テレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』（毎週金曜　後9：00）が、あす8日から生放送を再開させる。4月3日以来、約1ヶ月ぶり。MCのタモリと並木万里菜アナウンサーが生出演するほか、RADWIMPSがこの日のために制作中の新曲（タイトル未定）を初披露することが明らかになった。

　RADWIMPSのボーカル野田洋次郎は「最初にお話をいただいたとき、みんなが前を向けるような曲を作ろうと思い制作を始めました。ですが、だんだんとそれだけでいいのかと違和感が生まれていきました」と告白。

　「COVID-19（新型コロナウイルス感染症）は僕たちからたくさんのものを奪っていったと同時に、たくさんの気づきも与えてくれています。日常がいつか戻って来たとして、それは今までとは違う新しい世界なんだと思います。企業や社会の仕組み、教育現場、政治のあり方。これからを生きる僕たちが、どんな世界にしていくのか。みんなが想像し、創造できるようにと願って作りました」と新曲に込めた想いを明かす。

　新曲は4日時点で未完成。放送直前まで細かな作業を続け、楽曲を完成させるつもりという。「まだ完成もしていない曲なので、（8日に披露するのが）不思議な気持ちです。希望をたくさん込めて、歌います」と語る野田は「全国ツアーも全公演飛び、事態の出口も見えず悶々とした、なかば鬱々とした自粛期間でした。今回、曲作りに没頭することで自分の生命力がみるみる上がっていくように感じました。この機会に感謝します」と胸中を吐露。どんな楽曲を完成させ、披露するのか注目だ。

　このほか、小沢健二、ゴスペラーズ、スガシカオ、Superfly、Toshlはリモート出演。2017年に発表した「流動体について」を自宅から届ける小沢は「今はみんな社会のことを考えているときなので、“言葉は都市を変えてゆく”というテーマの『流動体について』を家でできる形で演奏したいと思いました。“その時々にできることは　宇宙の中で良いことを決意するくらいだろう”という歌詞を、新しい気持ちで届けたいです」と意気込む。

　演奏の動画は「“家での撮影はこうでもよいのではないか？”というちょっとふざけた撮影」になっているそう。「ふだん見ているアメリカのテレビは、もう3月からずっと“コメディアンが自宅の本棚の前で、スウェット姿でしゃべっている”というような内容になっていて、棚の本や置き物をガン見してばかりな気がします。なので、新しいテイストの自宅からの発信をしたいです」と予告している。

　ゴスペラーズは、名曲「ひとり」（2001年）を手洗いソングの替え歌にした「手を洗おう」を披露する。村上てつやは「アカペラのようにそれぞれの声が合わさると、自然に楽しくなってきます。1日も早く、普通に何も気にせずおしゃべりできる日が来たらいいなと思います」と願い、「医療関係の方々だけでなく命に向き合うお仕事の方々、そして生活に関わるあらゆる分野で今も働かれている方々に感謝の気持ちを込めて歌います」と語った。

　スガシカオが歌唱するのは「Progress」（2006年）。「もともとは誰かを応援する曲として作ったのですが、東日本大震災の時にも被災者の皆さんに向けたくさん歌いましたし、今回のコロナ禍でも自分に向けて、みんなに向けて歌っています」と選曲の理由を説明。「先の見えない自粛生活、休業要請の中、毎日一歩ずつだけでも踏ん張って前に進んで行こうという思いを伝えたい」「音楽にできることはちっぽけかもしれませんが、みんなの心が少しでも勇気づけられればと思っています」と強い思いも明かした。

　Superflyは新曲「Together」を初披露する。越智志帆は「人と人とが引き離されるという世の中の状況に、“なんでこんなことが起きるんだろう”と何度も考えました。そんな中、自然とメロディーが生まれ、そのメロディーから『一緒にいたい』という言葉が聞こえてきました。それを形にしたいと思い、『Together』という楽曲を制作しました」と打ち明けた。

　Toshlは中島みゆきの名曲「時代」（1975年）をカバー。「約半世紀前の楽曲が、時を超えて、時代を超えて、今まさにこのときに歌われるべき、また、多くの皆様にお届けしたい、言の葉、旋律、メッセージだと思います。日本人の心にずっと寄り添い、歌い継がれてきた良質な音楽、歌の力で、聴いてくださる皆様が、少しでも明るいお気持ちを灯していただけるよう、心を込めて歌いたいと思います」と語る。「このような危機的状況の中で、音楽、歌というものも、とても大切な生きる糧になるものであるとの願いを込めて歌いたいと思います」と言葉に力を込めた。

　このほか、Mステ×ジャニーズの新プロジェクト『WAになっておどろうプロジェクト』が8日放送回からスタート。V6のヒット曲「WAになっておどろう」（1997年発売）をテーマ曲とし、「みんなが家で踊って楽しめるダンス」をコンセプトに屋良朝幸が振付を一新。毎週1組のジャニーズ所属タレントがVTR出演し、踊る楽しさを伝える。

■5月8日放送『ミュージックステーション』出演者（50音順）
小沢健二「流動体について」
ゴスペラーズ「手を洗おう」
スガシカオ「Progress」
Superfly「Together」
Toshl「時代」
RADWIMPS　※新曲（タイトル未定）
MC：タモリ／並木万里菜アナウンサー