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「俺ってくさい?」コロナ禍経て“体臭への意識”が男女逆転、梅雨の時期こそ注意したいニオイ対策とは?

 「ニオイのケアをしてほしい」、そんな注意がカードショップ来店者、イベント来場者になされることが話題になる昨今。これは極端な例かもしれないが、コロナ禍の規制がなくなり他人との距離が近づく今、決して他人事ではない。デオドラントというと女性中心と思われてきたが、実は今、「男女の体臭への意識は逆転している」という。制汗剤市場の変化、梅雨の時期にこそ知っておきたいニオイのケアについて、話を聞いた。

“体臭への意識”が男女逆転、ニオイ気にする男性増加

“体臭への意識”が男女逆転、ニオイ気にする男性増加

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■アクリル板やマスクはなくなった…、「ワキガ不安」の男性が増加

 コロナ禍の規制が解かれ、出勤など外出する機会が各段に増えた今。会社などでは、人と人とを隔ててきたアクリル板が撤去され、徐々にマスクを外す人も増えている。こうしてお互いの距離が縮まることで、この3年ほどあまり気にしてこなかった“他人のニオイ”に気づく人もいるのではないだろうか。昨今、“スメハラ”という言葉も注目されており、「もしや自分の体臭が他人に気づかれていないか?」と、気を揉んだ経験がある人も少なくないだろう。

 そんななか、「コロナ禍を経て、男女のニオイ意識が逆転してきている」と意外な事実を明かすのは、株式会社シービックのU&Iマーケティング本部ブランドマネージャー・井上芳春さん。同社は、制汗剤市場で大きな伸長を見せている『デオナチュレ』を販売している。

 「外出頻度が減った結果、制汗剤の使用機会も減少したのは確かです。しかし、2022年は男性制汗剤市場は96%とコロナ前の水準近くまで戻ってきています。一方で女性用は、88%と鈍化。おそらく、女性はもともとエチケット目的のユーザーが比較的多く、コロナ禍によって外出機会も減り、『使用しないでもいいのでは?』と気付いたのではないかと分析しています」(※インテージSRI+ 男性制汗剤市場(シート剤型除く)累計販売金額、2019年を100とした場合の指数)。

 また、シービック社の調査には、制汗剤ユーザーのうち、“自分はワキガではないか”と不安を感じるシリアス層の推移が出ている。2020年は「ワキガ不安層」は男性15.4%、女性17.5%だったのが、2021年に逆転。2022年には男性17.6%、女性17.1%と、若干だが男性の方が上回っている。

 「この男女逆転現象には、男性の身だしなみ意識の高まり、スメハラという言葉の流行などが関わっているのでしょう。男性が自分を見つめ直し、ニオイがあるのでは? ワキガなのでは?と気にする人が増えたことが考えられます」

 このような男性のシリアス層のボリュームゾーンは30代。これは、加齢を意識し始める年代だからだという。

 「30代以降は、ニオイの発生部位・成分に変化が起こると言われています。年齢を重ねるにつれて、後頭部・背中などにジアセチル、ノネナールなどの成分が発生し、脂が酸化したような不快臭や枯れ葉のような臭いが発生します。次いでシリアス層が多いのは20代ですが、これは昨今の若年層男性の美意識の高まりやトレンドが理由ではないでしょうか」

 一方で、肉体的な男女差も、男性が自分のニオイを強く意識する要因になっている。男性は、気温が約30℃になると温熱性発汗(気温の上昇や運動などで体温が上昇しすぎることを防ぐためにかく、体温調整の汗のこと)が始まるのに対し、女性では温熱性発汗が始まるのは約32℃。

 また、皮脂の量も男女で異なる。男女とも新生児で多く、乳児〜学童では少なくなるが、思春期に急増し、20代で最も多くなるのは同じ。だが、女性はここから加齢に伴い皮脂が減少していくのに対し、男性は減少しにくい。次第に男女の皮脂量の差は大きくなる傾向にあるという。

