新型コロナウイルスの影響により、甚大な被害を受けているライブエンターテインメント。特にライブハウスは存続が危ぶまれ、既に経営を諦める事例も数多く報告されている。今年40周年を迎えた目黒鹿鳴館も例外ではなく、4月以降のライブは皆無。売上の見通しが立たないまま、家賃、人件費など月々の固定費約350万円を払い続ける状況となっている。
目黒鹿鳴館は、80年代のジャパメタ・ブームをけん引し、X JAPANがインディーズ時代の活動拠点にしたことでも有名。今回の窮状に対し、このライブハウスを拠点にしてきたバンドがオリジナルグッズの売り上げを寄付するなど、支援が広がっている。
いまや世界的な人気を得ているBABYMETALも鹿鳴館と縁の深いアーティスト。2012年に初の単独公演を“メタルの聖地”である鹿鳴館で行ったBABYMETALは、“STAY METAL”をテーマにした支援を計画しているという。今回、鹿鳴館のオーナー・山口高明氏とBABYMETALのプロデューサー・KOBAMETAL氏の対談を企画。コロナ禍以降のライブハウスの現状を踏まえ、この先、活動を継続していくための施策について語ってもらった。
■「ベスト3に入る過酷なライブ」BABYMETALにとっての“鹿鳴館”
――BABYMETALは初めての単独公演を目黒鹿鳴館で開催しています。彼女たちにとっても大切なライブハウスですよね。
【KOBAMETAL】ひと言でいうと聖地ですね。メンバーも、今でもそのときの記憶が強烈に残っていると言ってますし、ベスト3に入るくらいの過酷なライブだったんです。ライブハウス特有の熱気、初めてのワンマンライブの緊張で慣れない部分もありましたが、エネルギッシュにやり切って。その話は今でもよく出ますね。
【山口】僕は当時、アイドルに偏見があったと言いますか(笑)。一貫してヘヴィメタル、ビジュアル系のバンドを中心にブッキングしてきたので、BABYMETALさんからお話をいただいたときには正直、「なんで鹿鳴館なんだろう?」と。ライブ当日を迎えたら、まったく印象は変わりましたけどね。「メタルじゃん!」と思いましたし、衝撃でしたね。
【KOBAMETAL】BABYMETALを始めたときから「ガチ(のヘヴィメタル)でいきたい」と思っていて。僕自身も鹿鳴館でいろいろなバンドのライブを観ていましたし、「スタートは鹿鳴館しかない!」という気持ちが強かったんです。X JAPANをはじめ、レジェンドと呼ばれるバンドがこのステージから日本、世界に広がっていった。そんな素晴らしい場所でスタートが切れたことは本当にうれしかったです。
――BABYMETALは今や世界的なアーティストに成長しました。
【KOBAMETAL】まさかこんなことになるとは、という感じです(笑)。ヘヴィメタルというジャンルは、時代によって新しい形が生まれているんですよね。70年代のブラックサバスなどから始まり、アイアンメイデン、メタリカ、スリップノット、コーン、リンプ・ビズキットなど、違うタイプのバンドが次々と出てきて。新しいスタイルが出てくるたびに、叩かれ、それがメインストリームになり、また新しいバンド出てくるという繰り返しといいますか。BABYMETALも直球ど真ん中のメタルではないですが、メタルの新しいカルチャーを提示したいという目標がありました。
――目黒鹿鳴館は今年で40周年。山口さん自身も33年間の長きにわたって運営に関わっていらっしゃいますが、メタルの聖地としての重みや責任も感じていますか?
