本作を観終えてふと思ったことは、「親が、教師が子供に問いかけることはただ一つでいいのではないか?」ということだ。
子供に問いかけるただ一つのもの、それは「なぜ勉強をするのか、しなければいけないのか」ということだ。
この映画は、三人の男子高校生の12年後を描いたものだ。
三人の勉強に対するスタンスはそれぞれで、しっかりとする者、そこそこの者、勉強などせずに夢を追いかける者とそれぞれ異なっている。
いい悪いは別にして、12年もたつとその差は出てしかるべきだと思うのだが、不思議なことに三人の未来にそんなに大きな差はない。
悩みの種類の違いはあれど、誰一人として幸せをつかんでいるようには見えない。
それはなぜかと考えてみれば、ただ成績のために勉強をしたからだと思う。
「なぜ、勉強をするのか?」という問いに対して自分なりの答えを出していれば、未来は大きく変わっていただろうと思う。
こう書くと、高校時代の彼らを非難しているように見えるかもしれないが、それは違う。
彼らは悪くないとは言わないが、100%ではない、せいぜい20%程度だ。
じゃあ、残りの80%は誰かといえば、親や教師など彼らに関わる大人たちだ。
親が教師が、「なぜ勉強をするのか?」ということを考えることをさせなければいけないのだと思う。
これだけ読むと、よくわからないと思う。
ただ、「そんなこと言ってたな」という程度でいいので、そのことを頭に置いて観はじめてほしい。
きっと、私が伝えたいことが見えてくると思う。