「ミスター平成仮面ライダー」と呼ばれ、さまざまなヒーロー番組でスーツアクターとして、20を超える主役を務めてきた高岩成二(53)が顔出し初主演を務め、数多くの作品で高岩とタッグを組んできた坂本浩一監督がメガホンを取る『グッドモーニング、眠れる獅子』。ORICON NEWSでは、高岩にインタビューを実施。顔出し初出演への思い、うっかり出てきてしまう『仮面ライダー電王』のモモタロスなど撮影秘話を明かしてくれた。
■まさかのオファーに驚き 『ディケイド』井上正大は「返り討ちに(笑)」
50歳を過ぎて入社してきた、新人の芸能マネージャー・九條和真(高岩)。やる気と情熱は人一倍だが、担当する強気で勝気な売れないアイドル・綿貫玲実(渡邉美穂)には煙たがられ、邪険にされている。ある日、いつものように「アイドルではなく女優の仕事がしたい」と九條に八つ当たりする玲実の元に、なぜかヒット作連発の大物、田崎山監督の手がける大型配信ドラマ主演オーディションの話が舞い込む。かねてからの夢をかなえるチャンスに奮起する玲実だったが、そんな中、ファンの度を越えて彼女を執拗(しつよう)に追いかけるストーカーが起こしたとみられる爆破事件が起き…。
――オファーを振り返って
以前、取材先で塚田(英明)プロデューサーと一緒で、取材を終えた後に塚田さんから「実は高岩さんを主演で、こういう作品を考えております」と。「またまた、ご冗談を」と話半分で聞いていて、その場は終わったんですけれど、後日、ご連絡をいただいて「作ります」と言われ「本気なんだ!」と(笑)。まさか50歳を過ぎて、わざわざ僕を主演に作っていただけると思っていませんでした。もともと、こういうことをしたくて、この世界に入ったので「僭越ですが頑張らさせていただきます」とお返事をさせていただきました。
――監督は坂本浩一監督です
監督もそうですし、制作チームの名前、過去の仮面ライダー作品主演の俳優たちが出てくれると聞いた時はうれしかったです。
――作品に花を添えるべく、椿隆之(『仮面ライダー剣』剣崎一真役)、井上正大(『仮面ライダーディケイド』門矢士役)、西銘駿(『仮面ライダーゴースト』天空寺タケル役)、佐野岳(『仮面ライダー鎧武』葛葉紘汰役)の4人が出演します。過去の仮面ライダー主演俳優の参加はいつ聞きましたか?
割りと早い段階です。クランクインする3ヶ月前ぐらいに決まったと聞きました。本当にうれしかったですね。
――井上さん出演決定のコメントで「高岩さんをボコボコにできたらなと(笑)」と話していましたが…
彼らしいですね(笑)。返り討ちにしてやると思いました(笑)。彼も『ディケイド』のころは、ほぼ初めてのアクションでした。『ディケイド』を終えてから彼自身がテコンドーを始めたみたいで。今回のアクションは、ほぼほぼ吹き替えなしで彼とガチンコのアクションをしました。この4人に関しては『仮面ライダージオウ』にゲストで来ていたので。懐かしいと言えば、懐かしかったですね。
――長時間、撮影をともにして成長を感じたことはありますか
4人とも『仮面ライダー』から巣立って、各メディアで頑張っている。俳優という顔つきがしっかりしたなというのは第一印象でありましたね。
――スーツを着ないで激しいアクションも見どころの1つ
過去に何回か顔出しで特撮をやらせてもらいましたが、ここまでガッツリ坂本監督テイストのアクションを素のままでというのは特撮ファンの方も見たことがないと思うので、見どころですね。
――坂本監督からのアクションのムチャぶりはありましたか?
アクションに関しては大きなムチャぶりはなかったです。ただ、全体的なムチャぶりはオタ芸ですよね…。アクションも頑張りましたが、オタ芸もかなり頑張りました(笑)。
――オタ芸は初めてですか?
初めてです(笑)。振付師の方をつけて、レッスンも受けて…。心細いので現場にも来てもらいました。
――オタ芸に採点をつけるとすれば
チェックを見てないんです。今回、撮影期間中、ほとんど見てないんです。見てしまうと「もう1回お願いします」と言いかねない。そうすると撮影が進まないので、監督がOKと言うのを信じていました。でないと家に帰る度にヘコみそうなので。
――渡邉美穂さんの反応は?
