2017年の芸能ニュースでも最大級の話題になった『稲垣・草なぎ・香取 3人でインターネットはじめます「72時間ホンネテレビ」』をはじめ、『亀田興毅に勝ったら1000万円』など世間的に反響の大きな番組や、若い世代をターゲットにした画期的な番組を次々と放送しているインターネットテレビ局・AbemaTV。今年1月からは初となるオリジナルドラマ2作品を放送するなど、さらなる充実を見せる。
オリジナルドラマ『#声だけ天使』へかける思いを聞いたインタビュー前編につづき、後編ではもう一つのドラマや今後の作品の予定、地上波テレビとの距離感や局の目指す方向など、その考えに迫った。
■2本目のオリジナルドラマは…「“話が違うじゃん”となりそうですが(笑)」
同局初のオリジナルドラマ『#声だけ天使』は、完全オリジナル脚本で、メインキャストもすべてオーディションで決めるなど、妥協のないクオリティーを追求し、AbemaTVが今後目指していく方向性を示す作品となっている。一方、同じく今月からスタートするオリジナルドラマ第2弾『やれたかも委員会』(27日スタート・毎週土曜 後11:00)は、原作漫画のある作品で、主演は憑依芸人として人気を集める秋山竜次(ロバート)が務める。男性なら誰しもが1度は感じたことのある“あのとき、もしかしたら、あの子とやれていたかもしれない……”というエピソードを依頼者が持ち込み、秋山が演じる犠星塾塾長・能島明などの「やれたかも委員会」が“やれたかどうか”判定していく。
藤田氏は「この作品については、『#声だけ天使』について語ったことと“話が違うじゃん”となりそうですが」と笑いながら、狙いを明かしてくれた。「ウチの社員があの漫画をSNSでよく拡散していて、自分も見てみたらネットとの相性も良さそうなので、AbemaTVでドラマ化するのがピッタリだと。リリースを出したらネットもザワザワするかなと思って(笑)。新規でオリジナルエピソードも追加しています」。
原作者との交渉は、藤田氏自らが行った。『ホンネテレビ』の企画を思いつき、3人の事務所との交渉の際も最初から藤田氏が参加するなど、大企業のトップとは思えないほどフットワークは軽い。「出しゃばっているように見えるかもしれませんが、人任せにしたら死んでも死にきれないと思っています。テレビを作りたい人なんて世の中にたくさんいますし、人任せでは危うい。それに、最後は自分が責任を取れる状態にしておきたい」。AbemaTVを始める以前から、藤田氏がサイバーエージェントの社長としてさまざまなビジネスを手がけてきたが、「新しいことをやり始めるときは、自分が責任を持ってやらないといけないという教訓を持っています」といい、その考えで今はオリジナルドラマに取り組んでいる。
AbemaTVが地上波テレビのドラマと同じ方向を目指しても、歴史も規模もケタ違いのため勝算は低い。ならば、独自のらしさを追求して、まずはクオリティーに対する信頼感を作る。それを積み重ね、「いずれは地上波テレビのドラマと肩を並べて、週刊誌がやってる『今クールのドラマ期待度ランキング』に名前が入るようにしたい。同じ土俵で闘っていきたいですね」と藤田氏の目標は高い。
ちなみに、まだ発表されていない第3弾ドラマについて、ヒントを聞いてみると「会社を作って成功していくストーリーです」。ご自身がモデルですか?と尋ねると「そんな感じですね(笑)。地上波テレビがたまにそういう話を作るけど、リアリティーがないんですよね。その辺の話は自分や周囲の会社がよく知っているので、少しは自分の体験談が入ると思います」と笑顔で明かしてくれた。
■局の方向性を示した第1弾ドラマを携え、2018年はさらなる飛躍を目指す
既存のAbemaTVのバラエティーでは、『おぎやはぎの「ブス」テレビ』や童貞を応援する『DTテレビ』など、地上波にはないエッジの効いた尖った番組が人気を集めている。これらは藤田氏も参加する毎週の企画会議「トンガリスト会議」から誕生してきた。「地上波ができない過激なものや、尖った企画ならOKというわけではないです。尖ると面白いは意味が違うし、尖っただけなら悪質YouTuberと変わらない。面白くても明らかに誰かを傷つけるような番組もやりません。ただ、今後メディアが大きくなっても私の目の黒いうちは、必要以上の自主規制はしたくない。面白いという基準は大事にしたいです」。
