ウエディング情報誌『ゼクシィ』とコラボを実施中の少女漫画誌『りぼん』(集英社)では、8月号の付録として婚姻届がついている。小・中学生がメイン読者の同誌でなぜ婚姻届?とまず疑問だが、ネット上でも「少女誌で婚姻届はヤバイw」「私が小学生の時にこれがあったら…多分好きな人の名前を鉛筆でうすーく書いて、すぐ消す笑」などとやはり話題になっている。そこでORICON NEWSは、『りぼん』連載作家と企画担当者らに付録の意図を聞いてみた。
■『りぼん』結婚題材の漫画連載 大人は驚き、小・中学生読者は「抵抗感がない」
現在『りぼん』では、結婚をテーマにした人気漫画『初×婚』(ういこん)が連載中で、『りぼん』8月号では、『ゼクシィ』も含めたコラボレーション企画を展開。『ゼクシィ』監修の【『初×婚』オリジナル!ミニ婚姻届 SUPPORTED BY 『ゼクシィ』】を付録にした。
これは、作者・黒崎みのり氏の描き下ろしイラストを使ったデザインで、好きな相手や、理想の結婚式プラン、ドレスについて書き込めるオリジナルの“妄想”婚姻届(※実際の使用は不可)。結婚式のスタイルや、婚約指輪の種類、ブーケやケーキのデザインを選べる仕様で、各項目の選択肢は『ゼクシィ』編集部が監修した最新の結婚式情報が反映されている。なお、『りぼん』において“婚姻届”をテーマにした付録は、担当者によると「異例」だという。
婚姻届を付録にしたことにも驚きがあるが、そもそも小・中学生をメインターゲットにする同誌で“恋愛”より“結婚”をテーマにした作品を掲載したのはどのような意図からなのだろうか。
作品誕生のきっかけと今の小・中学生の恋愛観について黒崎氏は「読者層に対して『恋愛より先に結婚について考える』設定というのは、確かに唐突だと大人は思うかもしれませんが、読者のティーン世代は“結婚”のワードに意外と違和感や抵抗感がないと思います」と説明。
その理由は「好きな人ができて、付き合えたら、その人と結婚してずっと一緒にいたいな、と素直に思える世代なのではないでしょうか? みなさん経験があると思うのですが、好きな男の子の名字と自分の名前をあわせてみたり、自分の名字に男の子の名前をあわせてみたり、将来生まれてくるであろう子どもの名前を考えてみたり…」と“女子あるある”を挙げた。
そして今回、なぜ“婚姻届”を付録にしたのか? 企画担当者に聞くと「今回のコラボでは、『初×婚』と『ゼクシィ』の“結婚”という部分で共通項を持ち、高い認知度を持つ『ゼクシィ』さんとコラボさせていただくことで、作品の認知度をあげて、より多くの方に『初×婚』を読んでいただきたいと思ったからです」と経緯を説明。
「りぼん連載作品で、『結婚』がテーマとなると、びっくりされる方も多いかもしれませんが、読んでいただければ王道の少女漫画であることがわかってもらえると思います。実際、今回の企画をきっかけに作品を読んでくださった方が、『王道の少女漫画で、キュンキュンしました』とツイートしてくださっている方もいて、読者層の広がりを感じています」と作品の認知度アップとともに反響の大きさを感じていた。
■子どもから大人まで…読者層開拓の挑戦 付録は“課題解決”の期待
『りぼん』創刊から65周年――少女たちに数多くの恋愛作品を届けたが、彼女たちの恋愛観は、どのように捉えているのだろうか。担当編集は「りぼんの読者さんは、仲良しの友達と休み時間に恋バナしていたり、絶賛片想い中だったり、好きな人との関係で悩んでいたり、恋愛にとても興味を持っている年代だと感じます」と分析。 「『どういう漫画を読みたいか?』というアンケートをとってみても、『恋愛ものが読みたい』という意見をもらうことが多いです。編集部では、そういう読者のニーズに応えられるような作品を、作家さんと一緒に作っているのですが、『りぼん』で連載しているというと、子ども向けのものだと思われ、大人の方には敬遠されがちです。対象読者のニーズを満たし、更に読者層を広げるにはどうしたら良いか、この難しい課題に常に立ち向かっているわけですが、今回の婚姻届は、『初×婚』という作品の個性を活かし、両方にアプローチできたかなと思います」と恋愛作品のニーズは衰えず、結婚をテーマにした『初×婚』にも手ごたえを感じているという。
