2016年11月12日の劇場公開以来、1日も途絶えることなく映画館での上映を続けているアニメーション映画『この世界の片隅に』。73回目の終戦記念日となった15日、東京・テアトル新宿で同作の再上映が行われ、上映後の舞台あいさつに主人公・すずの声優を務めた女優・のん(25)、片渕須直監督(58)が登壇し、劇中のシーンなどを振り返りながら終戦への思いを語った。
同作は、こうの史代氏同名漫画を原作に、片渕氏がクラウドファンディングで製作資金の一部を集めるなどして、6年の歳月をかけて完成させた作品。2016年11月の公開以降、今年に入っても上映が続くロングラン作品となり、累計動員数は209万人、累計興行収入は27億円、連続上映日数は642日、今年の夏の再上映館数は27劇場(うち11館で舞台あいさつ)、国内外あわせて約70の賞を受賞している。
片渕監督は、当初は公開を8月にした方がいいという声が多く寄せられていたことを明かした上で「8月以外にもいろんなことがあって、すずさんもずっと長い日々を生きているということをわかっていただく機会になるかなということで、11月にしました」と説明。「8月15日のポツダム宣言受諾からの1週間で、何が行われていたのかなと調べてみたら、たくさんの兵隊が復員しないといけないので、退職金の計算をしていたりして…。戦争というのは非日常ですが、一方で退職金や復員する際の移動手段はどうするかといった普通のことを考える不思議な世界で、すずさんがその隅っこにいたんだな」と語った。
一方、のんは同作での終戦シーンについて「監督とそのシーンのお話をしていた時に、本当に終戦の日にすずさんみたいに、気付いたら涙がぽろぽろ出てきた人がたくさんいらしいとおっしゃっていて、自分でも説明できない感情がいっぱいあるんだなと感じました」としみじみ。「すずさんはそれだけ自分の中に押し込んでいる感情があって、終戦の日にあふれ出てしまったのかなと考えたので、あのシーンは怒りを込めて演じました」と言葉に力を込めた。
12月からは、同作に新規場面約30分を付け足した別バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が、テアトル新宿・ユーロスペースほかで劇場公開されることも決定。主人公のすずが、嫁ぎ先の町で初めて出会った同世代の女性リンとの交流を描いた、昭和19年秋と昭和20年冬から春にかけてのエピソード、さらに妹のすみを案じて過ごす中で迎える20年9月の枕崎台風のシーンなどが追加されている。
このほど新作の特報映像が公開されたが、片渕監督は「今までにないすずさんの感じが出せるといいなと思っていて、それのいいテストケースになればということで、のんさんにやってもらいました。原作者のこうの史代先生が聞いてくださって『今までにない大人のすずさんですね。すごくよかったです』とおっしゃっていました」と自信を見せる。のんは「本当にうれしいです、そう言っていただけるとありがたいですね。ほめ言葉ですよね?」と確認すると、会場から笑いが起こった。
のんは改めて「こんなに長く作品と付き合っているのは初めてなので、とても貴重な体験で、こんなにみなさんに愛されている作品は世界中どこを見てもこれだけなんじゃないかと思ってしまうほど、すごくうれしいです」とロングランに感謝。「これから付け足していくすずさんのシーンが、こうの先生がおっしゃるように、大人っぽい部分があるので、そこをもっと掘り下げて、監督と密にやっていけたらなと思います」と意気込んでいた。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
同作は、こうの史代氏同名漫画を原作に、片渕氏がクラウドファンディングで製作資金の一部を集めるなどして、6年の歳月をかけて完成させた作品。2016年11月の公開以降、今年に入っても上映が続くロングラン作品となり、累計動員数は209万人、累計興行収入は27億円、連続上映日数は642日、今年の夏の再上映館数は27劇場(うち11館で舞台あいさつ)、国内外あわせて約70の賞を受賞している。
片渕監督は、当初は公開を8月にした方がいいという声が多く寄せられていたことを明かした上で「8月以外にもいろんなことがあって、すずさんもずっと長い日々を生きているということをわかっていただく機会になるかなということで、11月にしました」と説明。「8月15日のポツダム宣言受諾からの1週間で、何が行われていたのかなと調べてみたら、たくさんの兵隊が復員しないといけないので、退職金の計算をしていたりして…。戦争というのは非日常ですが、一方で退職金や復員する際の移動手段はどうするかといった普通のことを考える不思議な世界で、すずさんがその隅っこにいたんだな」と語った。
一方、のんは同作での終戦シーンについて「監督とそのシーンのお話をしていた時に、本当に終戦の日にすずさんみたいに、気付いたら涙がぽろぽろ出てきた人がたくさんいらしいとおっしゃっていて、自分でも説明できない感情がいっぱいあるんだなと感じました」としみじみ。「すずさんはそれだけ自分の中に押し込んでいる感情があって、終戦の日にあふれ出てしまったのかなと考えたので、あのシーンは怒りを込めて演じました」と言葉に力を込めた。
12月からは、同作に新規場面約30分を付け足した別バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が、テアトル新宿・ユーロスペースほかで劇場公開されることも決定。主人公のすずが、嫁ぎ先の町で初めて出会った同世代の女性リンとの交流を描いた、昭和19年秋と昭和20年冬から春にかけてのエピソード、さらに妹のすみを案じて過ごす中で迎える20年9月の枕崎台風のシーンなどが追加されている。
このほど新作の特報映像が公開されたが、片渕監督は「今までにないすずさんの感じが出せるといいなと思っていて、それのいいテストケースになればということで、のんさんにやってもらいました。原作者のこうの史代先生が聞いてくださって『今までにない大人のすずさんですね。すごくよかったです』とおっしゃっていました」と自信を見せる。のんは「本当にうれしいです、そう言っていただけるとありがたいですね。ほめ言葉ですよね?」と確認すると、会場から笑いが起こった。
のんは改めて「こんなに長く作品と付き合っているのは初めてなので、とても貴重な体験で、こんなにみなさんに愛されている作品は世界中どこを見てもこれだけなんじゃないかと思ってしまうほど、すごくうれしいです」とロングランに感謝。「これから付け足していくすずさんのシーンが、こうの先生がおっしゃるように、大人っぽい部分があるので、そこをもっと掘り下げて、監督と密にやっていけたらなと思います」と意気込んでいた。
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2018/08/15