小学生でお笑いトリオ・ロバートのファンになり、「いつでも読み返して笑いたい」という理由でライブ中にメモをとるようになった篠田直哉氏。ロバートから“メモ少年”とあだ名をつけられた彼は、「ロバートとものづくりをしたい」という夢を抱いてテレビ局に入社した。昨年10月にはYouTubeチャンネル『テレビ局の生活』で公開した動画「【ロバート秋山】元ストーカーがテレビ局員に。職権濫用で番組に呼ばれる」が550万回再生を超え話題となった。現在はそのロバート愛を生かした番組制作にも携わっている。そんな夢を叶えた篠田氏と、それを見てきたロバート・秋山に軌跡を聞く。
■自身の企画したコンテンツがYouTubeで550万回を超える再生数
――篠田さんはロバートの熱狂的なファンということですが、秋山さんの横に座って取材を受けているこの状況をどのように受け止めていますか?
【篠田直哉(以下篠田)】 正直、なんで秋山さんの隣で取材を受けているのかまだよくわかってない状態です(笑)。
【ロバート秋山(以下秋山)】 今回、メモ少年が『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。〜メモ少年〜』を出版するというから来たんだけど、当たり前のようにメモ少年の横にいるこの状況、まったく意味がわからない(笑)。ファンじゃなかったの?
【篠田】 本当にそうですよね(笑)。でもめちゃくちゃ光栄です!
――昨年10月末にメ〜テレのYouTubeに投稿された動画『【ロバート秋山】元ストーカーがテレビ局員に。職権濫用で番組に呼ばれる』が、550万回を超える再生数となりましたが、ご自身のコンテンツがバズったお気持ちは?
【篠田】 純粋に「こんなに多くの人に見ていただけたんだ!」と驚きました。僕としてはロバートさんが好きで一緒にお仕事がしたくてテレビ局の局員になったという事実を話しただけなので(笑)。
【秋山】 コメント欄見た? 「ヤバいこいつ」みたいなのがいっぱいきてたよ。
【篠田】 相手がロバートさんだったから許されましたけど、相手が異性だったら絶対に出禁になりますよね(笑)。
【秋山】 しかも着実に近づいて来るしさ。俺が警察に言わなかっただけだからな(笑)。でもさ、動画が半年で550万回再生超えるって凄いことだよ。
【篠田】 ありがたいです。先日もお仕事ご一緒したタレントさんに「篠田さんってロバートのめっちゃファンの方ですよね?」って言われたりしました(笑)。
■学生時代のエンタメは“ロバート漬け”「コントが小学生にもわかりやすかった」
――たくさんいる芸人さんの中で“ロバート”が篠田さんにとって特別に思えたのはなぜでしょうか。
【篠田】 小学生の頃、1日1時間しかテレビを観せてもらえなかったのですが、たまたまロバートさんのDVDをレンタルで観てハマって、そこから毎日1時間ロバートさんしか見ない生活を送るようになったんです。
【秋山】 30分ロバートで30分別のものを見てもいいわけじゃん。なんでそうしなかったの? 素晴らしいエンタメがたくさんあるのに!
【篠田】 最初にロバートさんにハマった『トゥトゥトゥサークル』を1時間ループして見たかったからです。そのうち1日1時間じゃ足りなくなって、テレビはダメだけど音だけならOKだと気づいて、コントの音源をテレビから録音して聴いていました。
【秋山】 『トゥトゥトゥサークル』が君の人生を変えてしまったんだね。
【篠田】 ロバートさんって“このコントではこのボケをやりたい”というのが決まっているので、それが小学生だった僕にとってわかりやすかったんですよね。
――ロバートのお三方に認知された瞬間はいかがでしたか?
【篠田】 うれしかったですね。僕にとってのアイドルはロバートさんなので(笑)。僕の存在は怖かったですか?
【秋山】 会場でメモ取ってる小学生がいたら目立つしそりゃ怖いよ(笑)。小学生のファンもいるんだけど、進学したり、恋人ができたり…みたいな節目で飽きる人が多いんですよ。でも彼はまったくその感じがなくて、大学生になっても『ロバートの論文書きました!』とか言ってくるしさ。
――ちなみに篠田さんはロバートに憧れて芸人を目指すことはなかったのでしょうか?
【篠田】 “メモ少年”とあだ名を付けてもらったときに、『メモ取ってどうしたいの? 芸人目指してるの?』と聞かれて、『芸人というよりもロバートのメンバーになりたいです』と伝えたんです。
【秋山】 言ってたね(笑)。そのときどう答えたっけ?
