AMAZON商品説明通り全8話のオムニバスだが、順番が違っていないか。
「真夜中」、「まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい」、「戦湯~SENTO~」、「やさしい人」、「バックヤードにて」、「とある家のこと」、「同度のカノン」、「本日は、お日柄もよく」だったと思う。
どれもボロが出難い短篇なだけに、そこそこ水準以上。
トップを飾る「真夜中」の脚本は、漫才コンビのピース又吉直樹。
お笑いを安易に見下すべきではないことを、きちんと教えてくれる好テキスト。
「戦湯~SENTO~」は何事も過剰な品川ヒロシ脚本・監督、もっと抑えた方が好い気がするもののクドさが無くなったら個性も失せそうだし、難しいところ。
しかし、お笑いトリオのロバート秋山竜次がワン・パターンの熱演、露出が増えて随分経つにも拘らず、未だに新鮮なのは何故だろう。
やらかしたチュートリアルの徳井義実が好い感じに情けない「やさしい人」は、中村義洋監督作『みなさん、さようなら』(2,013)にも出ていた倉科カナの台詞内容が笑えた。
水川あさみとハリセンボン近藤春菜との掛け合いが楽しい「バックヤードにて」は、有りがちな日常から一挙にSFへと飛ぶ展開で、SFの火は絶えて欲しくない。
霜降り明星の粗品が脚本を担当した「同度のカノン」は、二回観直したのだが、ズレ加減の妙を理解出来なかった。
もしかして、ネタ作り担当は安いSM風俗へ出入りしている相方せいやではなく、ルックスが小栗旬のNG風な粗品の方かもしれず、ネタは如何にも今風で興味深く、また何度も観なくては。
「本日は、お日柄もよく」は、ラストを飾るのに相応しい佳作。
紆余曲折あり一時は現場復帰は無理とも囁かれた岡村隆史が、好い感じに“老け”を迎えているものの、既に五十路の坂を越えているのだから、決して無理はしないで欲しいよ。