ORICON NEWS
「インスタ映え」求め“リア充ねつ造” 当事者が語る架空の自分を作り出す心理とは?
もはやビジネスとして確立 経済効果につながる“インスタ映え”や“フォトジェニック”
SNSにはTwitterやFacebookなどもあるが、同じ「いいね!」にしても、面白い写真やネタに付きやすいTwitterに比べると、インスタはキラキラしたオシャレな写真が好まれる傾向があり、“インスタ映え”や“フォトジェニック”を意識している人たちにとっては、“自分が輝いているところ”の集大成になっているようだ。 実際、おしゃれな料理店は“インスタ映え”する色鮮やかなメニューを揃え、ファッション系のショップはフォトジェニックな服や撮影スポットを用意することで集客効果を上げるという“経済効果”もあり、ビジネスとして確立している。
60人の“友達”を用意することも! 代行サービス会社に聞く、“リア充”の演出方法
依頼者の男女比率は半々、撮影する写真はシーズンによって様々だというが、夏季はバーベキューやナイトプール、メディアに出ているお洒落カフェなどが多く、シーズンに影響されないものでは、自分の誕生日会や仕事帰りの飲み会設定などがあるという。「中には、振られた彼女を見返したいという理由で、可愛いスタッフと楽しんでいる写真を撮る方や、お笑い芸人さんが、自分のお笑いライブに花束を持ってきてくれたファンと写真撮影をするといった依頼もあり、リア充アピールはわりと枠にとらわれないです」(石井氏)
今や企業ぐるみで、フォトジェニック→インスタ映え→いいね!をもらう→リア充をアピール、といった流れにまでなっているインスタだが、こうした“ねつ造”はインスタが流行しだした当初からわりと普通に行なわれていたふしもある。先ほどのGENNKINGなども、『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で本当はローン地獄だったことを明かし、見栄を張りまくっていたことを告白している。
“リア充ねつ造”モデルが明かす、理想の自分像とは?
実際の現実はどうであれ、インスタ上の写真だけであれば、確かにフィクションを作りやすい。「SNSでつながっているだけで、会ったことのない友だちや、リアルな友だちの友だちなどから見ると、それが本当の友だちなのかはわからないので、細かいことを気にすることなく、たくさんのいいね!とリア充ぶりを気軽に叶えられる」(前出・石井氏)というわけだ。
自分の“承認欲求”を満たすために、ここまでする必要があるのだろうか?と思う人も多いかもしれないが、西上のように自己実現のための一種の“ツール”と考えれば、それはそれでアリなのだろう。インスタを使うことで理想のモデル像を自己演出し、いつかはリアルな現実にするという明確なビジョンがあるわけである。さらに、SNSはその場ですぐ反応が返ってくる世界だ。現実に返り、ふと我に返って虚しくなる前に、誰かから即リアクションが返ってきて評価を得られるからこそ、“前向き”でいられる。昨今の“インスタ映え”ブームは、自分を輝かせ続けたいという若者たちの祈りのようなものなのかもしれない。