 ほかに、ワキ毛の有無なども加え、もともと女性よりもニオイが発生しやすい男性。そこへ意識の高まりが拍車をかけ、この“男女逆転”は起こっていると見られる。

■ケア必要なのは真夏より梅雨の時期?「ニオイのバッドスパイラル」に陥らないために

 では、ニオイを気にし始めた男性は、どのようにケアをするべきなのか。同社のヒット商品『男デオナチュレ』の売上データを見ると、暑い夏だけケアすればよいというものではないということがわかる。

 「『男デオナチュレ』が一番売れるのは、実は夏ではなく、5〜6月なんです。暑い夏や運動後にかく汗は体温を下げるためのものなので、圧倒的に水分が多くてサラサラした汗。そうではない時、湿気の多い梅雨の時期や冬にかく汗は水分量が少なくなり、汗のミネラル濃度が高くなります。そうすると、雑菌の餌になってニオイが発生しやすくなるのです」

 昨今では、様々なボディーシートが発売され、それで汗や汚れをぬぐい、ニオイのケアをしている人も多い。制汗剤にはほかにも、スプレータイプやロールオンなど様々な形状があるが、何が効果的なのか。

 「ボディーシートは事後対処、スティックやロールオン、スプレーは主に事前対処になるので、用途は異なります。ただ事後対処となると、かいた汗が服について臭ったり、すぐにシートで拭けない緊張からさらに汗をかいてしまうことも。これは脂汗という言葉もある通り、ミネラルの多い汗なので、ニオイのバッドスパイラルに陥ってしまいます。予防に勝るものはないのではないかと考えます」

 香りでごまかさず、密着力の高いスティックやロールオンで、根本からニオイを解決することが重要。しっかり成分が密着することにより、心理的な安心感も得られるという。

 実際、このような効果を求める需要の差は、売上にも反映されている。前述の男性制汗剤市場の累計販売金額では、(2019年を100とした場合)2022年ではパウダースプレータイプが91%、ロールオンは100%、スティックタイプは121%に。コロナ禍後も、より高い効果を求めて直ヌリ剤型が伸長しているのがわかる。

 『男デオナチュレ』も直ヌリスティックタイプの制汗剤だが、これが発売されたのは2008年。その9年前には女性向けの『デオナチュレ』がすでに発売されており、ここに男女のニオイ意識高まりの時期の差、それを受け止める市場の変化も見て取れる。

 「『デオナチュレ』自体が“問題解決商品”のため、マス向けのCMはほとんど打たず、ネットなどの口コミで広がった商品でした。もとは女性向けながら男性ユーザーも多く、ならばより男性に適した商品を、と開発したのが『男デオナチュレ』です。『自分の汗やニオイが気になって積極的に異性と接することができなかったが、対策をすることで結婚できた』と、ユーザーさんから直筆のお手紙をいただいたこともあって。喜んでいただけていると思いますね」

 このように好調な『男デオナチュレ』ではあるが、「まだ認知度が低い、悩んでいる人に届いていない」と課題も残す。以前より男性の身だしなみ意識が高まったとはいえ、まだまだ自分のニオイに気づいていない人、気づいていてもどう対策していいかわからない人は多い。

 「無料サンプルを配布しようにも、男性はなかなか応募してくれなくて。ただ、私たちの調査では、『女性の90%が、身近な男性のニオイが気になったことがある』と回答していますし、『男性は身近な女性にレコメンドされた商品は使いやすい』という結果もあります。ニオイに悩む男性の手にも、届いてくれるといいのですが…」

 他人の体臭を直接的に指摘するのは難しいし、相手を傷つけてしまうこともある。ただ、身近な人のニオイがどうにも気になるのであれば、「サンプルをもらったから、試しに使ってみれば?」と渡すのは、もしかしたら有効な手段かもしれない。

 人間、生きていれば何かしらニオイを発するものだし、あまりに気にしすぎても精神衛生上よくない。ただ、自分のニオイが対人関係に悪い影響を与えてしまうのであれば、損をするのは自分。「俺は気にしない!」という人でも、相手が不快と思えばコミュニケーションはそこで終わる可能性すらあるのだ。人付き合いには、なにかしらの配慮が付きもの。外出や人と接することが増えた今こそ、あらためて自分を見つめ直す良い機会なのかもしれない。

(文:衣輪晋一)

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  • シービック社のヒット商品『男デオナチュレ』

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