俳優の横浜流星、監督の藤井道人、5度目のタッグとなる映画『ヴィレッジ』（4月21日公開）より、“同じ面をつけた集団”が現れる謎多き予告映像と＜ムラ＞に生きる人々が勢ぞろいした新ビジュアルが公開された。

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　本作は、『余命10年』（2022年）などの藤井監督のオリジナル脚本、そして『新聞記者』（19年）、『ヤクザと家族 The Family』（21年）、『空白』（21年）などの話題作を世に送り出してきたスターサンズの河村光庸プロデューサーの遺作。

　解禁された映像では、夜の闇を照らす美しい松明の炎、幻想的で荘厳な「薪能」の風景、全てを覆い隠すかのような深い霧と、それらを切り裂くような強烈なせりふと役者たちのすさまじい表情を見ることができる。

　閉ざされた＜ムラ＞という世界に囚われ、どん底でもがき苦しみながら必死に生きてきた一人の青年・優（横浜）の、暗く虚ろな瞳と心からの叫び。暴力と権力を傘に好き放題し「犯罪者の息子よ！」と優を蔑（さげす）みあおる村長の息子・透（一ノ瀬ワタル）。「この村早く出てぇだろ？」とすごむ＜ムラ＞を影で牛耳るヤクザの丸岡（杉本哲太）。さらに、借金を抱えながらもパチンコにのめり込む険しい目つきの優の母・君枝（西田尚美）や、炎に包まれる家の中、血まみれで涙を流す一人の男性の衝撃的な姿もある。

　一方で、東京から戻って来た幼なじみの美咲（黒木華）の「ずっと一人で戦ってたんでしょ？」という言葉に、思わず涙があふれる優とのエモーショナルなシーンも印象的だ。この言葉をきっかけに、別人のように生き生きと輝く優の姿も描かれており、美咲に心を救われ、唯一の希望を守っていく決意を表すかのような笑顔をみせる優だったが…。

　ゴミ処理施設で働く龍太（奥平大兼）の「この村やばすぎでしょ…」という言葉とともに次々と暴かれていく＜ムラ＞の闇。「積み上げてきたものが全部なくなるんだよ、わかるな？」そうつぶやく村長・修作（古田新太）の言葉の先に映し出された優の表情には、振り払えない闇がまとわりついているかのようにも感じ取れる。

　彼を待ち受ける運命、村の光と闇とは何なのか？　炎に包まれ、一筋の涙を流す男はだれか？　村に隠された「やばすぎ」な秘密とは？　同じ面をつけた集団は一体何を意味しているのか？　加えて美咲の弟・恵一（作間龍斗）の思いつめた様子、刑事・光吉（中村獅童）が捕らえるのは？　暴れる透に、必死にすがる美咲に一体何が起きたのか？　多くの謎を提示する予告編となっている。

　新たなビジュアルには、優と美咲を中心に、代々、霞門村の村長として絶大な権力を誇示してきた大橋一族、優の母・君枝、借金返済のため、優と共にゴミ処理施設で働く龍太、内気な性格だが優には心を開いていく美咲の弟・恵一らが集結。彼らが集うのは、“霧”と共に本作の重要なテーマとなっている“能”を演じる舞台だ。

　本編の撮影中にロケ地の兵庫県加古川市にある平之荘神社の野外能楽堂で撮影。本編の撮影終了後の深夜にキャストを集結させて撮影された。藤井監督は「物語の核になる『邯鄲（かんたん）』という能の演目が決まってから、脚本の輪郭も固まっていきました」と明かしており、劇中で描かれる“能”は、物語の根幹を成すメタファーとなっているとのことだ。

　あす23日より、「カレンダー付きVillageフォトカード」が特典に付いたムビチケカードが発売（税込み1500円）。撮影を務めたフォトグラファー出身の川上智之による撮り下ろしキャラクター写真とカレンダーが表裏一体となっている。

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