「〇〇アウトー!」。この声が聞こえる大みそかの夜まで、いよいよあと1週間となった。日本テレビ系の人気バラエティー番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の大みそか年越しスペシャル『絶対に笑ってはいけない』も今年で12回目。ダウンタウンの松本人志(54)、浜田雅功(54)、ココリコの遠藤章造(46)、田中直樹(46)とともに毎年体を張っているのが月亭方正(49)だ。常に新しい笑いを提供している『ガキ使』年末特番の魅力を迫るべく、方正のもとを訪ねてみると「もう12年もやってんねんな」とかみしめるように語り出した。
■あうんの呼吸が生み出す“即興芸” ここ数年は「毎回、最後だと思って出し切る」
昨年は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけない科学博士24時』(Blu-ray&DVDが現在発売中)と題して、さまざまな仕掛けに翻弄された。「ダウンタウンさんが受けた、飲んだらバチってなる『サイエンスショック』みたいに、今まで見たこともない罰が未だに出てくる。『方正、〇〇』って言われた時に、聞いたことのない言葉やった時は、ホンマに怖いからね」。方正が最も印象に残っているのは、自身が鉄腕アトムに扮して、ウランのコスプレをした子役の咲希(8)とのやりとりだという。
「自分で言うのもあれやけど、あそこは好きやね。8歳の娘が50歳のおっさんと普通に会話ができて、オレが言ったことをちゃんと答えてくれるってスゴいなと思った。オレが『コラ! ウラン』って怒らないとアカン部分もあるんやけど、そこで(相手が)ビビったらどうしようとかという心配もあった。でも、あれだけの受け答えができるってスゴいなと思って、終わった後に思わずあの娘のこと調べてしまった(笑)」。
仕掛けは用意されているが、それに対する5人のリアクションはもちろん即興によるものだ。「どういう風に進んでいくかっていうのは、あの場の空気で、台本とかないんやけど、みんながあうんの呼吸でそれぞれの仕事をしているって感じですね。スタッフの皆さんも緊張感をうまく作っていて、5人が『タイキックは田中』という前提で並走していたつもりが、急に風向きがグッと変わる時がある。だから、全員がオモロイと怖いっていうのを同時に抱えながら時間を過ごしていて、そういう予定調和じゃないところも、面白いと思っていただいているところじゃないかな」。
今年のタイトルは『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』だが、方正は「今年の罰もね『これは野球経験者やな』っていうのがスイングでわかんねん」とポツリ。「オレも正直、10回目というのは区切りやなと思っていたから、3〜4年くらい前から『今回が最後』だと思って出し切っている。ここ5年くらいは、美容院とか行った時に『今年あるんですか?』って聞かれたら『いやーないと思うな』ってずっと言っているもん」と率直な思いを打ち明けた。
■方正が考える『笑ってはいけない』の引き際 蝶野の“ビンタ封印”発言に本音
大みそかの風物詩となっている『笑ってはいけない』シリーズだが、気付けば5人の平均年齢はほぼ50歳。“引き際”が頭をよぎる時もある。「ダウンタウンさんも来年55歳になる。最近は、これをやっている時に昼間は元気がいいけど、夕方のこの時間帯は2人とも一切しゃべらへんなっていう時があって…後輩としてね『お疲れ様です』って思うんやけど、そういう自分も50歳やねん(笑)。まだ、罰を受けていてもみんなが笑えると思うんやけど、やっぱりおじいちゃんがシバかれていたら引くと思うねん。そうなったら終わりかなと思う」。
引き際といえば、見どころのひとつとなっているプロレスラーの蝶野正洋による方正への“強烈ビンタ”も今年大きな動きがあった。ジャズトランペット奏者の日野皓正が、コンサート中に教え子を往復ビンタしたことが騒動化。9月8日発売の写真週刊誌『FRIDAY』(講談社)でインタビューに応じた蝶野が「日野さんのビンタは、(比較的安全な)首元もうまく捉えられていない上、予告なしでの往復ビンタ。オレが方正くんにビンタする時は、当たりどころは意識して、なるべく危なくないようにしています」としながらも「今回の件が論争を呼んでいますし、今年はオファーがあってもビンタはしません」と語っていた。
この件を方正に聞くと、口元がふっと緩んだ。「あれを読んだ時に『やっと、ゆっくりできる』って思って、スゴい喜んだもん(笑)。蝶野さん以外の人にビンタされるのは、ホンマに意味がわからないから。今回どうなっているかは言われないけど、日野さんが来て、オレにビンタするっていうのはオモロイかなと。あれだけ言われた日野さんが出てきてビンタするってなったら、一応ドラムをめちゃくちゃに叩く練習をせなアカンかなって一瞬思った。もちろん、体罰はいけないことっていうのは大前提やけど、バラエティーの流れでオレに対してやったら、そういうこともあるかもしれないなという想定はちょっとしていたね」。
全員が心身ともにクタクタになる『笑ってはいけない』だが、そんな疲れが一気に吹き飛ぶ瞬間があるのだと方正は言葉に力を込める。「これは僕の想像ですけど、5人がみんな嫌がっていて、ツラいと感じながらも収録が終わる。それから、出来上がったVTRを8時間くらいお客さんと一緒に見るんですけど、最後のエンディングで、これまでのハイライトを歌詞に乗せて振り返る歌があるやん? あれを見ると『今年もやってよかった』って毎年思う。目の前のお客さんたちが、これだけ笑ってくれている。それを見て、大みそかを楽しみにしてくれている人がおるんやなって実感する。何かね、みんな泣きそうになっているもん(笑)。あの歌を聞いて、笑い泣きというかね、いい表情になっているね。芸人冥利につきると思う」。今年も「アウトー!」の数だけ生まれる笑いをじっくりと堪能したい。