ステージ上で彼女が歌って踊っていたのですが、めっちゃ笑ってましたね(笑)。笑う要素は、どこにもないのですが目を合わせてくれなかったです(笑)。その印象です…。
■うっかり出てくる『電王』モモタロス 生身での変身「いつか言ってみたい」
――顔出し初主演という作品の撮影で苦労した点はありますか?
苦労よりは緊張ですね。当然、スーツを着ているころもマスクの中でせりふを感情を込めてしゃべっているんですけれど、それを外して裸状態で主演としてやるのは、ほぼほぼ初めて。緊張感が大きかったです。まして、周りのスタッフさんが半分以上、見知っている方。「見ないで…」みたいな。照明さんにしても、カメラマンさんにしても見ないわけにはいかないんですけれどね(笑)。気恥ずかしさが毎日…。アクションだったらいいのですが、渡邉美穂さんとのお芝居になると恥ずかしくて。それこそ井上とか佐野とかとのお芝居は照れくささが出て、そこを乗り越えるのが大変でしたね。
――スーツを着ている状態と、着ていない状態の演技の違いは、どういった感覚なのでしょうか
極力つけている状態で過剰表現をしないように僕の中ではしていました。でも、どこかデフォルメして過剰表現しないと伝わらない場合もあって。今回、外した状態でも身に染み付いていて、やたらと肩が動いてしまったり。動きがヒーローなんです。カットかかった時の僕のスタイルが足をガッと開いて、手を前で構えてる。そのままフォームチェンジしそう(笑)。それが毎回ありました。
――染み込んじゃっているんですね(笑)
染み込んじゃってますね。でも、そこも見どころかも(笑)。どこかで、ある仮面ライダーが出てきたり(笑)。
――改めてお伺いしますが高岩さんにとって特撮作品とは
特撮は、特別撮影。非現実的な世界。人が飛んだり、変身したり、怪人が出てきたり。ファンタジーの部分。その中に僕も長いこといました。今回は人間ドラマが多くあります。まして主演で携わるのは初めて。特撮のクセが出そうで…。お遊びする部分があると、そこに、どうしてもモモタロスが出てくるんですよね…。現場でも「モモが出てくる…。モモが出てくる…」って言って、スタッフさんから「出しちゃダメです」と。止められながらやっていました。遊びたくなるんですよね。渡邉さんとくだけたシーンになると、台本にないことを必要以上にやりたくなる。テストの段階で入れると坂本監督から「それいらないです」と言われて(笑)。昔から知ってる衣装さんからも「出しちゃダメ。こらえて」と。出したいんですけど(笑)。葛藤がありました。
――モモタロスらしいですね(笑)。また、役へのアプローチで意識したことはありますか?
50歳を過ぎたさえないサラリーマンで芸能マネージャー。フューチャーするのは、さえないサラリーマン。イメージ的には役所広司さんのような生活感のある50代のおっちゃんを出せたらいいなと思いました。そこに、長年やっていたヒーローが出てきちゃうんです…。背筋に1本線が入って伸びちゃう。気づけばしゃっとして(笑)。好きな俳優さんや、今のリアルな年齢でもあるので自分を引っ張ったりしていました。
――撮影を終えて、今後も顔を出して俳優として活動することへの思いに変化は
主演なんておこがましいので、主演じゃなくても、特にせりふがなくても携わりたいです。映像が好きなので、やっていけたらなと思います。
――出てみたい作品は
アクションのない作品…、じゃないですね(笑)。体が動くうちはアクションをやってみたいです。ましては古巣の特撮作品に、このまま被らずに。かぶるのは別のヤツで「変身」と言ってみたいです。変身前は言ったことない。モモタロスの時も声は関俊彦さんでしたし。「変身」はいつか言ってみたいです。それができたら。もっと深く言えば特撮の演出もしてみたいです。1本の作品を演出してみたい。スーパー戦隊でも仮面ライダーでも、やってみたいなという気持ちがあります。
――最後に見どころを教えてください
坂本浩一監督なので、当然アクションがメインとなっています。坂本浩一監督といえばワイヤーアクションというイメージが強い方も多いかと思いますが今回は一切ありません。単純な肉弾戦。50歳を過ぎたさえないおじさんが一生懸命頑張ってオタ芸しているところを見てほしいです(笑)。2度とやることはないと思うので!
