俳優の横浜流星主演、藤井道人監督による映画『ヴィレッジ』(4月21日公開)より、歌舞伎俳優の中村獅童が能を舞うシーンの本編映像が公開された。
本作は、「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出すサスペンス・エンタテインメント。
公開されたのは、主人公の優(横浜)と、彼の幼なじみの美咲(黒木華)が、村で行われる「薪能」を観に、能楽堂を訪れるシーン。そこでは毎年、村に伝わる伝統的な「薪能」が行われ、子どもの頃の優と美咲にとっては親しみ深い場所だった。
村中から蔑(さげす)まれ、過去の汚名を背負って生きる今の優にとっては避けてきた場所でもあるが、美咲に誘われて久しぶりに「能」を鑑賞する。燃え盛る松明の美しい灯りとどこか荘厳な音色を奏でる囃子(はやし)が流れる中、能を舞うのは、代々村長を受け継ぎ、村の中で絶大な権力を誇る大橋家の次男・大橋光吉(中村)。彼は能の舞手として才能を発揮し、将来を有望視されてきたものの、ある事件をきっかけに村を出て刑事になっている。
映像では、優や美咲のほか、同じように「能」を鑑賞する美咲の弟・恵一(作間龍斗)や、村長として豪腕を振るう光吉の兄・大橋修作(古田新太)。さらに、彼らの母であり、村の象徴たる存在として君臨し続ける大橋ふみ(木野花)、修作の息子で権力を笠に悪行を繰り返す透(一ノ瀬ワタル)らが勢ぞろいしている。一癖も二癖もある曲者たちが、それぞれの思惑をはらんだ表情で「能」の演目を見つめる様は、張り詰めた緊張感と、これから何かが起こりそうな気配をひしひしと感じさせる濃厚な1シーンだ。
本作において「能」は物語の核をなす重要なメタファーであり、特に演目「邯鄲(かんたん)」は作品に大きな影響を与えている。劇中では「能」が重要なテーマでもあるため、能楽師の塩津圭介氏が演目選びから所作の指導、監修、出演まで全面的に協力。解禁されたシーンも、塩津氏の尽力によって、圭介氏の父である哲生氏をはじめ、シテ方から囃子方(伴奏担当)まで現役の能楽師の面々が出演。謡(うたい)、囃子、足拍子などが一体となったその迫力は圧巻で、録音技師の岡本立洋氏も思わず「思ったよりロックでびっくりした!」と驚いたという。
光吉として「能」に触れた中村は、「歌舞伎には能や狂言を取り入れた演目も多くて、『松羽目物』といって能を模した形式で上演させていただくのですが、歌舞伎の舞台における能がかった動きと能そのものの動きというのはまた違うんです」とその難しさを語っている。
今回、映像とともに、塩津氏に稽古(けいこ)をつけてもらっている中村のメイキング写真や、優と美咲の前で「能」を披露する場面写真も公開。このシーンで着ている着物は中村の私物。
映像内で披露される能の演目は「羽衣」。天女が地上で水浴びをしていると衣を奪われてしまい、天に帰れなくなってしまうが、人間たちとの交流を経て、天上へと帰っていくという話で、「邯鄲」が優のストーリーであるならば、「羽衣」は美咲に託されたストーリーとなる。
美咲が語る「能はね、自分の内面と向き合うものだから。理解しようとしないで、自分なりに受け止めればいいの。その解釈に間違いはないから」という言葉を聞いた優。絶望とも希望ともとれる、絶妙な表情に“今までに観たことない横浜流星”の新境地が伺える。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
本作は、「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出すサスペンス・エンタテインメント。
公開されたのは、主人公の優(横浜)と、彼の幼なじみの美咲(黒木華)が、村で行われる「薪能」を観に、能楽堂を訪れるシーン。そこでは毎年、村に伝わる伝統的な「薪能」が行われ、子どもの頃の優と美咲にとっては親しみ深い場所だった。
村中から蔑(さげす)まれ、過去の汚名を背負って生きる今の優にとっては避けてきた場所でもあるが、美咲に誘われて久しぶりに「能」を鑑賞する。燃え盛る松明の美しい灯りとどこか荘厳な音色を奏でる囃子(はやし)が流れる中、能を舞うのは、代々村長を受け継ぎ、村の中で絶大な権力を誇る大橋家の次男・大橋光吉(中村)。彼は能の舞手として才能を発揮し、将来を有望視されてきたものの、ある事件をきっかけに村を出て刑事になっている。
映像では、優や美咲のほか、同じように「能」を鑑賞する美咲の弟・恵一(作間龍斗)や、村長として豪腕を振るう光吉の兄・大橋修作(古田新太)。さらに、彼らの母であり、村の象徴たる存在として君臨し続ける大橋ふみ(木野花)、修作の息子で権力を笠に悪行を繰り返す透(一ノ瀬ワタル)らが勢ぞろいしている。一癖も二癖もある曲者たちが、それぞれの思惑をはらんだ表情で「能」の演目を見つめる様は、張り詰めた緊張感と、これから何かが起こりそうな気配をひしひしと感じさせる濃厚な1シーンだ。
本作において「能」は物語の核をなす重要なメタファーであり、特に演目「邯鄲(かんたん)」は作品に大きな影響を与えている。劇中では「能」が重要なテーマでもあるため、能楽師の塩津圭介氏が演目選びから所作の指導、監修、出演まで全面的に協力。解禁されたシーンも、塩津氏の尽力によって、圭介氏の父である哲生氏をはじめ、シテ方から囃子方(伴奏担当)まで現役の能楽師の面々が出演。謡(うたい)、囃子、足拍子などが一体となったその迫力は圧巻で、録音技師の岡本立洋氏も思わず「思ったよりロックでびっくりした!」と驚いたという。
光吉として「能」に触れた中村は、「歌舞伎には能や狂言を取り入れた演目も多くて、『松羽目物』といって能を模した形式で上演させていただくのですが、歌舞伎の舞台における能がかった動きと能そのものの動きというのはまた違うんです」とその難しさを語っている。
今回、映像とともに、塩津氏に稽古(けいこ)をつけてもらっている中村のメイキング写真や、優と美咲の前で「能」を披露する場面写真も公開。このシーンで着ている着物は中村の私物。
映像内で披露される能の演目は「羽衣」。天女が地上で水浴びをしていると衣を奪われてしまい、天に帰れなくなってしまうが、人間たちとの交流を経て、天上へと帰っていくという話で、「邯鄲」が優のストーリーであるならば、「羽衣」は美咲に託されたストーリーとなる。
美咲が語る「能はね、自分の内面と向き合うものだから。理解しようとしないで、自分なりに受け止めればいいの。その解釈に間違いはないから」という言葉を聞いた優。絶望とも希望ともとれる、絶妙な表情に“今までに観たことない横浜流星”の新境地が伺える。
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2023/04/12