劇場アニメ3部作『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』(25日より連続公開)に出演している声優・関智一(狡噛慎也役)と野島健児(宜野座伸元役)。人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描いたSF作品で、昨年10月の東京国際映画祭にも出品されるなど海外人気も高い。『ドラえもん』スネ夫役(関)、『美少女戦士セーラームーンCrystal Season III』タキシード仮面役(野島)など、数多の人気作に出演してきた2人に、代表作や当たり役が持つ意味を改めて聞いてみると、「先輩の仕事を奪って今がある。いつ役を奪われるかわかりません。作品に依存してはだめ」と意外なほど緊張感にあふれた言葉が返ってきた。
■人気作出演も感じる世代交代 「先輩の仕事を奪って今がある。作品に依存してはだめ」
――東京国際映画祭に出品されるなど、海外からの注目も高い作品。今回の劇場版や作品自体に出会えた喜びなどを教えてください。
【野島】東京国際映画祭でレッドカーペットを歩く前、移動車のリムジンの中から終始ふざけていました。なので、ともに歩いた佐倉綾音さんから「もう! 二人とも緊張とかしないのですか!」と“霜月美佳”役柄そのままに怒られましたね(笑)。海外メディアが集まっている中を歩くってレッドカーペットくらいしかないですし、普段できないことを経験したので、浮足立っていました。僕らはキャラクターを演じることに集中しているので、作品の人気を客観的に見ることってあまりしなので、大勢の方が駆けつけていて驚きました。
【関】待合室の時から芸能人を探していましたよ。「あ、あそこに『カメラを止めるな!』の監督さんがいる!」みたいな(笑)ミーハー気分で楽しかったですね。アニメが放送された時、海外から注目される作品になるとは予想しませんでした。ヒットする作品は最初、酷評されることが業界にはあって、『PSYCHO-PASS サイコパス』も1話の収録の時に、ある方が「なにこれ? 意味がわからないなー」といっていましたし(笑)。ヒット要因としては今までのアニメ作品にない、理解を捉えきれない部分があったのではないかと。
【野島】1回視聴しただけでは理解ができないから、リピートする。何回も見たら、自動的にヒットになりますよね。中毒性があるのが、この作品の魅力なのかなと感じます。今回の映画化を聞いた時、僕らは今作に出演できるかはわかりませんでした。主人公が変わっているかも知れませんでしたし…。
【関】世代交代ね! 勢いのある子たちがこの立ち位置にいる可能性だってある(笑)。“今回は”無事に出演できました。それでも、キャラクターに対して過剰な思い入れはないです。「このキャラクター、役は俺のものだ!」みたいな偏った愛は、別の作品を含めてない。いつ役を奪われるかわかりませんしね。
作品に出演し続けることはうれしいことですが、作品に出られなくなってしまうことは仕方がないこと。そこで落ち込むことはないですね。僕らは、先輩たちの仕事、役を奪い取って生き残ってきているわけですから、芸歴を重ねた声優だから待つだけでなく、新しい行き場を探していく。なので、作品に依存してはダメなのです。
■“◯◯の声優”と代表作に出会えた喜び「作品の評価があって、声優の評価」
――数々のアニメの出演にしているお2人。『PSYCHO-PASS サイコパス』も代表作の一つと言えると思います。代表作を抱える声優にとって自身の名前よりも「◯◯の声優」と呼ばれることは、どういう意味を持ちますか。
【関】主人公・狡噛慎也役を担当して、プロフィール欄に同役の名前が“演じた代表作”として書かれています。初めて主演を務めた作品など思い出深い作品はあるのですが、代表作って自分でいうものではないので、自分の思いだけで“代表作”と認知されないのは当然。我々は演じる時、同じ愛情の配分でやっていますが、誰かが『関智一の代表作はこれだ!』と『PSYCHO-PASS サイコパス』を紹介してくれることは、作品の評価があって声優の評価となる。僕らは裏方、スタッフの一員ですので、作品が評価されればそれだけで十分。その中で、『◯◯の声優』と、自身の名前よりも作品やキャラクターの名前が出てくることは、うれしいですよ。声優は裏方の仕事ですので、作品の評価、知名度があってこそ、我々の代表作として呼ばれるわけですから、そんな代表作に出会えることは、大変光栄なことです。【野島】僕の場合は仲の良い後輩に電話をして「俺の代表作ってなんだ? 3つ挙げて」と客観的な視点で教えてもらっています。原作を読んでいて好きな作品があっても、アフレコ時には情は入れない。キャスト全員が私情を入れてしまい、急にいい声を出してしまったら作品がおかしくなりますよね(笑)あと、実は僕「声優をやっています」と人に言いたくないのです。「今、声優って流行っているよね!」と冷やかされたりするのもありますし、関さんがおっしゃっていた裏方の仕事ですので、大きく言いたくない気持ちがあります。