【山口】普段は考えないですが、20周年、30周年で過去の資料などを見ると、そういう評価をいただいてきたことを実感しますね。責任と言いますか、「守っていかないと」という気持ちは、もちろんあります。ジャパメタのブームの後、X JAPANのフォロワーが増えた時期は、正統派のメタルファンの方から「鹿鳴館はチャラチャラしたバンドばかりだ」と思われることもあったんですよ。ただ、しっかりロックしているバンドはいたし、カッコだけのバンドはすぐに消えたんですよね。バンドと話し合ったり、時にはダメ出しをしてきて。それが鹿鳴館の伝統を守ってきたことになるのかもしれないですね。
先ほども言ったようにBABYMETALは完全にメタルでしたし。ここ数年はアイドルのライブが増えてるんですが、その流れを作ってくれたのはBABYMETALなんです。「BABYMETALと同じステージに立ちたい」というアイドルも多いんですよ。それは「X JAPANと同じステージに立ちたい」というバンドと同じだし、オーナーとしては、みなさんと一緒にここを守っていかないと。
■“恩返し”の『鹿鳴館10days』を計画 「STAY METAL」のために持続可能な支援を
――新型コロナウイルスの感染拡大によって、ライブハウスは甚大な被害を受けています。鹿鳴館の現状について教えてもらえますか?
【山口】4月以降、5月、6月とライブらしいライブは1本もないです。店によって営業形態も違うとは思うんですけど、ウチの場合、会場費とお客様のドリンク代で成り立っていて、それ以外の収入はないんです。もちろん家賃、人件費など、出ていくものは出ていくので。当初はこんなに長引くとは思っていなくて。5月まで乗り切ればなんとかなると思っていたんだけど、1ヶ月伸びただけで本当に大変で。給付金、助成金もありますが、あとは自分で借金を作るしかないですからね。きれいごとではなく、要はお金があったら継続できますから。ネガティブに捉えてなくて、「借金でもして守ればいい」と腹を括ったということですね。
――鹿鳴館に縁のあるアーティストからの支援も始まっていますね。
【山口】そうですね。「鹿鳴館がやばそうだ」という報道などを見て、バンドの方から「オリジナル商品を鹿鳴館で売ってください」と申し出てくれて。さらにお客さんから「鹿鳴館のロゴが入った商品が欲しい」という要望があったので、Tシャツを作って。多くの方からご支援をいただいてます。僕にはそういう発想がなかったし、バンドのほうから支援を申し出てもらえるなんて、まったく想像してなくて。ありがたいですね。
――BABYMETALも鹿鳴館と組んだプロジェクトをスタートさせるそうですね。
【KOBAMETAL】「STAY METAL」というテーマを掲げて、何ができるかを話しているところです。「STAY METAL」はもともと、ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードさんがおっしゃった言葉なんですよ。BABYMETALは幸いなことにジューダス・プリーストと共演させていただく機会があったんですが、とにかくステージングがすごくて。継続するパワーがあるからこそ、こういうライブをやり通せるんだなと感じたし、紆余曲折や苦難困難もありつつも、“続けていくこと”の大切さを改めて実感したんですよね。
―― 一時的な支援だけではなく、継続することが大事だと。
【KOBAMETAL】そうですね。今年BABYMETALは結成10周年なので、『鹿鳴館10days』という企画を考えていて。コロナ以前の状況に戻るのは難しいですし、感染拡大は確実に防がなければならない。ですから、無観客で配信にするのがいいのか、最適な形が何なのかは迷うところですが。この機会ですから発想を変えて、そのなかで出来ること、今まで出来なかったことにチャレンジしたいなと。
いずれにせよ、それはアーティスト、マネージメント、ライブハウスだけではなく、ファンの方も一緒に作っていくことが大事だと思うんですよね。
【山口】ライブハウス側、バンド側のプラン通りにすべてが動くわけではなくて、むしろお客さんが作ってるところが大きいんですよね。ノリ方、騒ぎ方は演者とお客さんが一緒に作っていくものだし、それはライブハウスに来たことがある人じゃないとわからないと思うんです。配信ライブではそういうことは起きないし、そこはこだわっていきたいなと。ライブハウスでしか得らないものは必ずあるし、とにかく動かしたいですね。