そして、今回の付録“婚姻届”も「ネガティブなご意見もありましたが、大人の方にも興味を持っていただけたようですし、りぼん読者は、好きなキャラの名前を書いたりかわいいドレスを描きこんだりと、楽しく使ってもらえたのではないかなと思います」と語った。
では、実際の女子小学生の恋愛観はどうなのだろうか? 都内在住のある一家に取材すると、小学6年生の長女は「友達とは結婚したい年齢の話もするし、若いうちに結婚したいとか、将来について話したりします。理由はさまざまですが、私の場合、生まれてくる自分の子どものおじいちゃんが老けてるのは嫌なので、早く結婚したい思いがあります。お父さんに孫をいろんな場所に連れて行ってもらいたいです。『経済力のある人と結婚したい』『仕事と家事の両立は大変そう』だとか、みんなと真剣に将来を話し合ったりしています」と、こちらが恐れ入るほどの現実感で結婚を思い描いている。
『りぼん』の“婚姻届”付録については「興味はありますが、好きな子の名前を書くことは恥ずかしくて私はできないですね(笑)ただ、ウエディングドレスに憧れがあるので、『ゼクシィ』を読みたくなりました」と言うと、隣にいた父は一連の話しに「娘がこんなことを考えているとは知りませんでした…」と舌を巻きつつも成長をかみしめていた。
なお、漫画『初×婚』は、超高性能なマッチングシステムで選ばれた男女2人のカップルが、寮生活を送る特殊な学校が舞台。勉強の成績だけでなく、日常生活を切り取ったSNSでの評価も積み上げていき、3年後に最も優れたカップル『ゴールデンカップル』に選ばれることを目指すストーリー。『ゴールデンカップル』に選ばれると、卒業と同時に“入籍&IT大企業の社長の座が約束”されているという、今までの少女漫画にはなかった新感覚な設定と結婚レースを勝ち抜くためのジェットコースターのような予測不能の展開が人気だという。
同誌2019年6月号にて連載がスタートすると読者から圧倒的な支持を得て、コミックス1〜2巻に重版がかかるなど、「ヒットの兆しをみせている」と担当者は説明する。いつの時代も少女にとって“恋愛”も“結婚”も興味の対象であり、今回の“婚姻届”は決してズレた企画ではないことが伺えた。
■『りぼん』結婚題材の漫画連載 大人は驚き、小・中学生読者は「抵抗感がない」
現在『りぼん』では、結婚をテーマにした人気漫画『初×婚』(ういこん)が連載中で、『りぼん』8月号では、『ゼクシィ』も含めたコラボレーション企画を展開。『ゼクシィ』監修の【『初×婚』オリジナル!ミニ婚姻届 SUPPORTED BY 『ゼクシィ』】を付録にした。
これは、作者・黒崎みのり氏の描き下ろしイラストを使ったデザインで、好きな相手や、理想の結婚式プラン、ドレスについて書き込めるオリジナルの“妄想”婚姻届(※実際の使用は不可)。結婚式のスタイルや、婚約指輪の種類、ブーケやケーキのデザインを選べる仕様で、各項目の選択肢は『ゼクシィ』編集部が監修した最新の結婚式情報が反映されている。なお、『りぼん』において“婚姻届”をテーマにした付録は、担当者によると「異例」だという。
婚姻届を付録にしたことにも驚きがあるが、そもそも小・中学生をメインターゲットにする同誌で“恋愛”より“結婚”をテーマにした作品を掲載したのはどのような意図からなのだろうか。
作品誕生のきっかけと今の小・中学生の恋愛観について黒崎氏は「読者層に対して『恋愛より先に結婚について考える』設定というのは、確かに唐突だと大人は思うかもしれませんが、読者のティーン世代は“結婚”のワードに意外と違和感や抵抗感がないと思います」と説明。
その理由は「好きな人ができて、付き合えたら、その人と結婚してずっと一緒にいたいな、と素直に思える世代なのではないでしょうか? みなさん経験があると思うのですが、好きな男の子の名字と自分の名前をあわせてみたり、自分の名字に男の子の名前をあわせてみたり、将来生まれてくるであろう子どもの名前を考えてみたり…」と“女子あるある”を挙げた。