【篠田】 ステージ上での会話だったので、『ボケとツッコミとメモって新しいね』と言ってくれました。
【秋山】 ステージ中でよかった。出待ちのときに『ロバートに入りたい』って言われたら怖くて小便もらしてたかも(笑)。
【篠田】 で、『ロバートのマネージャーになってメモすればいいじゃん』と言って頂いたので、メンバーよりもマネージャーなら頑張ったらなれる可能性があるなと思って、そこから吉本興業に入社するために大学受験を決めて、真剣に目指すようになりました。
【秋山】 まさかあの言葉をマジで受け止めると思ってなかったですけどね(笑)。でも、何年も熱い思いを持ち続けてるっていうのは凄いなと思います。
――篠田さんはとても純粋な方ですよね。
【秋山】 そうなんですよ。だからこそ俺ら3人ともメモ少年に対してだんだん親心のような気持ちが芽生えてきて、『あいつ、そろそろ就職のこと考え始める年なんじゃないか』みたいな心配をすることもありましたね。『吉本に入ったからと言って俺らと仕事できるとは限らないよ』と伝えたり。
【篠田】 現実的なアドバイスをしてくださったのでありがたかったです。
――大学生の頃に話を戻しますと、篠田さんは学園祭の実行委員になって、ロバートを呼ぶことに成功します。
【篠田】 ロバートさんが優しかったから僕の希望が叶っていると思うんです。僕の思いだけではここまでやってこれなかったです。
【秋山】 実行委員として正式に俺らを呼んでくれたときに、メモ少年がここまでしてくれたんだから協力したいなと思いました。彼はロバートのネタが全部完璧に頭に入ってるから、俺らの代わりにリハもやってくれたんですよ(笑)。
【篠田】 そうですね、お手間取らせたくないと思って(笑)。そして学園祭を経験したことで“ロバートと一緒にものづくりをしてみたい”という気持ちが大きくなって、マネージャーではない道を模索するようになりました。
■「大人になったいまもメモを取っている」次の夢はロバートの楽曲の演出
――そして見事、名古屋テレビ局『メ〜テレ』への入社を果たします。2020年の10月にYouTubeチャンネル『テレビ局の生活』で秋山さんが演じている伝説のテレビプロデューサー唐沢佐吉が登場する『唐沢佐吉のメ〜テレ大爆発TV!!』を企画して一日限りの限定配信を実現させました。夢が叶った形になりましたが、今後の夢は?
【篠田】 ロバートさんのネタには、名曲がたくさんあるんです。僕はいま、メ〜テレで『BomberE』という音楽番組のディレクターを担当しているので、カット割りとかもしっかりと考えた上でロバートさんの楽曲をカッコ良く演出してみたいです。
【秋山】 もしかしたら俺のことミュージシャンと思ってる? ネタ中の曲だもん、番組にならないよ。
【篠田】 『ひろしソング』とかあるじゃないですか。
【秋山】 …俺ですら忘れてるような曲を出してきそうだな(笑)。
――秋山さんは篠田さんと一緒に作ってみたい番組はありますか?
【秋山】 ずっと俺らを追いかけてくれたメモ少年の企画だったら、彼のやりたいことに乗っかりたいですね。
【篠田】 劇場で見ると細かい表情が見えなかったりするので、表情だけを1分間映す番組とかどうですか? BGMに乗せて顔のパーツを映したり。曲に合わせて顔をカット割りするとか。
【秋山】 顔をカット割りするってなんだよ(笑)。
【篠田】 これを読んだ人に“センスのないディレクター”だと思われたら嫌ですね(笑)。
【秋山】 でもおもしろそうだよ。よくわからないけど、楽しみになってきた。
――秋山さんは6月10日に新刊「クリエイターズ・ファイルVol.04」を出版されました。この中で篠田さんの好きなクリエイターを教えていただけますか。
【篠田】 『元祖クイズキング 鶴岡政栄』が好きです。
【秋山】 もう決まってるの? 渋いのが好きだね。再生数も伸びないやつ。俺も実はそうなの。「ガガーリン!」って言うやつね。
【篠田】 昔のクイズ番組っぽいちょっとチープな感じも含めておもしろいんですよね。
――ちなみに篠田さんはいまもメモ取るのを続けているのでしょうか?