【KOBAMETAL】アーティストとファンのつながりは大事ですよね。メタルというジャンルに特化して言うと、コミュニティーの力がすごく大きいんです。海外のメタルフェスに何万人もの人が集まっているのを見ると「メタルを愛している人は地球上にこんなにいるんだな」と実感しますからね。そう思うと、音を鳴らし続けていけば、どんな状況になっても続けられるんじゃないかなと。
【山口】どちらか一方だけではなくて、やっぱり一緒に作ることが大事なんですよね。ただ、3ヶ月もこういう状態で、この先もわからないとなると、「もうライブハウスはいいや」となってしまう方もいらっしゃると思うんですよ。逆に考えていると、コアなお客さんが残るのかなとも思っていて。
――なるほど。
【山口】振り返ってみると、鹿鳴館はコアなお客さんが多かったんですよね。いろんなムーブメントがあったし、経営がずっと順調だったわけではなくて、ブッキングが埋まらない時期もあった。それでも鹿鳴館が好きで、ウチでライブをやりたいというバンドや運営の人たちとのつながりで、ここまで来たんですよね。やっぱり“人対人”だし、元通りになる日もそんなに遠くないはずだと信じてるんですよ。もちろん、やるべきことはやらないとダメだし、努力もしなくちゃいけないんですけどね。
【KOBAMETAL】今後はいろいろな形のサポートが出てくると思います。以前のような形態でライブができないというなかで、そのままでは経済的に回っていかない部分もあると思うんです。たとえばキャパ的に以前の半分しか入れられないとして、チケット代が倍の値段になっても「観たい」と思うお客さんがいてくれるかどうか。そのためにはお互いに理解が必要だと思うんです。誰かが犠牲になるのではなくて、応援するファンの立場、我々サポートする側、もちろんアーティストも含めて、みんなで新しい形を作って、どうやって新しい価値を作っていくか、というのがキーなのかなと。
――非常に前向きなビジョンだと思います。それにしても山口さんの「絶対に鹿鳴館は止めない」という気持ち、KOBAMETALさんの「STAY METAL」というコンセプトも素晴らしいなと。
【山口】大変なのはライブハウスだけじゃなくて、バンド、事務所も同じですからね。残念ながら解散を決めたバンドもある。僕はライブハウスの人間なので、「鹿鳴館が残ってよかった」と思ってもらえるように続けるだけで。そこで弱音は出てこないですね。
【KOBAMETAL】さっきも言いましたけど、メタルのコミュニティーはとても強くて、国やジェンダー、年齢を超えてつながっていて。もちろんBAYBMETALとしても微力ながら協力させていただきますが、全国各地で、各アーティストが出来ることを続けることで、“STAY METAL”を継続していけたらと思っています。
ライター・森朋之
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
目黒鹿鳴館は、80年代のジャパメタ・ブームをけん引し、X JAPANがインディーズ時代の活動拠点にしたことでも有名。今回の窮状に対し、このライブハウスを拠点にしてきたバンドがオリジナルグッズの売り上げを寄付するなど、支援が広がっている。
いまや世界的な人気を得ているBABYMETALも鹿鳴館と縁の深いアーティスト。2012年に初の単独公演を“メタルの聖地”である鹿鳴館で行ったBABYMETALは、“STAY METAL”をテーマにした支援を計画しているという。今回、鹿鳴館のオーナー・山口高明氏とBABYMETALのプロデューサー・KOBAMETAL氏の対談を企画。コロナ禍以降のライブハウスの現状を踏まえ、この先、活動を継続していくための施策について語ってもらった。
■「ベスト3に入る過酷なライブ」BABYMETALにとっての“鹿鳴館”
――BABYMETALは初めての単独公演を目黒鹿鳴館で開催しています。彼女たちにとっても大切なライブハウスですよね。
【KOBAMETAL】ひと言でいうと聖地ですね。メンバーも、今でもそのときの記憶が強烈に残っていると言ってますし、ベスト3に入るくらいの過酷なライブだったんです。ライブハウス特有の熱気、初めてのワンマンライブの緊張で慣れない部分もありましたが、エネルギッシュにやり切って。その話は今でもよく出ますね。
【山口】僕は当時、アイドルに偏見があったと言いますか(笑)。一貫してヘヴィメタル、ビジュアル系のバンドを中心にブッキングしてきたので、BABYMETALさんからお話をいただいたときには正直、「なんで鹿鳴館なんだろう?」と。ライブ当日を迎えたら、まったく印象は変わりましたけどね。「メタルじゃん!」と思いましたし、衝撃でしたね。
