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東映、日本最大のLEDスタジオ新設 「バーチャルプロダクション」

 映画配給会社の東映は1日付で、東京・練馬にある東京撮影所に新しくバーチャルプロダクション部を発足。No.11ステージを横30メートル×縦5メートルのLED ウォールを設置した、現時点で日本最大のLEDスタジオとしてリニューアルし、来年1月から運用を開始する予定だ。映画配給会社が自前でLEDスタジオを保有・運用するのは国内初となる。

LEDパネルに映像を映し出して撮影するバーチャルプロダクション(テスト撮影時の様子)

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 同社では、今後5年間で約20億円を投資し、制作する映像作品の制作工程で、この LEDスタジオを利用。新しい映像制作技術である「バーチャルプロダクション」を含む映像全般のテクニカルフォローができる日本随一のテクニカルチームの育成、背景用のデジタルアセットの制作ノウハウやデジタルアセットの蓄積、同社の制作する映像コンテンツの高品質化などを図っていく。

 バーチャルプロダクションとは、仮想空間の背景と実物の被写体(俳優や小道具)を同時に撮影し、合成する撮影手法。多くは背景にLEDパネルを設置したもので、背景のLEDパネルに映像やCGIを表示させる。

 アメリカ、インド、韓国などでは多くのLEDステージが新しく設立され、制作作品数も増えている(ルーカスフィルムのオリジナルドラマシリーズ『マンダロリアン』や映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022年)など)。日本国内では、CMやMVなどで利用されているものの、映画やドラマに使用される例はまだ少ない状況だ。

仕上がりイメージ

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 従来のグリーンバックを使用したクロマキー合成では、なポストプロダクション工程(撮影後の工程)で多大な加工処理を要したが、LEDウォールを使用したバーチャルプロダクション撮影は、合成工程が不要であり、ポストプロ ダクション工程の大幅な圧縮が可能になる。

 ロケ地や移動時間、天候に左右されないため、移動等にかかる経費を削減 でき、俳優や監督等スタッフのスケジュールも確保しやすくなる。LEDウォールが照明の代わりを果たすため、環境光を自然に作ることが可能となり、照明セッティングの時間が短縮できる。

 LEDウォールに映像が映し出されるため、俳優が演技に没入しやすい、より良い芝居環境を提供できる。LEDウォールに映す背景用に制作したデジタルアセットは、次回以降の撮影において活用することができ、スタジオに現物セットを建込み、撤去する時間が不要なため、スタジオの稼働率を向上させることができるだけなく、廃材等も発生せずESG経営につながる、といった多くのメリットが期待されている。

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