学園ドラマの一つの形を作った前作から14年を経て、前作と同じ火曜10時の枠で、キャスト、スタッフ、ストーリーを一新して現代に蘇ったドラマ『GTO』。スタート前から話題を呼んだこともあり、7月期ドラマ期待度ランキングでは5位にランクイン。初回放送は、15%を超える高視聴率(ビデオリサーチ関東地区)をマークし、上々の滑り出しとなった。今回、制作を手がけるメディアミックス・ジャパン(MMJ)の山本喜彦氏に、ドラマ作りの興味深い裏側を聞いた。
1998年に反町隆史主演で驚異的な高視聴率を獲得し、今も多くの人々の記憶に残る伝説のドラマ『GTO』。今回、グレートティーチャー鬼塚を演じるのは、プライム枠での民放の連ドラ初出演となるEXILEのAKIRA。新たなGTO像を創造するため、トレードマークだった長髪を大胆にカットし、剃り残しのような不精ヒゲの長さもミリ単位で調整。さまざまに検討を重ねた末に、このビジュアルを完成させたという。
■『友達見捨ててんじゃねーよ!!』と今叫べるドラマは『GTO』しかない
プロデューサーの山本喜彦氏は、「王道のど真ん中をついて豪快に作りながらも、原作を踏まえて細かいところに心血を注いでいます」と語る。
学園ものに限らず昨今のドラマ界には、正しいことを素直に訴えかけることに、作り手側が照れてしまう傾向が、少なからず存在していた。しかし、学園ドラマの一つのスタイルを築いた『GTO』を、少年犯罪など深刻な事件が頻発する現代社会の中で描くには、とにかくブレることなく、力強くかつシンプルに描くことこそが重要になってくる。
「今の時代、正面きって『友達見捨ててんじゃねーよ!!』といった台詞を堂々と叫べるのは『GTO』しかないと確信し、楽しんで作っています。ただ、そのためには、鬼塚の表情一つ、脚本の一言一句まで細かくチェックして、キャラクターに相応しいものになっているか、突き詰めていく必要があるんです」
学校が舞台となるドラマでは、どうしても出演者が多くなり、作品によってはエキストラ的な人材を多く仕込んで画作りをする場合も少なくない。しかし『GTO』では、クラスの生徒1人1人にまで力を入れてキャスティングを進めてきた。
「鬼塚先生が生徒と向き合うことが、ドラマの主要テーマなので、33名の生徒全員が重要な役割を持っています。そのために、関西テレビの河西秀幸プロデューサーと一緒にコツコツとオーディションを重ねてきました。既にブレイクしている俳優から、これからに期待したい子までバラエティに富んでいますが、みんなにとってこの作品が、今後の俳優人生にとってのジャンプ台になればいいなと思っています」
主演の経験もある川口春奈をはじめ、宮崎香蓮、西内まりや、本田翼、新川優愛など、キラリと光る個性を持つ若手女優が一堂に集められた。男子生徒役にもジャニーズJr.の森本慎太郎、高田翔や、『家政婦のミタ』の長男役で注目された中川大志など、未来のスター候補がそろっている。
「採用の決め手を論理的に説明することは難しいのですが、ファーストインプレッションでピンと来る場合が多いです。僕と河西プロデューサーとでは、センスや考え方も違いますが、これはという子を前にすると、必ず意見が一致しますね」
反町版の前作も小栗旬、窪塚洋介、池内博之など、後にブレイクした俳優を輩出しており、今作も大いに期待したいところだ。
現役の中高生から、反町版で夢中になったミドルクラスまで、幅広い視聴者層を対象とする『GTO』。シンプルで誰もが楽しめる内容となっているものの、それを生み出す現場は緻密な作業が必要になってくる。
「例えば鬼塚のキャラは、9割方ふざけていて、残りの1割で真剣さを発揮します。だからシリアスなシーンでも鼻をほじってたりするし、それでも相手の話に耳を傾けてるという複雑な演技が求められます」