【KOBAMETAL】BABYMETALを始めたときから「ガチ(のヘヴィメタル)でいきたい」と思っていて。僕自身も鹿鳴館でいろいろなバンドのライブを観ていましたし、「スタートは鹿鳴館しかない!」という気持ちが強かったんです。X JAPANをはじめ、レジェンドと呼ばれるバンドがこのステージから日本、世界に広がっていった。そんな素晴らしい場所でスタートが切れたことは本当にうれしかったです。
――BABYMETALは今や世界的なアーティストに成長しました。
【KOBAMETAL】まさかこんなことになるとは、という感じです(笑)。ヘヴィメタルというジャンルは、時代によって新しい形が生まれているんですよね。70年代のブラックサバスなどから始まり、アイアンメイデン、メタリカ、スリップノット、コーン、リンプ・ビズキットなど、違うタイプのバンドが次々と出てきて。新しいスタイルが出てくるたびに、叩かれ、それがメインストリームになり、また新しいバンド出てくるという繰り返しといいますか。BABYMETALも直球ど真ん中のメタルではないですが、メタルの新しいカルチャーを提示したいという目標がありました。
――目黒鹿鳴館は今年で40周年。山口さん自身も33年間の長きにわたって運営に関わっていらっしゃいますが、メタルの聖地としての重みや責任も感じていますか?
【山口】普段は考えないですが、20周年、30周年で過去の資料などを見ると、そういう評価をいただいてきたことを実感しますね。責任と言いますか、「守っていかないと」という気持ちは、もちろんあります。ジャパメタのブームの後、X JAPANのフォロワーが増えた時期は、正統派のメタルファンの方から「鹿鳴館はチャラチャラしたバンドばかりだ」と思われることもあったんですよ。ただ、しっかりロックしているバンドはいたし、カッコだけのバンドはすぐに消えたんですよね。バンドと話し合ったり、時にはダメ出しをしてきて。それが鹿鳴館の伝統を守ってきたことになるのかもしれないですね。
先ほども言ったようにBABYMETALは完全にメタルでしたし。ここ数年はアイドルのライブが増えてるんですが、その流れを作ってくれたのはBABYMETALなんです。「BABYMETALと同じステージに立ちたい」というアイドルも多いんですよ。それは「X JAPANと同じステージに立ちたい」というバンドと同じだし、オーナーとしては、みなさんと一緒にここを守っていかないと。
■“恩返し”の『鹿鳴館10days』を計画 「STAY METAL」のために持続可能な支援を
――新型コロナウイルスの感染拡大によって、ライブハウスは甚大な被害を受けています。鹿鳴館の現状について教えてもらえますか?
【山口】4月以降、5月、6月とライブらしいライブは1本もないです。店によって営業形態も違うとは思うんですけど、ウチの場合、会場費とお客様のドリンク代で成り立っていて、それ以外の収入はないんです。もちろん家賃、人件費など、出ていくものは出ていくので。当初はこんなに長引くとは思っていなくて。5月まで乗り切ればなんとかなると思っていたんだけど、1ヶ月伸びただけで本当に大変で。給付金、助成金もありますが、あとは自分で借金を作るしかないですからね。きれいごとではなく、要はお金があったら継続できますから。ネガティブに捉えてなくて、「借金でもして守ればいい」と腹を括ったということですね。
――鹿鳴館に縁のあるアーティストからの支援も始まっていますね。
【山口】そうですね。「鹿鳴館がやばそうだ」という報道などを見て、バンドの方から「オリジナル商品を鹿鳴館で売ってください」と申し出てくれて。さらにお客さんから「鹿鳴館のロゴが入った商品が欲しい」という要望があったので、Tシャツを作って。多くの方からご支援をいただいてます。僕にはそういう発想がなかったし、バンドのほうから支援を申し出てもらえるなんて、まったく想像してなくて。ありがたいですね。
――BABYMETALも鹿鳴館と組んだプロジェクトをスタートさせるそうですね。