【篠田】 今も取っています。“業界に入ってからメモ取るの辞めたんだ”と思われたくなくて(笑)。
【秋山】 周りをめちゃくちゃ気にしてるじゃん(笑)。
――最後に秋山さんから篠田さんにメッセージをお願いできますか。
【秋山】 この本が売れるように、台車に乗せて自分で売り歩くのはどう? 『ほ〜ん』って。『とうふ〜』みたいなテンションでさ(笑)『ロバート〜元ストーカーのほん〜』とか。
【篠田】 練習してから実践するので是非みなさん買ってください(笑)。
取材・文/奥村百恵
写真/MitsuruYamazaki
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
■自身の企画したコンテンツがYouTubeで550万回を超える再生数
――篠田さんはロバートの熱狂的なファンということですが、秋山さんの横に座って取材を受けているこの状況をどのように受け止めていますか?
【篠田直哉(以下篠田)】 正直、なんで秋山さんの隣で取材を受けているのかまだよくわかってない状態です(笑)。
【ロバート秋山(以下秋山)】 今回、メモ少年が『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。〜メモ少年〜』を出版するというから来たんだけど、当たり前のようにメモ少年の横にいるこの状況、まったく意味がわからない(笑)。ファンじゃなかったの?
【篠田】 本当にそうですよね(笑)。でもめちゃくちゃ光栄です!
――昨年10月末にメ〜テレのYouTubeに投稿された動画『【ロバート秋山】元ストーカーがテレビ局員に。職権濫用で番組に呼ばれる』が、550万回を超える再生数となりましたが、ご自身のコンテンツがバズったお気持ちは?
【篠田】 純粋に「こんなに多くの人に見ていただけたんだ!」と驚きました。僕としてはロバートさんが好きで一緒にお仕事がしたくてテレビ局の局員になったという事実を話しただけなので(笑)。
【秋山】 コメント欄見た? 「ヤバいこいつ」みたいなのがいっぱいきてたよ。
【篠田】 相手がロバートさんだったから許されましたけど、相手が異性だったら絶対に出禁になりますよね(笑)。
【秋山】 しかも着実に近づいて来るしさ。俺が警察に言わなかっただけだからな(笑)。でもさ、動画が半年で550万回再生超えるって凄いことだよ。
【篠田】 ありがたいです。先日もお仕事ご一緒したタレントさんに「篠田さんってロバートのめっちゃファンの方ですよね?」って言われたりしました(笑)。
■学生時代のエンタメは“ロバート漬け”「コントが小学生にもわかりやすかった」
――たくさんいる芸人さんの中で“ロバート”が篠田さんにとって特別に思えたのはなぜでしょうか。
【篠田】 小学生の頃、1日1時間しかテレビを観せてもらえなかったのですが、たまたまロバートさんのDVDをレンタルで観てハマって、そこから毎日1時間ロバートさんしか見ない生活を送るようになったんです。
【秋山】 30分ロバートで30分別のものを見てもいいわけじゃん。なんでそうしなかったの? 素晴らしいエンタメがたくさんあるのに!
【篠田】 最初にロバートさんにハマった『トゥトゥトゥサークル』を1時間ループして見たかったからです。そのうち1日1時間じゃ足りなくなって、テレビはダメだけど音だけならOKだと気づいて、コントの音源をテレビから録音して聴いていました。
【秋山】 『トゥトゥトゥサークル』が君の人生を変えてしまったんだね。
【篠田】 ロバートさんって“このコントではこのボケをやりたい”というのが決まっているので、それが小学生だった僕にとってわかりやすかったんですよね。
――ロバートのお三方に認知された瞬間はいかがでしたか?
【篠田】 うれしかったですね。僕にとってのアイドルはロバートさんなので(笑)。僕の存在は怖かったですか?
【秋山】 会場でメモ取ってる小学生がいたら目立つしそりゃ怖いよ(笑)。小学生のファンもいるんだけど、進学したり、恋人ができたり…みたいな節目で飽きる人が多いんですよ。でも彼はまったくその感じがなくて、大学生になっても『ロバートの論文書きました!』とか言ってくるしさ。
――ちなみに篠田さんはロバートに憧れて芸人を目指すことはなかったのでしょうか?
【篠田】 “メモ少年”とあだ名を付けてもらったときに、『メモ取ってどうしたいの? 芸人目指してるの?』と聞かれて、『芸人というよりもロバートのメンバーになりたいです』と伝えたんです。
【秋山】 言ってたね(笑)。そのときどう答えたっけ?
