ORICON NEWS
“鉄板”の大食いジャンル、近年はYouTubeに移行 衰えぬ人気のワケとは?
海外で“フードファイター”はアスリート扱い 映画化された日本人も
前述の「大食い選手権」は1989年にはじまるが、以前から日本の風物詩として“わんこそばを食べた杯数を競う”競技があったり、飲食店が客寄せのために“この大盛りを30分以内に食べた人には賞金を出す”的なものがあったためか、視聴者にもすんなりと企画が受け入れられ、格闘技中継のような演出も相まって人気を博し、ジャイアント白田や小林尊といった“フードファイター”を多数輩出した。
特にイケメンの小林は、アメリカの「ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」で2001年から6年連続優勝するなど、海外では“THE TSUNAMI”なるニックネームをつけられるほど活躍している。2013年には自身のドキュメンタリー映画『HUNGRY』も公開されるなど、日本以上に“大食い”が持て囃される海外で小林は “スポーツ選手”としてリスペクトされる存在であり、ヒーローなのである。
早食いが事故の原因に…“大食い”地上波から姿を消す
これを機に「食べ物を粗末にするな!」「危険すぎる!」等、大食い番組は世間からの批判にさらされ、『大食い選手権』は2001年からはじまっていた『フードバトルクラブ』(TBS系)とともに放送を自粛。2005年には「大食いは健康であれ!」「危険な早食いは禁止!」「食べ物に感謝を」という“大食い三ヶ条”を掲げ『元祖!大食い王決定戦』(テレビ東京)として復活。その後もギャル曽根や三宅智子といったアイドル系大食いタレントを輩出したが、リスクの高さからか、民放各局から“大食い”ジャンルは徐々に姿を消していった。
大食いの聖地に? 世界中からファンが鑑賞に集まるYouTube
一方、YouTube ならYouTuberの自己責任であるとする向きもあり、大食いに自信がある人なら誰でも挑戦・投稿することができ、かつ強烈なインパクトを残すことが可能となる。コメント欄には“大食い”需要の高い海外のファンからのコメントもあり、YouTubeに適した1つのコンテンツとして成り立っている。
土壌を変えても“いい食べっぷり”で楽しませてくれる大食いYouTuberや、想定外の新型大食いタレントたちが人気を博してはいるが、やはり視聴回数獲得のための行き過ぎたパフォーマンスは、たとえネット動画であろうと批判にさらされる可能性は高い。“フォーマット”としての面白さは折り紙付きなだけに、健康・安全には十分に気をつけなければいけないということを忘れないでほしい。