ネット経由ということで、AbemaTVはAmazonプライムやNetflix、Huluなどの配信サービスと同列に語られることもあるが「無料と有料でサービスとして大きく異なりますし、リニア放送とオンデマンドという決定的な違いもあるので、併用してほしいですね」と差別化を強調する。Amazon FireTVやGoogleクロームキャストなどで、これらの配信はテレビでも視聴できるため「ネット配信映像を見るという文化・視聴環境が広まってほしいので、みんなで頑張りましょう、という思いです」と、まずは配信サービスの普及をともに目指したい考えだ。
この春から3年目に突入し、オリジナルドラマの制作で新たなステージへ進むAbemaTV。「このドラマを見て『自分もこういう作品を作りたい』と思ったクリエイターに集まってほしいので、1作目は絶対に方向性をブラしたくなかった。そして、それは実現できたと思う」と藤田氏は自信を込める。クリエイターとは、裏方のスタッフだけではなく出演者のタレントも含まれている。「地上波のテレビは枠があるので、新しい番組を始めるには非常にハードルが高いですが、AbemaTVは面白いアイデアだったらすぐに実現できます」とアピールし、実際に企画を持ってくるお笑い芸人も多いようだ。
AbemaTVはこの年末年始も『朝青龍を押し出したら1000万円』や『ももクロ 年越しカウントダウンLIVE「ももいろ歌合戦」完全生中継!』、『新春ボクシング祭り!亀田一家人生を賭けた3大勝負』など話題のコンテンツを多数放送。藤田社長も元日午後7時から放送された『27時間麻雀生放送「RTD駅伝」』にプレイヤーとして出演していた。面白さを追求する姿勢はそのままに、クオリティーファーストのオリジナルドラマという目玉コンテンツを携え、今年のAbemaTVはどのような進化を見せるのだろうか。
オリジナルドラマ『#声だけ天使』へかける思いを聞いたインタビュー前編につづき、後編ではもう一つのドラマや今後の作品の予定、地上波テレビとの距離感や局の目指す方向など、その考えに迫った。
■2本目のオリジナルドラマは…「“話が違うじゃん”となりそうですが(笑)」
同局初のオリジナルドラマ『#声だけ天使』は、完全オリジナル脚本で、メインキャストもすべてオーディションで決めるなど、妥協のないクオリティーを追求し、AbemaTVが今後目指していく方向性を示す作品となっている。一方、同じく今月からスタートするオリジナルドラマ第2弾『やれたかも委員会』(27日スタート・毎週土曜 後11:00)は、原作漫画のある作品で、主演は憑依芸人として人気を集める秋山竜次(ロバート)が務める。男性なら誰しもが1度は感じたことのある“あのとき、もしかしたら、あの子とやれていたかもしれない……”というエピソードを依頼者が持ち込み、秋山が演じる犠星塾塾長・能島明などの「やれたかも委員会」が“やれたかどうか”判定していく。
藤田氏は「この作品については、『#声だけ天使』について語ったことと“話が違うじゃん”となりそうですが」と笑いながら、狙いを明かしてくれた。「ウチの社員があの漫画をSNSでよく拡散していて、自分も見てみたらネットとの相性も良さそうなので、AbemaTVでドラマ化するのがピッタリだと。リリースを出したらネットもザワザワするかなと思って(笑)。新規でオリジナルエピソードも追加しています」。
