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岸井ゆきのの役にかける本気さが伝わってくる『ケイコ 目を澄ませて』トレーニング映像
 今年2月の「第72回ベルリン国際映画祭」でプレミア上映(エンカウンターズ部門)された三宅唱監督の最新作『ケイコ 目を澄ませて』(12月16日公開)より、主演の岸井ゆきのが初のボクサー役に向け、猛特訓を重ねたトレーニング映像が解禁となった。

岸井ゆきの主演、映画『ケイコ 目を澄ませて』(12月16日公開)メイキング写真(C)2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINEMAS

岸井ゆきの主演、映画『ケイコ 目を澄ませて』(12月16日公開)メイキング写真(C)2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINEMAS

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 同作は、聴覚障害と向き合いながら実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルに、彼女の生き方に着想を得て、『きみの鳥はうたえる』の三宅監督が新たに生み出した物語。

 ゴングの音もセコンドの指示もレフリーの声も聞こえない中、じっと<目を澄ませて>闘うケイコの姿を、秀でた才能を持つ主人公としてではなく、不安や迷い、喜びや情熱などさまざまな感情の間で揺れ動きながらも一歩ずつ確実に歩みを進める等身大の一人の女性として描き、彼女の心のざわめきを16mmフィルムに焼き付けた。

 主人公・ケイコを演じた岸井は、キックボクシングの経験はあったものの、今回ボクシングにはじめて挑戦するにあたり、まずはアトム級(女子の最軽量の階級)に体重が届かなかったため筋肉をつけながら増量することからスタート。当初はたとえボクシングであっても人を殴るということに対して、なかなか前向きになれなかったという岸井。しかし、日々練習を重ねていくうちに「これは自分自身との戦いなんだと気付き、意識が変わった」と語る。そこからは「とにかく強くなりたい」という一心で、ひたすら猛特訓を重ねた。

 クランクインまでの3ヶ月間、みっちりボクシング指導を行ったのは、劇中でもトレーナー役として登場する松浦慎一郎。さらに、三宅唱督も岸井と一緒にトレーニングに挑み、撮影前からチーム一丸となり、文字通り体当たりで“ケイコ”を作り上げ信頼関係を築いていった。タッチマスという本気で戦うのではない試合形式の練習時には、監督が体格差を気にしてガードに徹していると、岸井から「なんでパンチを打ってこないんですか? もっと本気でぶつかってきてください」とまっすぐに指摘を受けたという。

 今回解禁となった映像は、監督と岸井のタッチマスの様子、また松浦とのスピード感あふれるミット打ちの様子をおさめたトレーニング映像。岸井の真剣なまなざしに、役にかける本気さが伝わってくる。

 さらに、リングサイドで撮影にあたって初めて台本を読んだときの感想を語るコメント映像もあわせて解禁に。はじめてのボクシング、はじめての手話の挑戦に不安もあったようだが、撮影前から監督がともに練習に取り組んでくれたことで言葉を交す以上に同じ思いを共有することができたと言い、二人の間で多くを語らなくとも理解できる関係性が築けたという。最終的には「とにかく信じてください!」という前向きな気持ちになれたと撮影を振り返っている。

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