『グッドモーニング、眠れる獅子』は、NTTぷらら/アイキャストが運営する「ひかりTV」 にて、4月23日午後8時から放送・配信となる。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
■まさかのオファーに驚き 『ディケイド』井上正大は「返り討ちに(笑)」
50歳を過ぎて入社してきた、新人の芸能マネージャー・九條和真(高岩)。やる気と情熱は人一倍だが、担当する強気で勝気な売れないアイドル・綿貫玲実(渡邉美穂)には煙たがられ、邪険にされている。ある日、いつものように「アイドルではなく女優の仕事がしたい」と九條に八つ当たりする玲実の元に、なぜかヒット作連発の大物、田崎山監督の手がける大型配信ドラマ主演オーディションの話が舞い込む。かねてからの夢をかなえるチャンスに奮起する玲実だったが、そんな中、ファンの度を越えて彼女を執拗(しつよう)に追いかけるストーカーが起こしたとみられる爆破事件が起き…。
――オファーを振り返って
以前、取材先で塚田(英明)プロデューサーと一緒で、取材を終えた後に塚田さんから「実は高岩さんを主演で、こういう作品を考えております」と。「またまた、ご冗談を」と話半分で聞いていて、その場は終わったんですけれど、後日、ご連絡をいただいて「作ります」と言われ「本気なんだ!」と(笑)。まさか50歳を過ぎて、わざわざ僕を主演に作っていただけると思っていませんでした。もともと、こういうことをしたくて、この世界に入ったので「僭越ですが頑張らさせていただきます」とお返事をさせていただきました。
――監督は坂本浩一監督です
監督もそうですし、制作チームの名前、過去の仮面ライダー作品主演の俳優たちが出てくれると聞いた時はうれしかったです。
――作品に花を添えるべく、椿隆之(『仮面ライダー剣』剣崎一真役)、井上正大(『仮面ライダーディケイド』門矢士役)、西銘駿(『仮面ライダーゴースト』天空寺タケル役)、佐野岳(『仮面ライダー鎧武』葛葉紘汰役)の4人が出演します。過去の仮面ライダー主演俳優の参加はいつ聞きましたか?
割りと早い段階です。クランクインする3ヶ月前ぐらいに決まったと聞きました。本当にうれしかったですね。
――井上さん出演決定のコメントで「高岩さんをボコボコにできたらなと(笑)」と話していましたが…
彼らしいですね(笑)。返り討ちにしてやると思いました(笑)。彼も『ディケイド』のころは、ほぼ初めてのアクションでした。『ディケイド』を終えてから彼自身がテコンドーを始めたみたいで。今回のアクションは、ほぼほぼ吹き替えなしで彼とガチンコのアクションをしました。この4人に関しては『仮面ライダージオウ』にゲストで来ていたので。懐かしいと言えば、懐かしかったですね。
――長時間、撮影をともにして成長を感じたことはありますか
4人とも『仮面ライダー』から巣立って、各メディアで頑張っている。俳優という顔つきがしっかりしたなというのは第一印象でありましたね。
――スーツを着ないで激しいアクションも見どころの1つ
過去に何回か顔出しで特撮をやらせてもらいましたが、ここまでガッツリ坂本監督テイストのアクションを素のままでというのは特撮ファンの方も見たことがないと思うので、見どころですね。
――坂本監督からのアクションのムチャぶりはありましたか?
アクションに関しては大きなムチャぶりはなかったです。ただ、全体的なムチャぶりはオタ芸ですよね…。アクションも頑張りましたが、オタ芸もかなり頑張りました(笑)。
――オタ芸は初めてですか?
初めてです(笑)。振付師の方をつけて、レッスンも受けて…。心細いので現場にも来てもらいました。
――オタ芸に採点をつけるとすれば
チェックを見てないんです。今回、撮影期間中、ほとんど見てないんです。見てしまうと「もう1回お願いします」と言いかねない。そうすると撮影が進まないので、監督がOKと言うのを信じていました。でないと家に帰る度にヘコみそうなので。
――渡邉美穂さんの反応は?
ステージ上で彼女が歌って踊っていたのですが、めっちゃ笑ってましたね(笑)。笑う要素は、どこにもないのですが目を合わせてくれなかったです(笑)。その印象です…。
■うっかり出てくる『電王』モモタロス 生身での変身「いつか言ってみたい」
――顔出し初主演という作品の撮影で苦労した点はありますか?