そして今回、なぜ“婚姻届”を付録にしたのか? 企画担当者に聞くと「今回のコラボでは、『初×婚』と『ゼクシィ』の“結婚”という部分で共通項を持ち、高い認知度を持つ『ゼクシィ』さんとコラボさせていただくことで、作品の認知度をあげて、より多くの方に『初×婚』を読んでいただきたいと思ったからです」と経緯を説明。
「りぼん連載作品で、『結婚』がテーマとなると、びっくりされる方も多いかもしれませんが、読んでいただければ王道の少女漫画であることがわかってもらえると思います。実際、今回の企画をきっかけに作品を読んでくださった方が、『王道の少女漫画で、キュンキュンしました』とツイートしてくださっている方もいて、読者層の広がりを感じています」と作品の認知度アップとともに反響の大きさを感じていた。
■子どもから大人まで…読者層開拓の挑戦 付録は“課題解決”の期待
『りぼん』創刊から65周年――少女たちに数多くの恋愛作品を届けたが、彼女たちの恋愛観は、どのように捉えているのだろうか。担当編集は「りぼんの読者さんは、仲良しの友達と休み時間に恋バナしていたり、絶賛片想い中だったり、好きな人との関係で悩んでいたり、恋愛にとても興味を持っている年代だと感じます」と分析。 「『どういう漫画を読みたいか?』というアンケートをとってみても、『恋愛ものが読みたい』という意見をもらうことが多いです。編集部では、そういう読者のニーズに応えられるような作品を、作家さんと一緒に作っているのですが、『りぼん』で連載しているというと、子ども向けのものだと思われ、大人の方には敬遠されがちです。対象読者のニーズを満たし、更に読者層を広げるにはどうしたら良いか、この難しい課題に常に立ち向かっているわけですが、今回の婚姻届は、『初×婚』という作品の個性を活かし、両方にアプローチできたかなと思います」と恋愛作品のニーズは衰えず、結婚をテーマにした『初×婚』にも手ごたえを感じているという。
そして、今回の付録“婚姻届”も「ネガティブなご意見もありましたが、大人の方にも興味を持っていただけたようですし、りぼん読者は、好きなキャラの名前を書いたりかわいいドレスを描きこんだりと、楽しく使ってもらえたのではないかなと思います」と語った。
では、実際の女子小学生の恋愛観はどうなのだろうか? 都内在住のある一家に取材すると、小学6年生の長女は「友達とは結婚したい年齢の話もするし、若いうちに結婚したいとか、将来について話したりします。理由はさまざまですが、私の場合、生まれてくる自分の子どものおじいちゃんが老けてるのは嫌なので、早く結婚したい思いがあります。お父さんに孫をいろんな場所に連れて行ってもらいたいです。『経済力のある人と結婚したい』『仕事と家事の両立は大変そう』だとか、みんなと真剣に将来を話し合ったりしています」と、こちらが恐れ入るほどの現実感で結婚を思い描いている。
『りぼん』の“婚姻届”付録については「興味はありますが、好きな子の名前を書くことは恥ずかしくて私はできないですね(笑)ただ、ウエディングドレスに憧れがあるので、『ゼクシィ』を読みたくなりました」と言うと、隣にいた父は一連の話しに「娘がこんなことを考えているとは知りませんでした…」と舌を巻きつつも成長をかみしめていた。
なお、漫画『初×婚』は、超高性能なマッチングシステムで選ばれた男女2人のカップルが、寮生活を送る特殊な学校が舞台。勉強の成績だけでなく、日常生活を切り取ったSNSでの評価も積み上げていき、3年後に最も優れたカップル『ゴールデンカップル』に選ばれることを目指すストーリー。『ゴールデンカップル』に選ばれると、卒業と同時に“入籍&IT大企業の社長の座が約束”されているという、今までの少女漫画にはなかった新感覚な設定と結婚レースを勝ち抜くためのジェットコースターのような予測不能の展開が人気だという。
同誌2019年6月号にて連載がスタートすると読者から圧倒的な支持を得て、コミックス1〜2巻に重版がかかるなど、「ヒットの兆しをみせている」と担当者は説明する。いつの時代も少女にとって“恋愛”も“結婚”も興味の対象であり、今回の“婚姻届”は決してズレた企画ではないことが伺えた。
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2020/07/25