【篠田】 ステージ上での会話だったので、『ボケとツッコミとメモって新しいね』と言ってくれました。
【秋山】 ステージ中でよかった。出待ちのときに『ロバートに入りたい』って言われたら怖くて小便もらしてたかも(笑)。
【篠田】 で、『ロバートのマネージャーになってメモすればいいじゃん』と言って頂いたので、メンバーよりもマネージャーなら頑張ったらなれる可能性があるなと思って、そこから吉本興業に入社するために大学受験を決めて、真剣に目指すようになりました。
【秋山】 まさかあの言葉をマジで受け止めると思ってなかったですけどね(笑)。でも、何年も熱い思いを持ち続けてるっていうのは凄いなと思います。
――篠田さんはとても純粋な方ですよね。
【秋山】 そうなんですよ。だからこそ俺ら3人ともメモ少年に対してだんだん親心のような気持ちが芽生えてきて、『あいつ、そろそろ就職のこと考え始める年なんじゃないか』みたいな心配をすることもありましたね。『吉本に入ったからと言って俺らと仕事できるとは限らないよ』と伝えたり。
【篠田】 現実的なアドバイスをしてくださったのでありがたかったです。
――大学生の頃に話を戻しますと、篠田さんは学園祭の実行委員になって、ロバートを呼ぶことに成功します。
【篠田】 ロバートさんが優しかったから僕の希望が叶っていると思うんです。僕の思いだけではここまでやってこれなかったです。
【秋山】 実行委員として正式に俺らを呼んでくれたときに、メモ少年がここまでしてくれたんだから協力したいなと思いました。彼はロバートのネタが全部完璧に頭に入ってるから、俺らの代わりにリハもやってくれたんですよ(笑)。
【篠田】 そうですね、お手間取らせたくないと思って(笑)。そして学園祭を経験したことで“ロバートと一緒にものづくりをしてみたい”という気持ちが大きくなって、マネージャーではない道を模索するようになりました。
■「大人になったいまもメモを取っている」次の夢はロバートの楽曲の演出
――そして見事、名古屋テレビ局『メ〜テレ』への入社を果たします。2020年の10月にYouTubeチャンネル『テレビ局の生活』で秋山さんが演じている伝説のテレビプロデューサー唐沢佐吉が登場する『唐沢佐吉のメ〜テレ大爆発TV!!』を企画して一日限りの限定配信を実現させました。夢が叶った形になりましたが、今後の夢は?
【篠田】 ロバートさんのネタには、名曲がたくさんあるんです。僕はいま、メ〜テレで『BomberE』という音楽番組のディレクターを担当しているので、カット割りとかもしっかりと考えた上でロバートさんの楽曲をカッコ良く演出してみたいです。
【秋山】 もしかしたら俺のことミュージシャンと思ってる? ネタ中の曲だもん、番組にならないよ。
【篠田】 『ひろしソング』とかあるじゃないですか。
【秋山】 …俺ですら忘れてるような曲を出してきそうだな(笑)。
――秋山さんは篠田さんと一緒に作ってみたい番組はありますか?
【秋山】 ずっと俺らを追いかけてくれたメモ少年の企画だったら、彼のやりたいことに乗っかりたいですね。
【篠田】 劇場で見ると細かい表情が見えなかったりするので、表情だけを1分間映す番組とかどうですか? BGMに乗せて顔のパーツを映したり。曲に合わせて顔をカット割りするとか。
【秋山】 顔をカット割りするってなんだよ(笑)。
【篠田】 これを読んだ人に“センスのないディレクター”だと思われたら嫌ですね(笑)。
【秋山】 でもおもしろそうだよ。よくわからないけど、楽しみになってきた。
――秋山さんは6月10日に新刊「クリエイターズ・ファイルVol.04」を出版されました。この中で篠田さんの好きなクリエイターを教えていただけますか。
【篠田】 『元祖クイズキング 鶴岡政栄』が好きです。
【秋山】 もう決まってるの? 渋いのが好きだね。再生数も伸びないやつ。俺も実はそうなの。「ガガーリン!」って言うやつね。
【篠田】 昔のクイズ番組っぽいちょっとチープな感じも含めておもしろいんですよね。
――ちなみに篠田さんはいまもメモ取るのを続けているのでしょうか?
【篠田】 今も取っています。“業界に入ってからメモ取るの辞めたんだ”と思われたくなくて(笑)。
【秋山】 周りをめちゃくちゃ気にしてるじゃん(笑)。
――最後に秋山さんから篠田さんにメッセージをお願いできますか。
【秋山】 この本が売れるように、台車に乗せて自分で売り歩くのはどう? 『ほ〜ん』って。『とうふ〜』みたいなテンションでさ(笑)『ロバート〜元ストーカーのほん〜』とか。
【篠田】 練習してから実践するので是非みなさん買ってください(笑)。
取材・文/奥村百恵
写真/MitsuruYamazaki
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
2022/06/27