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誰もが知っている「渋谷の街」が舞台に 新作アニメ『revisionsリヴィジョンズ』

 今後10年で街の風景が大きく変わるであろう、大規模でかつ総合的な開発が目白押しの東京・渋谷。刻々と変わりゆく街ゆえに、いまはもう見ることができない“2017年の渋谷” を写実的に切り取ったテレビアニメのオリジナル作品が、1月9日より放送開始となる。昨年10月にスタートしたフジテレビの新しいアニメ枠(深夜30分枠)「+Ultra」の第2弾『revisionsリヴィジョンズ』(毎週水曜 24:55)。突如、渋谷の中心部だけが300年以上先の「未来」に飛ばされてしまう物語だ。確かな存在感、既視感を観る者に与える「渋谷の街」の制作秘話を、監督の谷口悟朗氏、CG監督の平川孝充氏から聞いた。

フジテレビ「+Ultra」第2弾作品として2019年1月より放送される『revisions リヴィジョンズ』監督の谷口悟朗氏とCG監督の平川孝充氏 (C)ORICON NewS inc.

フジテレビ「+Ultra」第2弾作品として2019年1月より放送される『revisions リヴィジョンズ』監督の谷口悟朗氏とCG監督の平川孝充氏 (C)ORICON NewS inc.

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 谷口監督は、第36回星雲賞(アニメ部門)受賞作『プラネテス』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』などで世界のアニメファンにもその名を知られる。平川CG監督は、実写映画『永遠の0』『ALWAYS 三丁目の夕日』など心揺さぶる数々の映像を生み出した白組のスタッフ。今回、白組としてははじめて、3DCGでメインキャラクターを描ききる1クールのテレビアニメ作品の制作を一手に担う。

――オリジナルアニメで変わりゆく渋谷を描きたかったのか、それとも別の理由があって、渋谷を描くことになったのですか?

【谷口監督】まず、すごくがっかりさせるようなことを言わせていただくと、一番はお金の問題(笑)。今回、白組さんと組んで、ほぼ3DCGで制作することになりました。決められた予算と時間の中で、30分枠のテレビアニメを1クール分12本制作するとなった時に、美術的なセットの数や登場するキャラクターの数は自ずと限られてきてしまう。そこを無理して頑張ったところで、いいことはない。

 白組さんの技術力には何の心配もしていなかったけど、3DCGでのテレビアニメを丸っと一作手がけるのははじめてとのことでしたので、いろんなリスクを想定していった時に、シリーズ構成・脚本の深見さん(『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズなどの深見真氏)に相談したら、「限定したエリアを未来に飛ばしちゃう、そういう舞台設定の物語にしたらどうだろう」というアイデアが出てきたんです。そうすればCGで作る美術セットもある程度限定できる。渋谷が未来に飛ぶことになったもともとの理由です(笑)。

――いきなりのぶっちゃけ話、ありがとうございます。では、なぜ渋谷なんですか? 架空の街でも、あるいは新宿や池袋、ほかの地方都市の可能性もあったんでしょうか。

【谷口監督】小説、漫画、ゲームなど、多角的に展開できるような形で作ってほしいというのが製作委員会の要望としてありました。『TOKYO JUNGLE』(2012年)というゲームがあって、東京の渋谷・原宿・代々木一帯が動物だらけになっちゃってたゲームなんだけど、ある程度、多くの人が見知ったところが出てくると、感覚としては楽しいから、渋谷を転送させるのは「あり」なんじゃないかって話はしました。

 それと、今回、「海外にアニメカルチャーを広げたい」というコンセプトで、世界基準のアニメ作品を世界にも打ち出していく「+Ultra」というアニメ枠の作品ということもあって、世界中から観光客が集まっている渋谷のスクランブル交差点は、世界基準で見てもわかりやすい場所なんじゃないかと。それに、渋谷には住んでいる人たちも、働いている人たちも、遊びに来ている人も、外国人観光客もいる。そういう背景を地に足の着いた形で表現できたら面白いと思いました。

■世界に向けて発信するのであれば、渋谷が一番キャッチー

【平川CG監督】白組としても谷口監督と一緒にやれるということで、スタッフのモチベーションもすごく高くて、さらに、渋谷駅を中心に半径約1キロくらいの街並みを作れるということに関しては、大歓迎だったというか、架空の街を一から作っていくより、実在の街をモデルにする方が3DCGのいろんな技術が生かせるのは間違いないですからね。物語としては、新宿や池袋でもよかったかもしれませんが、谷口監督がおっしゃる通り、世界に向けて発信するのであれば、渋谷が一番キャッチーだと思いましたし、何より(白組のスタジオがある)三軒茶屋からも近い(笑)。