原作者との交渉は、藤田氏自らが行った。『ホンネテレビ』の企画を思いつき、3人の事務所との交渉の際も最初から藤田氏が参加するなど、大企業のトップとは思えないほどフットワークは軽い。「出しゃばっているように見えるかもしれませんが、人任せにしたら死んでも死にきれないと思っています。テレビを作りたい人なんて世の中にたくさんいますし、人任せでは危うい。それに、最後は自分が責任を取れる状態にしておきたい」。AbemaTVを始める以前から、藤田氏がサイバーエージェントの社長としてさまざまなビジネスを手がけてきたが、「新しいことをやり始めるときは、自分が責任を持ってやらないといけないという教訓を持っています」といい、その考えで今はオリジナルドラマに取り組んでいる。
AbemaTVが地上波テレビのドラマと同じ方向を目指しても、歴史も規模もケタ違いのため勝算は低い。ならば、独自のらしさを追求して、まずはクオリティーに対する信頼感を作る。それを積み重ね、「いずれは地上波テレビのドラマと肩を並べて、週刊誌がやってる『今クールのドラマ期待度ランキング』に名前が入るようにしたい。同じ土俵で闘っていきたいですね」と藤田氏の目標は高い。
ちなみに、まだ発表されていない第3弾ドラマについて、ヒントを聞いてみると「会社を作って成功していくストーリーです」。ご自身がモデルですか?と尋ねると「そんな感じですね(笑)。地上波テレビがたまにそういう話を作るけど、リアリティーがないんですよね。その辺の話は自分や周囲の会社がよく知っているので、少しは自分の体験談が入ると思います」と笑顔で明かしてくれた。
■局の方向性を示した第1弾ドラマを携え、2018年はさらなる飛躍を目指す
既存のAbemaTVのバラエティーでは、『おぎやはぎの「ブス」テレビ』や童貞を応援する『DTテレビ』など、地上波にはないエッジの効いた尖った番組が人気を集めている。これらは藤田氏も参加する毎週の企画会議「トンガリスト会議」から誕生してきた。「地上波ができない過激なものや、尖った企画ならOKというわけではないです。尖ると面白いは意味が違うし、尖っただけなら悪質YouTuberと変わらない。面白くても明らかに誰かを傷つけるような番組もやりません。ただ、今後メディアが大きくなっても私の目の黒いうちは、必要以上の自主規制はしたくない。面白いという基準は大事にしたいです」。
ネット経由ということで、AbemaTVはAmazonプライムやNetflix、Huluなどの配信サービスと同列に語られることもあるが「無料と有料でサービスとして大きく異なりますし、リニア放送とオンデマンドという決定的な違いもあるので、併用してほしいですね」と差別化を強調する。Amazon FireTVやGoogleクロームキャストなどで、これらの配信はテレビでも視聴できるため「ネット配信映像を見るという文化・視聴環境が広まってほしいので、みんなで頑張りましょう、という思いです」と、まずは配信サービスの普及をともに目指したい考えだ。
この春から3年目に突入し、オリジナルドラマの制作で新たなステージへ進むAbemaTV。「このドラマを見て『自分もこういう作品を作りたい』と思ったクリエイターに集まってほしいので、1作目は絶対に方向性をブラしたくなかった。そして、それは実現できたと思う」と藤田氏は自信を込める。クリエイターとは、裏方のスタッフだけではなく出演者のタレントも含まれている。「地上波のテレビは枠があるので、新しい番組を始めるには非常にハードルが高いですが、AbemaTVは面白いアイデアだったらすぐに実現できます」とアピールし、実際に企画を持ってくるお笑い芸人も多いようだ。
AbemaTVはこの年末年始も『朝青龍を押し出したら1000万円』や『ももクロ 年越しカウントダウンLIVE「ももいろ歌合戦」完全生中継!』、『新春ボクシング祭り!亀田一家人生を賭けた3大勝負』など話題のコンテンツを多数放送。藤田社長も元日午後7時から放送された『27時間麻雀生放送「RTD駅伝」』にプレイヤーとして出演していた。面白さを追求する姿勢はそのままに、クオリティーファーストのオリジナルドラマという目玉コンテンツを携え、今年のAbemaTVはどのような進化を見せるのだろうか。
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2018/01/03