映画『渇き。』で6年前に女優デビューした小松菜奈。同作品で日本アカデミー賞新人賞を受賞し、その後怒涛の勢いで20本以上の映画に出演している。今年のアカデミー賞では、映画『閉鎖病棟』で助演女優賞を受賞。31日からは新たにジョージアの新商品のCMに起用されるなど、24歳にして華々しい経歴を重ねている。女優として多方面で活躍する彼女が高校生時代に迎えた転機とは。
■「仕事1本でやっていきたいという気持ちが芽生えた」理由とは
――ジョージアといえば山田孝之さんらが出演されているCMシリーズが印象的ですが、今回、「ラテニスタ」の新CMではメインお1人での抜擢となりましたね。
【小松菜奈】純粋に嬉しかったです。ジョージアさんのCMは、独特な世界観で、自然と目が留まってしまいます。「世界は誰かの仕事でできている。」というキャッチフレーズも、深くて素敵だなと思います。私も女優業をしていて、一人ではなく皆さんの力があって作品ができあがっているのを実感しているので、心に響きました。
――撮影はいかがでしたか?
【小松菜奈】オフィスという設定で、オシャレな世界観の中での撮影でした。衣装もかわいらしくて、「こんなお洋服で働けたら、テンションも上がるだろうな」と感じました。春にピッタリのCMになっていると思います。
――CMをはじめ、映画出演、モデル業と幅広く活躍されている小松さんですが、そもそも芸能界に入ったきっかけは何だったのでしょうか?
【小松菜奈】12歳の頃、原宿の竹下通りで母と買い物をしていた時にスカウトしていただいたんです。当時は芸能界のことを何も知らなかったですし、考えたこともなかったので驚きました。華やかなイメージがあったので、やっていけるのかなという不安もありましたね。
――地元の学校に通いながら、週末だけお仕事をされていたと伺いました。
【小松菜奈】そうですね。普通の学生生活を送りたかったですし、友達と遊ぶ時間も大事にしたくて。学校が終わったあと、みんなでごはんを食べたり、プリクラを撮りに行ったりする何気ない時間が楽しかったし、とても大切でした。
――その経験が今に生きている部分もありますか?
【小松菜奈】すごく重要だったと思います。青春時代をちゃんと味わえたことは自分にとって大きかったですし、地元の友達とは今でも仲がよくて。これからもそのつながりは大事にしたいと思っています。
――高校を卒業するタイミングで、この世界でやっていくことを決められたのでしょうか?
【小松菜奈】女優のお仕事を始めたのが高校3年生の時だったんです。学業のためにお断りしないといけないお仕事もあって。このお仕事をやりたかったな、悔しいな、という思いがあったからこそ、仕事1本でやっていきたいという気持ちが芽生えました。
■「悩みは常にある」ものの、「正解がないからこそ楽しい」
――女優として演技を始めた頃のことは覚えていますか?
【小松菜奈】演技というものに触れたことがなかったので、最初は本当に何もわからずで、不安も大きかったです。
――演じるのが難しい個性的な役も多い印象ですが、役作りに悩んだことは?
【小松菜奈】それは今でも、常にありますね。その役を自分なりにどう表現するかは自由で、決まりがないからこそ幅広くて不安です。何が相手にとっておもしろいんだろうと考えるとわからなくなってきますし、常にプレッシャーとの闘いです。
――そういったプレッシャーが小松さんの原動力なのでしょうか。
【小松菜奈】そうかもしれません。正解がないから不安もありますが、だからこそ楽しいです。現場で監督さんや周りの演者さんと話をして、自分なりのアプローチをしながら、現場で生まれるものを信じて手探りの状態でやっています。
――女優デビューから6年。新人賞から、助演女優賞、主演女優賞と数々の賞も受賞されています。始めた頃と比べて、意識が変わってきた部分はありますか?
【小松菜奈】そうですね、全然違うと思います。最初のうちは自分自身のことで精一杯だったんですけど、現場を重ねていくごとに、少しずつ周りも見えるようになってきたと思います。それと同時に、ものづくりの楽しさや、女優の魅力も感じています。
――最初は華やかなイメージがあったという芸能界ですが、実際にお仕事を続けてきて感じたことはありますか?
【小松菜奈】華やかなだけじゃないのはもちろん感じていて。自分が得意ではない分野でも、役柄のために挑戦しなければいけないことも出てくるので、努力が必要な場面も多いですが、その分、自分自身の可能性が広がることにもつながってるなと感じています。
――デビューから12年。振り返るとどんな12年でしたか?
