、がん治療の進歩により『費用の高額化』と『治療期間の長期化』が起きている。予後の改善や生存率の向上は喜ばしい一方で、これらは、がん患者の新たな経済的負担となっている。こういった負担が、患者の治療自体や、患者・家族の生活の質に影響を与える問題を『がん治療の経済毒性』と呼び、今、医療現場を中心に問題視されている。
今月のピンクリボン月間に先立ち、先月末、都内にてMICIN(マイシン)少額短期保険が主催する「がんとお金」に関する勉強会が開かれ、当事者として経験を語ったいだもさん。会場では、看護師でファイナンシャルプランナーの黒田ちはるさん(一般社団法人 患者家計サポート協会代表理事)が『経済毒性』について解説した。
がん診断後、体調不良から思うように働けず、収入ダウンとなるケースは多い。そんな中での治療費負担は、思っている以上に家計や貯蓄への影響があると話す黒田さん。高額療養費制度だけでは解決できない、がん治療における経済的問題の重要性を知ってほしいと呼びかける。
乳がんは思いもかけないタイミングで見つかったという。2019年から約1年、家族の仕事の都合で海外にて生活した。その間、これまで毎年受けていた乳がん検査はしなかった。帰国し、そろそろ定期健診を再開しようと思っていたころ、左胸に“しこり”を見つけた。乳がんに対する意識は高く、すぐに乳腺外科を受診したが、その後、告知を受けた。ずっと加入していた“がん保険”は、海外渡航前に解約していた。
がんになり、手術はもとより、「検査費用が非常に高く感じた」と明かすいだもさん。さらに、現在の経済的負担の一つに、経口分子標的薬による治療費がある。
「新しいタイプの治療薬です。保険適用にもなり、高額療養費制度により一定カバーはされますが、私のまわりでも経済的な理由から選ばなかったという方もいました」
近年、がん治療の進歩により『費用の高額化』と『治療期間の長期化』が起きている。予後の改善や生存率の向上は喜ばしい一方で、これらは、がん患者の新たな経済的負担となっている。こういった負担が、患者の治療自体や、患者・家族の生活の質に影響を与える問題を『がん治療の経済毒性』と呼び、今、医療現場を中心に問題視されている。
今月のピンクリボン月間に先立ち、先月末、都内にてMICIN(マイシン)少額短期保険が主催する「がんとお金」に関する勉強会が開かれ、当事者として経験を語ったいだもさん。会場では、看護師でファイナンシャルプランナーの黒田ちはるさん(一般社団法人 患者家計サポート協会代表理事)が『経済毒性』について解説した。
がん診断後、体調不良から思うように働けず、収入ダウンとなるケースは多い。そんな中での治療費負担は、思っている以上に家計や貯蓄への影響があると話す黒田さん。高額療養費制度だけでは解決できない、がん治療における経済的問題の重要性を知ってほしいと呼びかける。
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2023/10/25