【谷口監督】平川さんたちが、まずスクランブル交差点をきっちり作ってくれたので、これは行ける!と思いましたよ。

【平川CG監督】僕たちもそう思いました(笑)。渋谷の街はいま大改造中ですので、転送されることで「2017年の渋谷」に限定される。先に作業を進めていたこともあって「2017年」なんですが、その当時、存在していなかったものは描いてはいけない。2019年に放送される時は、「いまはない渋谷」です。一方で、スクランブル交差点をはじめ、誰もが「渋谷だな」とわかる風景もたくさん出てくると思います。テレビアニメという予算やスケジュールなどの制約がある中では、かなり自信を持ってお見せできるものになった、と個人的には思っています。

【谷口監督】一つ、聞いていい? 今回のように渋谷の街をCGで再現するってなった時に、『三丁目の夕日』とか映画のノウハウとか役に立っているんですか?

【平川CG監督】(笑って)広い意味では役に立っているとは思います。渋谷ではなく、東京タワー方面の街を転送させた方がよかったんじゃないかって話は、半分、冗談で出ましたからね(笑)。でも、今回、がっつり渋谷を作ってみようというチャレンジをさせてもらえて、本当に光栄でした。

【谷口監督】「変わりゆく渋谷を作品に残そう」とか、大仰なことはまったく考えてなかったし、2017年の渋谷が描かれていることに歴史的意義を見いだすことがあるのか、ないのか、それは時間が経ってみないとわからないこと。ただ、白組さんが作ってくれた映像は、おそらく後世に残る、その価値がある素晴らしいものだと思います。

■ストーリー
 幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂嶋大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象「渋谷転送」に巻き込まれる。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。

 理由もわからぬまま化け物に蹂躙(じゅうりん)されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。

 孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。少年少女たちは、「現在(いま)」を取り戻すために「未来」と戦うことを選ぶ。必ず、元の時代へ戻るために。

■公式ホームページ
http://revisions.jp/

■スタッフ
原作:S・F・S
監督:谷口悟朗
CG監督:平川孝充
シリーズ構成:深見真/橋本太知
キャラクターデザイン原案:近岡直
メカデザイン:新井陽平
CGキャラクターデザイン:白井順
BGコンセプトアーティスト:白田真人
MattePaintディレクター:大西穣
美術・設定:坂本竜
色彩設計:長尾朱美
撮影監督:高橋和彦
編集:齋藤朱里
音響監督:明田川仁
音楽:菊地梓
オープニングテーマ THE ORAL CIGARETTES「ワガママで誤魔化さないで」(A-Sketch)
エンディングテーマ WEAVER「カーテンコール」(A-Sketch)
企画:スロウカーブ
アニメーション制作:白組
制作:リヴィジョンズ製作委員会

■キャスト
堂嶋大介 内山昂輝
ミロ:小松未可子
張(ジャーン)・剴(ガイ)・シュタイナー:島崎信長
張・露(ルウ)・シュタイナー:高橋李依
手真輪愛鈴(てまり・まりん):石見舞菜香
浅野慶作:斉藤壮馬
チハル・イスルギ:日笠陽子
ムキュー・イスルギ:田村ゆかり
堂嶋幹夫:櫻井孝宏
矢沢悠美子:遠藤綾
黒岩亮平:てらそままさき
牟田誠一郎:飛田展男
泉海香苗:寺崎裕香
ニコラス・サトウ:大塚芳忠

関連写真

  • フジテレビ「+Ultra」第2弾作品として2019年1月より放送される『revisions リヴィジョンズ』監督の谷口悟朗氏とCG監督の平川孝充氏 (C)ORICON NewS inc.
  • キービジュアル(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 堂嶋大介(CV:内山昂輝)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 堂嶋大介(CV:内山昂輝)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 内山昂輝
  • ミロ(CV:小松未可子)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 小松未可子
  • 張・剴(ガイ)・シュタイナー(CV:島崎信長)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 張・剴(ガイ)・シュタイナー(CV:島崎信長)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 島崎信長
  • 張・露(ルウ)・シュタイナー(CV:高橋李依)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 張・露(ルウ)・シュタイナー(CV:高橋李依)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会
  • 高橋李依
  • 手真輪愛鈴(CV:石見舞菜香)=フジテレビ「+Ultra」第2弾作品『revisions リヴィジョンズ』(1月9日スタート)(C)リヴィジョンズ製作委員会

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