【小松菜奈】いつも今年はすごく大変だったと思うんですけど、毎年それを超えてくるんですよ(笑)。でも、それが自分にとってプラスになっているのを感じますし、大変なことを乗り越えたからこそ今があるんだなと感じています。
来月公開予定の映画『糸』では、菅田将暉とW主演を務める。中島みゆきの名曲「糸」を映像化した作品で、離れ離れになった幼馴染との恋の行方を描いている。
「美しい」「かっこいい」「可愛い」「色っぽい」人によって小松菜奈の印象を表す言葉は異なる。作品によって表情を変える彼女の演技力あってこそだが、切ない運命を描いた『糸』やオフィス設定の新CMで、どんな新たな“小松菜奈”を見せてくれるのか今年も期待したい。
(取材・文=辻内史佳 撮影=逢坂聡)
■「仕事1本でやっていきたいという気持ちが芽生えた」理由とは
――ジョージアといえば山田孝之さんらが出演されているCMシリーズが印象的ですが、今回、「ラテニスタ」の新CMではメインお1人での抜擢となりましたね。
【小松菜奈】純粋に嬉しかったです。ジョージアさんのCMは、独特な世界観で、自然と目が留まってしまいます。「世界は誰かの仕事でできている。」というキャッチフレーズも、深くて素敵だなと思います。私も女優業をしていて、一人ではなく皆さんの力があって作品ができあがっているのを実感しているので、心に響きました。
――撮影はいかがでしたか?
【小松菜奈】オフィスという設定で、オシャレな世界観の中での撮影でした。衣装もかわいらしくて、「こんなお洋服で働けたら、テンションも上がるだろうな」と感じました。春にピッタリのCMになっていると思います。
――CMをはじめ、映画出演、モデル業と幅広く活躍されている小松さんですが、そもそも芸能界に入ったきっかけは何だったのでしょうか?
【小松菜奈】12歳の頃、原宿の竹下通りで母と買い物をしていた時にスカウトしていただいたんです。当時は芸能界のことを何も知らなかったですし、考えたこともなかったので驚きました。華やかなイメージがあったので、やっていけるのかなという不安もありましたね。
――地元の学校に通いながら、週末だけお仕事をされていたと伺いました。
【小松菜奈】そうですね。普通の学生生活を送りたかったですし、友達と遊ぶ時間も大事にしたくて。学校が終わったあと、みんなでごはんを食べたり、プリクラを撮りに行ったりする何気ない時間が楽しかったし、とても大切でした。
――その経験が今に生きている部分もありますか?
【小松菜奈】すごく重要だったと思います。青春時代をちゃんと味わえたことは自分にとって大きかったですし、地元の友達とは今でも仲がよくて。これからもそのつながりは大事にしたいと思っています。
――高校を卒業するタイミングで、この世界でやっていくことを決められたのでしょうか?
【小松菜奈】女優のお仕事を始めたのが高校3年生の時だったんです。学業のためにお断りしないといけないお仕事もあって。このお仕事をやりたかったな、悔しいな、という思いがあったからこそ、仕事1本でやっていきたいという気持ちが芽生えました。
■「悩みは常にある」ものの、「正解がないからこそ楽しい」
――女優として演技を始めた頃のことは覚えていますか?
【小松菜奈】演技というものに触れたことがなかったので、最初は本当に何もわからずで、不安も大きかったです。
――演じるのが難しい個性的な役も多い印象ですが、役作りに悩んだことは?
【小松菜奈】それは今でも、常にありますね。その役を自分なりにどう表現するかは自由で、決まりがないからこそ幅広くて不安です。何が相手にとっておもしろいんだろうと考えるとわからなくなってきますし、常にプレッシャーとの闘いです。
――そういったプレッシャーが小松さんの原動力なのでしょうか。
【小松菜奈】そうかもしれません。正解がないから不安もありますが、だからこそ楽しいです。現場で監督さんや周りの演者さんと話をして、自分なりのアプローチをしながら、現場で生まれるものを信じて手探りの状態でやっています。
――女優デビューから6年。新人賞から、助演女優賞、主演女優賞と数々の賞も受賞されています。始めた頃と比べて、意識が変わってきた部分はありますか?
【小松菜奈】そうですね、全然違うと思います。最初のうちは自分自身のことで精一杯だったんですけど、現場を重ねていくごとに、少しずつ周りも見えるようになってきたと思います。それと同時に、ものづくりの楽しさや、女優の魅力も感じています。
――最初は華やかなイメージがあったという芸能界ですが、実際にお仕事を続けてきて感じたことはありますか?
【小松菜奈】華やかなだけじゃないのはもちろん感じていて。自分が得意ではない分野でも、役柄のために挑戦しなければいけないことも出てくるので、努力が必要な場面も多いですが、その分、自分自身の可能性が広がることにもつながってるなと感じています。
――デビューから12年。振り返るとどんな12年でしたか?
【小松菜奈】いつも今年はすごく大変だったと思うんですけど、毎年それを超えてくるんですよ(笑)。でも、それが自分にとってプラスになっているのを感じますし、大変なことを乗り越えたからこそ今があるんだなと感じています。
来月公開予定の映画『糸』では、菅田将暉とW主演を務める。中島みゆきの名曲「糸」を映像化した作品で、離れ離れになった幼馴染との恋の行方を描いている。
「美しい」「かっこいい」「可愛い」「色っぽい」人によって小松菜奈の印象を表す言葉は異なる。作品によって表情を変える彼女の演技力あってこそだが、切ない運命を描いた『糸』やオフィス設定の新CMで、どんな新たな“小松菜奈”を見せてくれるのか今年も期待したい。
(取材・文=辻内史佳 撮影=逢坂聡)

2020/03/23