お気に入りの映画の話から、気になるあの人の心の中を少しだけのぞき見る【かけがえのない1本】シリーズ。今回は、映画『異動辞令は音楽隊!』(8月26日公開)に主人公・成瀬司(阿部寛)の一人娘・法子役で出演する見上愛が登場。「かけがえのない1本」に選んだのは、寺山修司監督の『田園に死す』(1974年)だった。 映画『田園に死す』は、詩人・寺山修司が自らの同名歌集を映画化した自伝的作品。青森県下北半島、少年は母の過剰な愛から逃れようと、イタコに亡き父の口寄せをしてもらったり、隣に住む嫁と駆け落ちしようとしたりする。そして、少年が大人になった現在、映画監督をしており、過去を美化するか否かで悩む…。 「中学2年生ぐらいの時にケラリーノ・サンドロヴィッチさん作・演出の『百年の秘密』という舞台を見て、それ以降ケラさんの作品は全部観に行っているくらい好きになって、将来は演劇に携わる仕事に就きたい、と思うようになりました。高校で寺山修司や別役実ばかりを演じるような少しトガった演劇部に所属して、脚本を書いたり演出をしたりしていた」という見上。
2022/09/04