森口博子×鮎川麻弥が語る“ガンダム愛”「アニソンに関われて幸せ」

 森口博子×鮎川麻弥による両A面コラボシングル「追憶シンフォニア/果てないあの宇宙へ」が、10月23日リリース。SANKYO『フィーバー機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』搭載曲であり、テレビシリーズ『機動戦士Zガンダム』(1985年)において、前期オープニングテーマを歌った鮎川麻弥と後期オープニングテーマを担当した森口博子が、CDとしてのデュエット作品を発表するのは、これが初となる。ともに歌手デビュー時からアニソンに関わってきた2人にとって、今作はどのような意味を持つのか。まさに34年の“刻を超える絆”の証とも呼べる、意外なシンクロニシティに迫る。

今回のコラボは、シンガー人生のご褒美

  • 森口博子×鮎川麻弥のコラボシングル「追憶シンフォニア/果てないあの宇宙へ」

    森口博子×鮎川麻弥のコラボシングル「追憶シンフォニア/果てないあの宇宙へ」

――まずは「追憶シンフォニア/果てないあの宇宙へ」のことから教えてください。今回のコラボが実現した経緯は、どのようなものだったのですか。
森口 レコーディング作品としては、麻弥さんと初めてのタッグです。すごく特別で、満を持してという感覚です。2018年に『CRフィーバー機動戦士Zガンダム』搭載曲「鳥籠の少年」を私が歌わせていただいて、その流れから、次は『逆襲のシャア』だということで、2人でデュエットというお話をいただき感激です!
鮎川 少しびっくりはしましたが、ついにこの日が来たのね! という感じでした。実は伏線はいくつかあって。2017年に、博子ちゃんがMCをしている『Anison Days』(BS11)に、ゲストで呼んでもらったときに「星空のBelieve」を一緒に歌ったことがそのひとつ。それは『Zガンダム』のエンディングテーマとして通年流れていた曲で、初めてきちんとデュエットして、楽しかったし、感動もした。特に、オープニングテーマを前半後半で歌った、私たちの絆を象徴するような曲でもあって。
森口 それまでも、フェスやイベントで何人か一緒にステージで歌うことはありましたが、2人で歌うのはそれが初めて。私は、日課のようにエゴサーチをするのですが、その回の放送後は「神コラボ!」という反響ですごく嬉しかったです。
鮎川 すごくよくブレンドされるんだけど、たがいの個性はちゃんとわかりますし、歌っていても心地良いです。今回のコラボは、1985年の『Zガンダム』から34年、平成を丸ごと飛び越えての再会でもあり、シンガー人生のご褒美なのかなとさえ思います。

――鮎川さんは1984年『重戦機エルガイム』の後期オープニングテーマがデビュー曲、その約1年後に森口さんがデビューしましたが、当時のお互いの印象は?
鮎川 私は20歳を越えていて、実際にちょっとお姉さんだったのですが、そのくらいの年頃は1歳違うと大人というイメージがあり、博子ちゃんを見たときは、初々しいし、可愛いなって。でも、それは今もあまり変わらないかも。
森口 麻弥さんは、きれいで優しくて、そして色っぽいお姉さん。今もそれは変わらないです。私は末っ子なので、甘えて突っ走ってしまうところもあるのですが、麻弥さんは見守ってくれる感じで(笑)。
鮎川 博子ちゃんは愛されキャラなんですよね。つい自然に愛でてしまうというか(笑)。常にね、一所懸命なんですよ。そこは可愛いと思うと同時に、尊敬できるところです。

長年歌ってこれたのも、アニメファンの揺るぎない熱い想いのおかげ

――アニメ主題歌でのデビューは、世の中からの扱いという意味で、現在とずいぶん違っていたと思います。
森口 良い曲なのに、レコード屋さんにもなかなか置いてもらえないし、置いてあっても端の奥に追いやられて見つけてもらえないという状況はあったと思います。同期デビューの子たちは、専用のラックまで作ってもらっているのに。悔しさや寂しさは実際に感じていました。大人たちがこんなに手をかけて、本気で作っているクオリティの高い楽曲なのに、“なんで? もったいないよ”って。森口の頭文字も同じMなので、憧れの松田聖子さんのラックに自分で移動して面出ししてみたり(苦笑)。
鮎川 私もそれ、やったことがある(笑)。博子ちゃんと同じで、デビュー盤が「マンガ・童謡」コーナーに並んでいたので、少し複雑でした。その「風のノー・リプライ」という曲は、作詞が売野雅勇先生で、作曲が筒美京平先生という、とても豪華な布陣で、メロディーも歌詞も普遍的でものすごい力と深さのある曲です。たくさんの方に聴いていただきたいという思いで歌っていましたから。「君が麻弥ちゃんね。いい曲書くからね。3、4日待っててね」とおっしゃってくださった、筒美京平先生の優しいお顔が忘れられません。
森口 『ガンダム』は、当時でも卒業アルバムの社会情勢とか年表にしてあるページに「ガンプラブーム」と書かれるような、そういうすごいポジションの作品で。いろんなオーディションを受けて落ちまくっていたなか、手を差し伸べてくれたのが『ガンダム』であり、アニメだった。私のデビュー曲「水の星へ愛をこめて」は作曲がニール・セダカさんで、作詞が売野雅勇さん。こんなに恵まれたスタートはありません。だからこその悔しさは当時ありましたが、それでもなぜ私たちが歌ってこれたかというと、アニメファンの方々の揺るぎない熱い想いがあったからこそです!
鮎川 それこそ30年以上、本当にブレずに熱量を持っていてくれて、ライブ会場での盛り上がりも本当にすごい。とても大きなパワーをもらえています。

――今回のコラボでは、そもそもの声質の親和性の高さ以上に、普段からのお2人の仲の良さが好影響している印象です。
森口 会うとすぐに居心地が良くなっちゃうんですよ。『スーパーロボット魂』にここ何年も出演させてもらってるんですが、楽屋で隣の席がいつも麻弥さんで。ステージ前の楽屋は、自分の世界に入っていたいものだと思うんです。でも、麻弥さんと何気なくリラックスして話していると、すごく居心地が良い。17歳からのお付き合いなので、どこか家族のような安心感があります。
鮎川 『KING SUPER LIVE 2018』のときも、ねえ。
森口 そうそう! 事前に、「衣装の色は何にします?」と聞いたら赤って言ってたので、私は青にしようと思って、東京ドーム公演に備えて準備したんです。そうしたら当日、まったく同じドレスを買っていたことが判明して!
鮎川 色以外は、本当に何の打ち合わせも無しに、同じものを買っていたんだよね。
森口 麻弥さんも私も、買ったドレスをリメイクしていたのですが、スリットの位置も2人でステージに立った時に左右対象になるようになっていて。ちょっとWinkのような仕上がり(笑)。前世で姉妹だったんじゃないかってくらいの驚きでした。
鮎川 細かいアレンジは違うけど、どこか統一感があって。気持ちが通じている感じというか、絆を感じます。

提供元: コンフィデンス

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