【関】そう! 僕らは裏方だからね。あと、職業を聞かれて「声優(せいゆう)」と答えると「西友(せいゆう)の社員ですか?」といわれることが本当に多い。声優業界のあるあるです(笑)。「20年近くやっています」なんていうと、「店長クラスですか?」と聞かれるので、最近は面倒になって「木更津店で働いています」と適当に答えています(笑)。
■人気作出演も感じる世代交代 「先輩の仕事を奪って今がある。作品に依存してはだめ」
――東京国際映画祭に出品されるなど、海外からの注目も高い作品。今回の劇場版や作品自体に出会えた喜びなどを教えてください。
【野島】東京国際映画祭でレッドカーペットを歩く前、移動車のリムジンの中から終始ふざけていました。なので、ともに歩いた佐倉綾音さんから「もう! 二人とも緊張とかしないのですか!」と“霜月美佳”役柄そのままに怒られましたね(笑)。海外メディアが集まっている中を歩くってレッドカーペットくらいしかないですし、普段できないことを経験したので、浮足立っていました。僕らはキャラクターを演じることに集中しているので、作品の人気を客観的に見ることってあまりしなので、大勢の方が駆けつけていて驚きました。
【関】待合室の時から芸能人を探していましたよ。「あ、あそこに『カメラを止めるな!』の監督さんがいる!」みたいな(笑)ミーハー気分で楽しかったですね。アニメが放送された時、海外から注目される作品になるとは予想しませんでした。ヒットする作品は最初、酷評されることが業界にはあって、『PSYCHO-PASS サイコパス』も1話の収録の時に、ある方が「なにこれ? 意味がわからないなー」といっていましたし(笑)。ヒット要因としては今までのアニメ作品にない、理解を捉えきれない部分があったのではないかと。
【野島】1回視聴しただけでは理解ができないから、リピートする。何回も見たら、自動的にヒットになりますよね。中毒性があるのが、この作品の魅力なのかなと感じます。今回の映画化を聞いた時、僕らは今作に出演できるかはわかりませんでした。主人公が変わっているかも知れませんでしたし…。
【関】世代交代ね! 勢いのある子たちがこの立ち位置にいる可能性だってある(笑)。“今回は”無事に出演できました。それでも、キャラクターに対して過剰な思い入れはないです。「このキャラクター、役は俺のものだ!」みたいな偏った愛は、別の作品を含めてない。いつ役を奪われるかわかりませんしね。
作品に出演し続けることはうれしいことですが、作品に出られなくなってしまうことは仕方がないこと。そこで落ち込むことはないですね。僕らは、先輩たちの仕事、役を奪い取って生き残ってきているわけですから、芸歴を重ねた声優だから待つだけでなく、新しい行き場を探していく。なので、作品に依存してはダメなのです。
■“◯◯の声優”と代表作に出会えた喜び「作品の評価があって、声優の評価」
――数々のアニメの出演にしているお2人。『PSYCHO-PASS サイコパス』も代表作の一つと言えると思います。代表作を抱える声優にとって自身の名前よりも「◯◯の声優」と呼ばれることは、どういう意味を持ちますか。
【関】主人公・狡噛慎也役を担当して、プロフィール欄に同役の名前が“演じた代表作”として書かれています。初めて主演を務めた作品など思い出深い作品はあるのですが、代表作って自分でいうものではないので、自分の思いだけで“代表作”と認知されないのは当然。我々は演じる時、同じ愛情の配分でやっていますが、誰かが『関智一の代表作はこれだ!』と『PSYCHO-PASS サイコパス』を紹介してくれることは、作品の評価があって声優の評価となる。僕らは裏方、スタッフの一員ですので、作品が評価されればそれだけで十分。その中で、『◯◯の声優』と、自身の名前よりも作品やキャラクターの名前が出てくることは、うれしいですよ。声優は裏方の仕事ですので、作品の評価、知名度があってこそ、我々の代表作として呼ばれるわけですから、そんな代表作に出会えることは、大変光栄なことです。【野島】僕の場合は仲の良い後輩に電話をして「俺の代表作ってなんだ? 3つ挙げて」と客観的な視点で教えてもらっています。原作を読んでいて好きな作品があっても、アフレコ時には情は入れない。キャスト全員が私情を入れてしまい、急にいい声を出してしまったら作品がおかしくなりますよね(笑)あと、実は僕「声優をやっています」と人に言いたくないのです。「今、声優って流行っているよね!」と冷やかされたりするのもありますし、関さんがおっしゃっていた裏方の仕事ですので、大きく言いたくない気持ちがあります。
【関】そう! 僕らは裏方だからね。あと、職業を聞かれて「声優(せいゆう)」と答えると「西友(せいゆう)の社員ですか?」といわれることが本当に多い。声優業界のあるあるです(笑)。「20年近くやっています」なんていうと、「店長クラスですか?」と聞かれるので、最近は面倒になって「木更津店で働いています」と適当に答えています(笑)。
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2019/01/24