33名の生徒役についても、全員のキャラクター表を作り、衣装合わせの際に演出部も交えて個別でレクチャーした。そういったディテールの積み重ねが、全体像としての画に必ず反映されると、山本氏は語る。このような緻密さの集積があるからこそ、骨太でシンプルに見えるドラマが、視聴者の胸を打つのだろう。
1998年に反町隆史主演で驚異的な高視聴率を獲得し、今も多くの人々の記憶に残る伝説のドラマ『GTO』。今回、グレートティーチャー鬼塚を演じるのは、プライム枠での民放の連ドラ初出演となるEXILEのAKIRA。新たなGTO像を創造するため、トレードマークだった長髪を大胆にカットし、剃り残しのような不精ヒゲの長さもミリ単位で調整。さまざまに検討を重ねた末に、このビジュアルを完成させたという。
■『友達見捨ててんじゃねーよ!!』と今叫べるドラマは『GTO』しかない
プロデューサーの山本喜彦氏は、「王道のど真ん中をついて豪快に作りながらも、原作を踏まえて細かいところに心血を注いでいます」と語る。
学園ものに限らず昨今のドラマ界には、正しいことを素直に訴えかけることに、作り手側が照れてしまう傾向が、少なからず存在していた。しかし、学園ドラマの一つのスタイルを築いた『GTO』を、少年犯罪など深刻な事件が頻発する現代社会の中で描くには、とにかくブレることなく、力強くかつシンプルに描くことこそが重要になってくる。
「今の時代、正面きって『友達見捨ててんじゃねーよ!!』といった台詞を堂々と叫べるのは『GTO』しかないと確信し、楽しんで作っています。ただ、そのためには、鬼塚の表情一つ、脚本の一言一句まで細かくチェックして、キャラクターに相応しいものになっているか、突き詰めていく必要があるんです」
学校が舞台となるドラマでは、どうしても出演者が多くなり、作品によってはエキストラ的な人材を多く仕込んで画作りをする場合も少なくない。しかし『GTO』では、クラスの生徒1人1人にまで力を入れてキャスティングを進めてきた。
「鬼塚先生が生徒と向き合うことが、ドラマの主要テーマなので、33名の生徒全員が重要な役割を持っています。そのために、関西テレビの河西秀幸プロデューサーと一緒にコツコツとオーディションを重ねてきました。既にブレイクしている俳優から、これからに期待したい子までバラエティに富んでいますが、みんなにとってこの作品が、今後の俳優人生にとってのジャンプ台になればいいなと思っています」
主演の経験もある川口春奈をはじめ、宮崎香蓮、西内まりや、本田翼、新川優愛など、キラリと光る個性を持つ若手女優が一堂に集められた。男子生徒役にもジャニーズJr.の森本慎太郎、高田翔や、『家政婦のミタ』の長男役で注目された中川大志など、未来のスター候補がそろっている。
「採用の決め手を論理的に説明することは難しいのですが、ファーストインプレッションでピンと来る場合が多いです。僕と河西プロデューサーとでは、センスや考え方も違いますが、これはという子を前にすると、必ず意見が一致しますね」
反町版の前作も小栗旬、窪塚洋介、池内博之など、後にブレイクした俳優を輩出しており、今作も大いに期待したいところだ。
現役の中高生から、反町版で夢中になったミドルクラスまで、幅広い視聴者層を対象とする『GTO』。シンプルで誰もが楽しめる内容となっているものの、それを生み出す現場は緻密な作業が必要になってくる。
「例えば鬼塚のキャラは、9割方ふざけていて、残りの1割で真剣さを発揮します。だからシリアスなシーンでも鼻をほじってたりするし、それでも相手の話に耳を傾けてるという複雑な演技が求められます」
33名の生徒役についても、全員のキャラクター表を作り、衣装合わせの際に演出部も交えて個別でレクチャーした。そういったディテールの積み重ねが、全体像としての画に必ず反映されると、山本氏は語る。このような緻密さの集積があるからこそ、骨太でシンプルに見えるドラマが、視聴者の胸を打つのだろう。
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2012/07/28