■あうんの呼吸が生み出す“即興芸” ここ数年は「毎回、最後だと思って出し切る」
昨年は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけない科学博士24時』(Blu-ray&DVDが現在発売中)と題して、さまざまな仕掛けに翻弄された。「ダウンタウンさんが受けた、飲んだらバチってなる『サイエンスショック』みたいに、今まで見たこともない罰が未だに出てくる。『方正、〇〇』って言われた時に、聞いたことのない言葉やった時は、ホンマに怖いからね」。方正が最も印象に残っているのは、自身が鉄腕アトムに扮して、ウランのコスプレをした子役の咲希(8)とのやりとりだという。
「自分で言うのもあれやけど、あそこは好きやね。8歳の娘が50歳のおっさんと普通に会話ができて、オレが言ったことをちゃんと答えてくれるってスゴいなと思った。オレが『コラ! ウラン』って怒らないとアカン部分もあるんやけど、そこで(相手が)ビビったらどうしようとかという心配もあった。でも、あれだけの受け答えができるってスゴいなと思って、終わった後に思わずあの娘のこと調べてしまった(笑)」。
仕掛けは用意されているが、それに対する5人のリアクションはもちろん即興によるものだ。「どういう風に進んでいくかっていうのは、あの場の空気で、台本とかないんやけど、みんながあうんの呼吸でそれぞれの仕事をしているって感じですね。スタッフの皆さんも緊張感をうまく作っていて、5人が『タイキックは田中』という前提で並走していたつもりが、急に風向きがグッと変わる時がある。だから、全員がオモロイと怖いっていうのを同時に抱えながら時間を過ごしていて、そういう予定調和じゃないところも、面白いと思っていただいているところじゃないかな」。
今年のタイトルは『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』だが、方正は「今年の罰もね『これは野球経験者やな』っていうのがスイングでわかんねん」とポツリ。「オレも正直、10回目というのは区切りやなと思っていたから、3〜4年くらい前から『今回が最後』だと思って出し切っている。ここ5年くらいは、美容院とか行った時に『今年あるんですか?』って聞かれたら『いやーないと思うな』ってずっと言っているもん」と率直な思いを打ち明けた。
■方正が考える『笑ってはいけない』の引き際 蝶野の“ビンタ封印”発言に本音
大みそかの風物詩となっている『笑ってはいけない』シリーズだが、気付けば5人の平均年齢はほぼ50歳。“引き際”が頭をよぎる時もある。「ダウンタウンさんも来年55歳になる。最近は、これをやっている時に昼間は元気がいいけど、夕方のこの時間帯は2人とも一切しゃべらへんなっていう時があって…後輩としてね『お疲れ様です』って思うんやけど、そういう自分も50歳やねん(笑)。まだ、罰を受けていてもみんなが笑えると思うんやけど、やっぱりおじいちゃんがシバかれていたら引くと思うねん。そうなったら終わりかなと思う」。
引き際といえば、見どころのひとつとなっているプロレスラーの蝶野正洋による方正への“強烈ビンタ”も今年大きな動きがあった。ジャズトランペット奏者の日野皓正が、コンサート中に教え子を往復ビンタしたことが騒動化。9月8日発売の写真週刊誌『FRIDAY』(講談社)でインタビューに応じた蝶野が「日野さんのビンタは、(比較的安全な)首元もうまく捉えられていない上、予告なしでの往復ビンタ。オレが方正くんにビンタする時は、当たりどころは意識して、なるべく危なくないようにしています」としながらも「今回の件が論争を呼んでいますし、今年はオファーがあってもビンタはしません」と語っていた。
この件を方正に聞くと、口元がふっと緩んだ。「あれを読んだ時に『やっと、ゆっくりできる』って思って、スゴい喜んだもん(笑)。蝶野さん以外の人にビンタされるのは、ホンマに意味がわからないから。今回どうなっているかは言われないけど、日野さんが来て、オレにビンタするっていうのはオモロイかなと。あれだけ言われた日野さんが出てきてビンタするってなったら、一応ドラムをめちゃくちゃに叩く練習をせなアカンかなって一瞬思った。もちろん、体罰はいけないことっていうのは大前提やけど、バラエティーの流れでオレに対してやったら、そういうこともあるかもしれないなという想定はちょっとしていたね」。
全員が心身ともにクタクタになる『笑ってはいけない』だが、そんな疲れが一気に吹き飛ぶ瞬間があるのだと方正は言葉に力を込める。「これは僕の想像ですけど、5人がみんな嫌がっていて、ツラいと感じながらも収録が終わる。それから、出来上がったVTRを8時間くらいお客さんと一緒に見るんですけど、最後のエンディングで、これまでのハイライトを歌詞に乗せて振り返る歌があるやん? あれを見ると『今年もやってよかった』って毎年思う。目の前のお客さんたちが、これだけ笑ってくれている。それを見て、大みそかを楽しみにしてくれている人がおるんやなって実感する。何かね、みんな泣きそうになっているもん(笑)。あの歌を聞いて、笑い泣きというかね、いい表情になっているね。芸人冥利につきると思う」。今年も「アウトー!」の数だけ生まれる笑いをじっくりと堪能したい。
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2017/12/24