【KOBAMETAL】「STAY METAL」というテーマを掲げて、何ができるかを話しているところです。「STAY METAL」はもともと、ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードさんがおっしゃった言葉なんですよ。BABYMETALは幸いなことにジューダス・プリーストと共演させていただく機会があったんですが、とにかくステージングがすごくて。継続するパワーがあるからこそ、こういうライブをやり通せるんだなと感じたし、紆余曲折や苦難困難もありつつも、“続けていくこと”の大切さを改めて実感したんですよね。
―― 一時的な支援だけではなく、継続することが大事だと。
【KOBAMETAL】そうですね。今年BABYMETALは結成10周年なので、『鹿鳴館10days』という企画を考えていて。コロナ以前の状況に戻るのは難しいですし、感染拡大は確実に防がなければならない。ですから、無観客で配信にするのがいいのか、最適な形が何なのかは迷うところですが。この機会ですから発想を変えて、そのなかで出来ること、今まで出来なかったことにチャレンジしたいなと。
いずれにせよ、それはアーティスト、マネージメント、ライブハウスだけではなく、ファンの方も一緒に作っていくことが大事だと思うんですよね。
【山口】ライブハウス側、バンド側のプラン通りにすべてが動くわけではなくて、むしろお客さんが作ってるところが大きいんですよね。ノリ方、騒ぎ方は演者とお客さんが一緒に作っていくものだし、それはライブハウスに来たことがある人じゃないとわからないと思うんです。配信ライブではそういうことは起きないし、そこはこだわっていきたいなと。ライブハウスでしか得らないものは必ずあるし、とにかく動かしたいですね。
【KOBAMETAL】アーティストとファンのつながりは大事ですよね。メタルというジャンルに特化して言うと、コミュニティーの力がすごく大きいんです。海外のメタルフェスに何万人もの人が集まっているのを見ると「メタルを愛している人は地球上にこんなにいるんだな」と実感しますからね。そう思うと、音を鳴らし続けていけば、どんな状況になっても続けられるんじゃないかなと。
【山口】どちらか一方だけではなくて、やっぱり一緒に作ることが大事なんですよね。ただ、3ヶ月もこういう状態で、この先もわからないとなると、「もうライブハウスはいいや」となってしまう方もいらっしゃると思うんですよ。逆に考えていると、コアなお客さんが残るのかなとも思っていて。
――なるほど。
【山口】振り返ってみると、鹿鳴館はコアなお客さんが多かったんですよね。いろんなムーブメントがあったし、経営がずっと順調だったわけではなくて、ブッキングが埋まらない時期もあった。それでも鹿鳴館が好きで、ウチでライブをやりたいというバンドや運営の人たちとのつながりで、ここまで来たんですよね。やっぱり“人対人”だし、元通りになる日もそんなに遠くないはずだと信じてるんですよ。もちろん、やるべきことはやらないとダメだし、努力もしなくちゃいけないんですけどね。
【KOBAMETAL】今後はいろいろな形のサポートが出てくると思います。以前のような形態でライブができないというなかで、そのままでは経済的に回っていかない部分もあると思うんです。たとえばキャパ的に以前の半分しか入れられないとして、チケット代が倍の値段になっても「観たい」と思うお客さんがいてくれるかどうか。そのためにはお互いに理解が必要だと思うんです。誰かが犠牲になるのではなくて、応援するファンの立場、我々サポートする側、もちろんアーティストも含めて、みんなで新しい形を作って、どうやって新しい価値を作っていくか、というのがキーなのかなと。
――非常に前向きなビジョンだと思います。それにしても山口さんの「絶対に鹿鳴館は止めない」という気持ち、KOBAMETALさんの「STAY METAL」というコンセプトも素晴らしいなと。
【山口】大変なのはライブハウスだけじゃなくて、バンド、事務所も同じですからね。残念ながら解散を決めたバンドもある。僕はライブハウスの人間なので、「鹿鳴館が残ってよかった」と思ってもらえるように続けるだけで。そこで弱音は出てこないですね。
【KOBAMETAL】さっきも言いましたけど、メタルのコミュニティーはとても強くて、国やジェンダー、年齢を超えてつながっていて。もちろんBAYBMETALとしても微力ながら協力させていただきますが、全国各地で、各アーティストが出来ることを続けることで、“STAY METAL”を継続していけたらと思っています。
ライター・森朋之
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2020/07/05