ドラマ&映画 カテゴリ
ジョニー・デップ、報道写真に刺激を受け「映画の持つ力をフルに活用」 映画『MINAMATA』を語る
 映画『MINAMATA−ミナマタ−』(9月23日公開)の新着情報として、製作/主演のジョニー・デップのインタビュー映像が到着。本作の主人公でもある、実在の写真家ユージン・スミスについて、「出会いは20代前半くらい。スミスの写真は頭に焼きついて離れない」と、語っている。

インタビューに応えるジョニー・デップ=映画『MINAMATA−ミナマタ−』(9月23日公開) (C)Larry Horricks

インタビューに応えるジョニー・デップ=映画『MINAMATA−ミナマタ−』(9月23日公開) (C)Larry Horricks

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏が1975年に発表した写真集「MINAMATA」だ。

 ジョニー・デップ自身が長年の憧れだったと語るユージン氏。彼の遺作ともなったこの写真集をもとに、ジョニー自身の製作/主演で映画化が実現。映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージン氏が、当時の妻アイリーン氏とともに水俣を訪れ1971年から74年の3年間現地で暮らし、人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を何百枚もの写真に収めていく濃密な日々がドラマチックに描かれる。

 「彼(ユージン氏)は心の中に痛みを抱えていた。でも、水俣が彼の心を再び開いたんだと思う」と語るジョニー・デップが容姿から内面に至るまで、傷ついた写真家が、再びカメラを手に取り、闘いに身を投じていくその生き様を見事に体現し現代に蘇らせた。

 本作のオファーを受ける前からW・ユージン・スミスに憧れを抱いていたジョニー。スミスを知ったきっかけを尋ねると、「僕がスミスの作品を初めて見たのは20代前半くらいの時だったかな。まず写真に出会って、写真家の名前を調べたらスミスだった」と、随分前からスミスのことを知り、興味を持っていたことを明かす。

 「彼は戦争写真家で、死んだり負傷したりする可能性のある仕事だ。でも彼は献身的で情熱的なアーティストで、自分を犠牲にしてでも真実を追い求めた。真実の瞬間をとらえそれを永遠に残すためにね。彼は写真を通して意見を表明し、次の世代に影響を与えたんだ。たくさんの戦争写真家やジャーナリストがスミスの写真に刺激を受けてリスクを恐れなくなった」とスミスが後世に繋いだ大きな功績を熱く語る。

 また、スミスの写真自体について、「『入浴する智子と母』がいい例で、あれはまるでピエタのような正直さと純粋さにあふれている。スミスの写真は頭に焼きついて離れない」とジョニー自身も才能ある写真家として活躍するからこその写真の力が与える力強さを語った。

 今もまだ続く<目の前の危機>である水俣の危機にスポットライトを当てたことで、各国で同じ環境被害に苦しむ多くの人々を照らし出そうと決意したジョニー。「映画の持つ力をフルに活用して、この歴史は語り継がれなければならない」と、語っている。

YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」

関連写真

  • インタビューに応えるジョニー・デップ=映画『MINAMATA−ミナマタ−』(9月23日公開) (C)Larry Horricks
  • 新場面写真=映画『MINAMATA−ミナマタ−』(9月23日公開) (C)Larry Horricks

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索