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ORICON NEWS
フジ“日曜アニメ”の新たな楽しみ方 深読みする大人たちがSNSに集う
絶対的な安心感の中に潜む“闇”を探る楽しさ
いずれも日常の“何気ないひとコマ”を切り取ったもので、主人公のおっちょこちょいぶりやキャラの濃い登場人物たちが引き起こす出来事を楽しむという、絶対的な安心感とともに視聴者に長く愛されてきたアニメである。番組がはじまると、「明日からまた仕事かぁ…」と憂鬱になるビジネスパーソンも多いという説もあるぐらいだから、両番組はもはや日本人のDNAに刷り込まれているといっても過言ではないだろう。
そんな2大アニメではあるが、学生たちが次の日の学校などで話題になることはあっても、大人になって両番組について語り合うということはそうそうないだろう。しかし今やSNSを利用することによって、両番組を“ネタ”に深読み&斜め読みしながら、大人でも楽しく語り合うことが可能になったようなのである。
カンニングした藤木くんがスケープゴートに! “大人”の視点で見る怖さ
3月5日放送の「まる子、カンニングをする」の巻で言えば、算数のテストで卑怯者キャラの藤木がカンニングをすると、同級生の前田さんが藤木を“告発”。藤木は泣きながら白状するも、永沢が「泣けばいいってもんじゃない」と責め、クラス中も藤木を非難する。実は同じくカンニングしてしまったまる子は、バレなかったものの罪悪感に苛まれ、泣きながらたまちゃんにカミングアウトするが、友だちのたまちゃんはまる子をかばう、という展開だった。
まる子と同じ小学3年生ならば、カンニングをしたまる子のてん末を見て“カンニングは悪いこと”と再認識して終わるところなのかもしれないが、登場人物のキャラクターや関係性をある程度理解している“大人たち”の視点からは、「藤木に対するイジメがガチで怖かった」「道徳の教科書に載せたい」「藤木の“前”の席にいたのに、なぜ前田さんは藤木のカンニングに気づけた?」等々、斜め読み・深読みの意見が飛び交い、その巻はSNS上で大いに盛り上がったのである。
鉄板の“サイコパス”ホリカワくん、タラちゃんのワガママも“ディスる”対象に
さらにカツオで言えば、勉強こそ苦手だが、その頭の回転の速さとピンチを切り抜ける様から、“カツオが天才すぎる件”的に盛り上がったり、フグ田タラオの3歳児ならではのワガママぶりや自己主張をディスる(批判する)意見が飛び交うなど、サザエさんの放送時間にSNSで盛り上がることは、今ではすでに恒例となっているのである。
“さくら家”と“磯野家”の汎用性と、秘めたポテンシャル
つまり、そうした日本一知名度が高いファミリーアニメだからこそ、多くの人たちがSNSで“ネタ”として共有することができるし、番組のディテールにまで入り込んで楽しむこともできるのだろう。最近、両番組の視聴率の低下が報道されることもあるが、SNSとの親和性の高さからも、この日曜夕方6時台の両アニメはまだまだポテンシャルを秘めている番組と言えるし、何よりも日本一の長寿アニメとして、これからも愛され続けてほしいものである。