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漫画家・田島列島×又吉直樹が対談、広瀬すず主演映画を絶賛「せりふがすごく好き」
 俳優の広瀬すずが主演する映画『水は海に向かって流れる』の公開(9日)を記念して、原作者の田島列島と、自身のYoutubeチャンネルでも原作ファンを公言しているお笑いコンビ・ピース又吉直樹のスペシャル対談が実現した。

原作者の田島列島、又吉直樹が対談=映画『水は海に向かって流れる』(公開中) (C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 (C)田島列島/講談社

原作者の田島列島、又吉直樹が対談=映画『水は海に向かって流れる』(公開中) (C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 (C)田島列島/講談社

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 過去のある出来事から「恋愛はしない」と宣言する26歳のOL・榊さんと、そんな榊さんに淡い想いを寄せる高校生の直達を中心に、クセ者ぞろいのシェアハウスの賑やかな日常を描いた同名漫画を、映画『そして、バトンは渡された』などの前田哲監督が映画化。榊千紗役に広瀬、直達役に大西利空、シェアハウスの住人役で高良健吾戸塚純貴生瀬勝久らが共演。主題歌は、スピッツの書き下ろし新曲「ときめきpart1」。

 原作漫画との出会いについて又吉は、漫画好きの後輩たちとの情報交換の中で話題になっていたことで作品を知ったことを明かし「物語が面白く、家族以外の人と住む設定はよく見るが、その中のどれとも重なっていない、物語の構造がすごく面白い」と話す。さらに「登場人物がとても魅力的」「いたずらに悪い奴がいない。みんな実際に自分の周りにいそうな人物」と、榊さんや直達、クセ者ぞろいのシェアハウス住人たちの魅力を指摘。

 その上で特に「せりふがすごく好き」と力を込めて話した又吉は、自身もコントや小説を書く中で、ドラマ等を見ながらせりふを当てるのが好きだが、田島列島のせりふは「読めない」と笑う。「いい意味でちょっとずらしている。質が高い」と田島の生み出すせりふに感心し「だからこそ刺激的で読みたくなる」「この物語の中で流れている時間と同じようにゆっくり読んだ」と原作を楽しんだ様子を振り返る。それを聞いた田島は「お話をつくったり、ネタをつくったりしている人に褒められるのはすごくうれしい」と喜びの表情を見せていた。

 原作の実写化にあたって不安がなかったかと又吉に問われた田島は「映画化は全部お任せする」とあっけらかんと話す。映画化された『水は海に向かって流れる』について又吉は「原作の魅力的なキャラクターたちが、少し形が変わった部分もありましたが、新たにすごく個性的で面白い、魅力的なキャラクターになっていた」「原作の好きなキャラクターがそのまま使われているところもたくさんあって、すごく僕は好きでした」と率直な感想を話す。

 一方、田島は、映画の中で印象的だったシーンとして、原作にはない直達が全力疾走するシーンに言及し、「漫画で走っているシーンを描いてもあまりグッとこないが、直達が走っているだけで胸がいっぱいになる」と話すと、又吉も「人間の身体を通すからこそ伝わるものがありますよね」と共感。また、又吉は、物語の中で、榊さんや直達が抱えているものが映画の中で爆発するシーンを挙げ、「原作でもすごく好きなシーンだが、その一連の場面、どのせりふも、とても好きでした」と明かした。

 田島は「榊さんの感情を任せる人がこの人でよかった」と、広瀬が演じた榊さんを改めて称賛。又吉も、笑顔を見せない榊さんという役について「内面に消化しきれない大きなものを抱えているキャラクターだが、そのことを周りに積極的に語るわけでもない、自分の中にとどめておこうとしている」と分析した上で、「無表情ではなくて、ちゃんと自分の抱えているものへの抵抗みたいなものがずっと表情に出ている」「喜怒哀楽とか、言葉で言語化できるわかりやすい感情ではなくて、もうちょっといろんな要素が複雑に混ざっている状況の顔ができる、すごく稀有な方だなと思った。演じているという意識が介在していないよう」と、広瀬の演技を絶賛した。

 そのほか、原作が完成に至るまでの執筆時のエピソード、劇中にも多数登場する榊さんの豪快料理に関するエピソードにも言及。対談が決まってから又吉の著書『人間』を読んだという田島は、「書きたいものがあって書くのか」と又吉に質問するなど、執筆活動をする2人だからこその、創作の原点にまで話は広がっていった。

 対談のすべては動画で見ることができる。

YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」

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