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岡本玲主演、高齢者売春クラブを舞台に描く群像劇 『茶飲友達』公開決定
 2013年10月、高齢者売春クラブが警視庁に摘発された。クラブの会員数男性1000人、女性350人、最高齢は88歳。超高齢化社会の日本が抱える、老人の孤独死、介護問題、おひとりさま問題などの不安が反映された同事件をもとにした社会派群像劇『茶飲友達』が、2023年2月に渋谷ユーロスペースほか全国順次公開される。主演は、俳優の岡本玲が務める。

高齢者売春クラブを舞台に描く、実際にあった事件を基にした社会派フィクション『茶飲友達』2023年2月より公開決定 (C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ 

高齢者売春クラブを舞台に描く、実際にあった事件を基にした社会派フィクション『茶飲友達』2023年2月より公開決定 (C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ 

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 監督は、長編デビュー作『燦燦-さんさん-』がモントリオール世界映画祭(14年)に正式招待され、21年には若い男女の切ない逃避行を描いた『ソワレ』が公開された外山文治。“擬似家族”と化した高齢者専用売春クラブの姿を通して、現代社会に横たわる閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」を人情味たっぷりに描き出す。

 主人公は、高齢者専門のコールガール「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設立する29歳の佐々木マナ。新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、集まってきた男性の元へ高齢女性を派遣するビジネスを始める。

 「ティー・フレンド」に在籍する通称“ティー・ガール”たちの中には、介護生活に疲れた女性、ギャンブルに依存した女性などさまざまな事情を抱える者がいた。 一方、マナのもとで「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、出口の見えない社会の中で閉塞感を抱えて生きている。 そんなままならぬ若者や高齢者を束ねるマナは、彼らを「ファミリー」と呼び、擬似家族のような絆を育んでいくのだが……。

 同作は、ENBUゼミナール「シネマプロジェクト」の10作目となる作品。同プロジェクトからは、社会現象にもなった上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』をはじめ、今泉力哉監督作『退屈な日々にさようならを』、二ノ宮隆太郎監督作『お嬢ちゃん』など、ワークショップからキャスティングされた魅力的な俳優たちと共に、商業映画とは一線を画す刺激的な映画を生み出してきた。

 『茶飲友達』のワークショップには応募総数677人の中から選ばれた33人のキャストが参加(その年齢差57歳)。撮影前に行われたクラウドファンディングでは、制作応援サポーター767人、目標額をはるかに超える800万円超が集まるなど、すでにインディーズ映画ファンの間では注目を集めている。

 主演の岡本は「ワークショップオーディションから始まりコロナ禍での撮影中止を乗り越え、大切に育ててきた『茶飲友達』がついに完成しました。万人が納得する正しさを求められる社会で、傷つきながら器用に生きる現代人。目を逸らして投げ捨てられてきた痛みを拾いあげた映画です。時にぶつかり合いながら、スタッフキャスト、そしてクラウドファンディングに参加してくださった皆様と、みんなで愛を注いだ作品です。多くの方の目に留まることを切に願います」と、コメント。

 外山監督は「いつか高齢者が『おじいさん・おばあさん』の役割を脱ぎ捨てた映画を作りたいと願っていました。私がシニアの光と影や若者の閉塞感を撮り続けてきた中で、もっとも快活で愛おしい映画です。老いも若きも、誰だってひとりは寂しい。それなのに社会が、法律が、同調圧力が、人々をより孤独に向かわせて生きづらい世の中にしていると私は思います。今こそ『茶飲友達』をお届けしたいです」と、意気込みを語っている。

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