苦労よりは緊張ですね。当然、スーツを着ているころもマスクの中でせりふを感情を込めてしゃべっているんですけれど、それを外して裸状態で主演としてやるのは、ほぼほぼ初めて。緊張感が大きかったです。まして、周りのスタッフさんが半分以上、見知っている方。「見ないで…」みたいな。照明さんにしても、カメラマンさんにしても見ないわけにはいかないんですけれどね(笑)。気恥ずかしさが毎日…。アクションだったらいいのですが、渡邉美穂さんとのお芝居になると恥ずかしくて。それこそ井上とか佐野とかとのお芝居は照れくささが出て、そこを乗り越えるのが大変でしたね。
――スーツを着ている状態と、着ていない状態の演技の違いは、どういった感覚なのでしょうか
極力つけている状態で過剰表現をしないように僕の中ではしていました。でも、どこかデフォルメして過剰表現しないと伝わらない場合もあって。今回、外した状態でも身に染み付いていて、やたらと肩が動いてしまったり。動きがヒーローなんです。カットかかった時の僕のスタイルが足をガッと開いて、手を前で構えてる。そのままフォームチェンジしそう(笑)。それが毎回ありました。
――染み込んじゃっているんですね(笑)
染み込んじゃってますね。でも、そこも見どころかも(笑)。どこかで、ある仮面ライダーが出てきたり(笑)。
――改めてお伺いしますが高岩さんにとって特撮作品とは
特撮は、特別撮影。非現実的な世界。人が飛んだり、変身したり、怪人が出てきたり。ファンタジーの部分。その中に僕も長いこといました。今回は人間ドラマが多くあります。まして主演で携わるのは初めて。特撮のクセが出そうで…。お遊びする部分があると、そこに、どうしてもモモタロスが出てくるんですよね…。現場でも「モモが出てくる…。モモが出てくる…」って言って、スタッフさんから「出しちゃダメです」と。止められながらやっていました。遊びたくなるんですよね。渡邉さんとくだけたシーンになると、台本にないことを必要以上にやりたくなる。テストの段階で入れると坂本監督から「それいらないです」と言われて(笑)。昔から知ってる衣装さんからも「出しちゃダメ。こらえて」と。出したいんですけど(笑)。葛藤がありました。
――モモタロスらしいですね(笑)。また、役へのアプローチで意識したことはありますか?
50歳を過ぎたさえないサラリーマンで芸能マネージャー。フューチャーするのは、さえないサラリーマン。イメージ的には役所広司さんのような生活感のある50代のおっちゃんを出せたらいいなと思いました。そこに、長年やっていたヒーローが出てきちゃうんです…。背筋に1本線が入って伸びちゃう。気づけばしゃっとして(笑)。好きな俳優さんや、今のリアルな年齢でもあるので自分を引っ張ったりしていました。
――撮影を終えて、今後も顔を出して俳優として活動することへの思いに変化は
主演なんておこがましいので、主演じゃなくても、特にせりふがなくても携わりたいです。映像が好きなので、やっていけたらなと思います。
――出てみたい作品は
アクションのない作品…、じゃないですね(笑)。体が動くうちはアクションをやってみたいです。ましては古巣の特撮作品に、このまま被らずに。かぶるのは別のヤツで「変身」と言ってみたいです。変身前は言ったことない。モモタロスの時も声は関俊彦さんでしたし。「変身」はいつか言ってみたいです。それができたら。もっと深く言えば特撮の演出もしてみたいです。1本の作品を演出してみたい。スーパー戦隊でも仮面ライダーでも、やってみたいなという気持ちがあります。
――最後に見どころを教えてください
坂本浩一監督なので、当然アクションがメインとなっています。坂本浩一監督といえばワイヤーアクションというイメージが強い方も多いかと思いますが今回は一切ありません。単純な肉弾戦。50歳を過ぎたさえないおじさんが一生懸命頑張ってオタ芸しているところを見てほしいです(笑)。2度とやることはないと思うので!
『グッドモーニング、眠れる獅子』は、NTTぷらら/アイキャストが運営する「ひかりTV」 にて、4月23日午後8時から放送・配信となる。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
2022/04/10