大阪・毎日放送（MBS）で長く活躍した柏木宏之アナウンサー（65）が、定年後のシニア契約（5年間）を満了し、2月末日をもって同局を退職、40年の局アナ生活に別れを告げた。今後は（新人）フリーアナウンサーとなり、セカンドキャリアに張り切る。

　柏木アナは1983年、同局にアナウンサー職で入社。西川のりおとの深夜ラジオ『MBSヤングタウン』をはじめ、テレビの『あまからアベニュー』『あどりぶランド』などで人気を集めた。落ち着いたニュース読みや、心地よい大阪弁のナレーションなど、高いアナウンス力で後輩の指導にも尽力してきた。

　2018年に60歳定年を迎え、同局と5年間のシニア契約を結び、その後も番組に出演。ニュースなどのほか、『せやねん！』の「めちゃ売れ」コーナーのナレーションを務めた。シニア契約を満了し、2月27日のニュースが最後の出演となった。

　同局アナウンサー公式インスタグラムでは「柏木アナウンサー　シニア契約が満了し、本日が最後の出勤日、最後のお昼のニュースでした」「MBS一筋40余年、放送センターが千里丘の時から毎日放送を支えてきました。お疲れ様でした」と報告。柏木アナを後輩アナたちが囲む写真が投稿され、ファンから多くのねぎらいのコメントが寄せられた。

■柏木宏之アナウンサー　ORICON NEWS独占コメント

――シニア契約満了にあたっての思い

40年のうちには大きな事件や事故もあり、さまざまな不幸や喜びに立ち会ってきました。そもそもこの5年間はエキストラタイムでしたが、責任重大な社員の立場を離れての5年間はアナウンススキルと放送クオリティに集中して後進の育成もできました。宝物は出会った多くの仲間や後輩、そして先輩たちですね。

――後輩アナウンサーへの思い、テレビ・ラジオへの思い

テレビの世界もラジオの世界も、この40年間に大きく様変わりをしました。テレビユニットが地上波独占の時代から数えきれないほどのメディアの共有物になり、ラジオからの若者離れ、そのうえ放送から通信の時代へと大きく変わりました。
しかし、もっとも身近な「放送系」はまだまだこれから優れたコンテンツをご家庭に届けていくでしょう。テレビは「制作者がぜひ見せたい画像と内容を！」。ラジオは「ぜひ聴かせたい音と内容を！」「見てくれそうなものや聴いてくれそうなもの」を作っていると放送は滅びると思いますね。また、後輩のアナウンサーたちには「これからは私のライバルとして仕事に邁進してくれ」と申して別れてきました。

――今後について。『せやねん！』などのレギュラーは？

最後までレギュラーナレーションをしていた『せやねん！』メチャ売れ（コーナー）は、私が推薦した優秀な女性アナにバトンタッチしています。
とりあえず3月25日にMBSラジオで放送する『カルチャースペシャル　ラジオウォーク』の制作責任を全うするべく現在鋭意作業中です。
今後のわたくしは文化財歴史学の学芸員資格に恥ずかしくないように、日本の歴史、特に国造りをしていた古代史の理解と解明を進め、世に普及したいと考えておりまして、現在は柏木流の物語を執筆中です。また、武庫川学院大学・短期大学の非常勤講師も続けております。
はれてフリーになったのですから、全国どこのメディアにも出演可能ですから、お呼びがあればどこにでも参ります（笑）