結果を残すビジネスマンたるもの、ちょっとした失敗やピンチは誰もが通る道。とはいえ、背筋が凍るような経験は少ないにこしたことはないですよね。そこで、年齢も職種も異なる男女が「不注意あるある」座談会を実施。ビジネスシーンにおける不注意を皮切りに、恋愛、家庭など日常生活の様々なシーンでの失敗談を語ってもらいました!
笑ってばかりもいられない…
誰の内側にも潜む不注意ミス
―4月からまた新年度がスタートしますね。昨年度を振り返って、ズバリみなさんの失敗談を聞かせてください!
仕事柄、株とか債券とか、資産運用で数字ばっかり見ているから数字のミスは多いかも。でも、新年度から4年目でそういったミスも減ってきたかなぁ〜
全然違う人に機密情報を送ってしまった時は、真っ青になった!双方にすぐ電話して、菓子折りを持って行って謝罪しました。先方には笑って許してもらえたから、良かったけれど。
僕は自分が把握していればいいやって思って、後から慌てることがある。この4月に転職するのに片付けできていなくて、休み返上でギリギリまで出社するハメに…損してますよね。
ギリギリと言えば、幹事になってお店を直前に予約する事も。結果的になんとかなってしまうから、多分大丈夫だろうって過信があるんですよね。でも、心の中では「あ〜、またギリギリになってしまった…」と、そんな自分にウンザリすることも。
人の脳が処理できる量には限界があり、一時的に情報を記憶・保管する「ワーキングメモリ」の容量を超えると、ミスが起こりやすくなることも。この容量は生まれつき決まっているのですが、大人になるとこなすべき作業量が増えるため、問題が生じてきて自身の実感も増してくるのです。
子どもの頃から不注意の傾向が強いと感じている場合は、メモをとって整理するなど、脳内の作業にとどめない対策が必要です。
営業職を1年半、現在は人事部で勤務。
事務職として今年で4年目。内勤が主。
あなたの周りのウッカリさん
“上手な”付き合い方とは
―では、みなさんの周囲に目線を変えてみるといかがですか?
僕自身は勢いでやることが多いんで、不注意を不注意と思っていないのかも。誰も言わずに見逃してくれているだけで。そのぶん、周囲のミスにも寛容な方かな。
そういう意味では、見た目が落ち着いているのにやらかす人っているかも。その方はよく誤送とかやっているけれど、周囲が信頼しているからか注意されない。
「天然だな」って人には要点をしぼって伝えても、結局イチから説明しなきゃいけなかったりするよね。でも、僕の説明不足なのかもと思うと、あまり強くいえないのもある。
私は人事部なので、そういうときはあえて強く言うようにしているかな。普段はフランクに接するぶん、言うべき時は真面目に。「私が言うってことは、相当なミスをおかしているんだよ」と印象づける意味も込めて!
昨年に転職し、現在はPRマネージャーとして1年目。
この春、1年半務めた会社から大学職員に転職。
親しい仲ほど注意すべき?
突発的な行動がトラブルに
―では、プライベートではどうですか?家族や恋人とかって気を許せる間柄だからこそ、うっかりという事もありそうですが。
私は実家ぐらしということもあって、うっかり忘れは日常茶飯事ですね。電気毛布やこたつを切らないで出かけたり。特に冬は多いかも〜。
僕は同棲をしているのですが、鍵に関するトラブルがたびたび。この前も遅れるわけにはいかない約束があったのに、相手が僕の鍵を持って行っちゃって。すごくカッとしちゃって色々と酷いことを言ってしまった。今思えば、鍵ごときでそんなに怒ることなかったのに、衝動的になってしまったなと反省…。
―衝動的といえば、最近だとSNSの炎上トラブルも多いですよね。
IT系の職業柄、特に注意しています。以前、入社式の写真を新入社員がアップしたことがきっかけで、ネット上で「チャラい」などと問題になったことも。SNSはどこからワッと広がるか分からない。
SNSで多く見掛けるのは、ポエマータイプ(笑)。仕事がらみのことを「クライアントが○○で。こんなプロジェクトに関われて、この恵まれた環境に感謝!」みたいな。その程度なら微笑ましいけれど、悪口っぽいことまで書いている人はどうかと思いますね〜。
SNSを炎上させてしまうのは、衝動性のコントロールができていないから。お酒に酔うと判断力が鈍るのと同じで、脳の衝動を制御する力が落ちるんです。例えば「飲んだら投稿しない」など自分なりのガイドラインを作っておくべきですね。
また、不注意がちな人には根性論で叩きなおしても、ダメ。「どうしてできないの?」ではなくて、順序立てて具体的にサポートしてあげる、度々声掛けをしてあげることも大事です。
医療法人 きょう 理事長・医学博士。日本精神神経学会認定 精神科専門医。
奈良県立医科大学卒。
児童思春期精神医学・心理学を専門とし、発達障害の相談、治療、研究などに携わる。
人の脳は完璧ではありませんし、常に集中力を保つこともできませんから、不注意で失敗をすることは誰にでもあります。ただ、常にケアレスミスや忘れ物などを軽減できない人には、AD/HD(注意欠陥・多動性障害)という病気が隠れている場合が。その症状は「集中できない」「そわそわしてしまう」「忘れ物をしてしまう」など、誰もがあるようなことばかりで、病気として認識されていない方も多いのです。
「確認やチェックをしっかりする」「メモを取る」などの対応策を積極的に取り入れることも可能ですし、AD/HDとわかれば、薬などを使った治療によってかなり問題を改善することができます。日ごろからケアレスミスが多く、悩まれている方は、まず一度、専門医に診てもらってください。
【もっと詳しく知りたい人はコチラをCHECK】
・AD/HDの理解と付き合い方をサポートする「AD/HDナビ」
・AD/HDの人やその家族を応援する「えじそんくらぶ」
・AD/HDを診ている病院を簡単に検索できる「病院検索」